韓国の経営学部教授『米国、日本との通貨スワップが必要だ。いま政府にとってもっとも重要な政策である』

日米との通貨スワップ締結を促す韓国メディアの記事は、そう珍しいものでもありません。米韓首脳会談前には、米国との通貨スワップを常設化(日本は常設化されています)すべきだとの主張も結構目立ちました。それからも、何度も何度も同じ趣旨の記事がありましたが・・

最近、米国のイエレン財務長官が訪韓することで、また「今度こそ通貨スワップを」という記事が、再び多くなってきました。前にも『米韓首脳会談で話すべきだった(尹政権がもっと積極的に議題にすべきだった)』という指摘があった(過去エントリー)し、今度こそ事前に準備しておくべきだ、というのです。例えば、ソウル経済は、『韓国なら、米国と通貨スワップできる』という趣旨の社説を載せています。いまは通貨スワップ締結に向いている時期ではない(米国の政策的に)けど、韓国ならできるというのです。以下、各紙、<<~>>が引用部分です。

 

<<・・もうドルが十分だという考えをやめるときがきだ。6月末の外国為替保有額は4382億ドルだが、あっという間に足りなくなる可能性がある。成長率が落ち、家計・企業の負債問題が広がれば、金融システムまで揺れるだろう。政府は韓米通貨スワップなど資本流出を防ぐための出来る限りの安全装置を構築しなければならない。19日、イエレン米財務省長官の訪韓は良いきっかけだ。 もちろん、韓米間の両国間の契約は、米国が他の国々と同時に締結したものとは違うだろう。しかし、中国と北朝鮮問題などを防ぐための経済・安保同盟というレベルで接近すれば、十分に通貨スワップ締結を検討することもできる・・>> さて、どうでしょうか。大統領室に関連した質問をしたメディアもありますが、「まだ議題について明らかにしていない」、とのことですが。

 

本ブログはここからは本題ですが・・こんな中、今回、関連した内容の論文が発表されたとのことで、ちょっと調べてみました。専門家の見解は今までも普通に載っていましたが、論文をソースにする記事はそうありませんでしたので。でも、残念ながら、一般メディアは、論文について報じてはいるものの、その内容は短いものばかり。ちゃんと論文を分析して記事にしたのは、ネットメディア「ニュースフリーゾーン」だけでした。https化されていないようで、直リンはしません。  ttp://www.newsfreezone.co.kr/news/articleView.html?idxno=393725  です。

 

<<世宗大学キムデジョン経営学部教授が「為替レートの急騰(※ウォン安)と為替危機の再発防止のため、韓米通貨スワップ締結が最も緊急だ。外国為替保有額を2倍増額しなければならない」と主張した。世宗大は14日、キム・デジョン教授が「米国のドル為替と新興国外為保有高研究」論文を通じてこのように明らかにしたと伝えた。キム・デジョン教授は「尹錫悦(ユンソンニョル)政権がしなければならない最も重要な業務は、米国6兆ドル還収による緊縮に備えることだ。政府は急いで韓米、韓日通貨スワップを締結しなければならない」と話した。

韓国は製造業世界5位、GDP世界9位だが、国際金融市場で韓国ウォンが決済される割合は0.1%以下で30位圏だ。これは、政府が経済の血液である金融を育成していない結果だ。韓国は2008年にも、為替レートが1600ウォンに上昇したた。当時、韓米通貨スワップ締結と韓日通貨スワップも結んだ。しかし今は、それら2つの防御策がなく、自分だけの手で経済を守らなければならない・・

 

・・キム教授は韓国の外国為替市場の問題点と代案を次のように明らかにした。その1、韓国為替レートが1,320ウォンに迫り、外国為替市場が深刻だ。2022年、『短期外債』比率は34%と非常に高い。その2、国際金融市場の不確実さが増加した。米国の相次ぐ基準金利引き上げとドル還収により、世界はドルが不足していること、日本・米国が通貨スワップ締結に応じていないこと、韓国は貿易依存度75%で世界2位であること、新興国の現状など。

その3、韓国銀行の外国為替保有高は現金が不足しており、運用も問題ばかりだ。外貨資産構成を見ると、国債36%、政府機関債21%、会社債14%、MBS13%、株式7.7%、現金4%だ。外国為替保有高現金の割合を4%から30%に上げなければならない。投資の3大原理は安全性、収益性、還金性だ。なのに、急に使うための現金がない。

その4、韓国銀行に対する国会、企画財政部、大統領室の徹底した監督が必要だ。 2021年、韓国銀行は韓・トルコ通貨スワップにより、1兆ウォンを超える損失を見た。韓銀は外国為替保有高21%を危険性の高いモーゲージ債権に投資しており、損失リスクが非常に高い・・>>

 

このキム・デジョン教授の「米国のドル為替と新興国外為保有高研究」論文は、8月、オーストリア国際学会で発表されるとのことです。教授は、「韓国は6月末現在、経常収支もまら赤字で、グローバル危機に最も揺れやすい国家に挙げられる。尹政権になって、韓米関係が復元されているだけに、2021年12月終了した韓米通貨スワップを再締結しなければならない。韓日関係も、各懸案は未来世代に任せて、韓日通貨スワップを再開しなければならない」と話していますが・・本当に復元されているのかどうか分からないし、『未来』という言葉ももう通用しなくなったのでは。

 

 

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 ・様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版です。 ・国に蔓延する対日観、『卑日』について考察した<卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。

京都に行ってきました。レナの写真も含め、週末あたりには写真エントリーでも書けたら、と思っております※