防衛白書、閣議で了承・・韓国メディア「外相会談から2日しか経っていないのに」

閣議で、防衛白書が了承されました。台湾のことで「力による現状変更は世界共通の課題」としたり、反撃能力についても初めて明記した、とのことです。さて、いつも通りなら、韓国メディアがまた記事にしているだろうな・・と思って調べてみたら、やはりありました。

「外相会談から2日しか経っていないのに!」、というのです。この前、尹錫悦(ユンソンニョル)氏が当選した直後、林芳正外相が佐渡島の金山の世界遺産登録を予定通り進めると話したことで、各メディアは「ユン氏が当選したのに、なぜ予定通りに進めるというのか」とする記事を出したりしました。あのときと似ています。というか、しょっちゅうあります。このパターン。

 

なんでこんな流れになるのか、それは、「こっちの弁が正しいに決まっている」と信じて疑わないからです。相手が話し合うというのは、こちらの話に合わせるという意味であり、それが『正道』である。なのに、なんで話し合うとしながらも主張を変えないのか、というのです。こういうのが、首脳会談すればなんとかなるという考えにも、少なからず影響を及ぼしているのではないか・・私はそう見ています(これだけで説明できるとは思っておりませんが)。

特に、朴振(パクジン)外交部長官の訪日について、なんとしても肯定的な内容を書こうと、各メディアはがんばって(?)記事を出していました。なにか良い方向に行く、そんな感じがする(笑)という内容の記事が主流だったのに、そこで防衛白書が閣議了承となったわけです。外交部も、駐韓日本大使館の政務公使を呼び、いつもの主張を繰り返しました。

 

ちなみに、尹大統領が当選人だったとき、相星日本大使と会った直後に教科書検定関連で同じことがありました。日韓関係改善のために話したのに、なんでこんな内容の検定を行ったのか、と。今回もほぼ同じです。複数のメディアが記事を出していますが、韓国日報の記事が、防衛白書の関連記述などを合わせて紹介しているので、こちらを引用してみます。<<~>>が引用部分となります。

<<・・日本が今年も防衛白書を通じてD島が日本領土だという主張を繰り返した。 2005年以来18年連続だ。同時に「韓日安保協力の重要性」を新たに言及した。日本政府は22日、岸田文夫首相が駐在した閣議(国務会議)で2022年版防衛白書を採択した。反撃能力を防衛白書に初めて含め、防衛力強化の意志を繰り返し明らかにした。防衛省が発刊した白書は「日本の固有領土である北方領土と竹島の問題が依然未解決状態で存在する」と主張した。

 

また自衛隊部隊の位置を表示した地図を含め、白書に収録された複数の地図にD島を「タケシマ」と表記した。パクジン外交部長官が日本を訪問し、林芳正外相と会談してから、二日ぶりのことだ。日本が防衛白書でこの主張を始めたのは、小泉純一郎内閣だった2005年以降、18年目だ。今年4月、日本外務省が発刊した2022年外交青書にも同じ主張が5年連続で盛り込まれた。今年の防衛白書の韓国関連記述は、昨年と大して変わらなかった。「両国をめぐる安全保障環境の厳重さと複雑さが増える中、両国の協力はますます重要になっている」という言及を追加したことが注目される。尹政権発足以後、徐々に変わる雰囲気を反映したものと解釈される。

白書は、尹政権が「北朝鮮の核・ミサイルには強力に対応するが、不合理な行動には原則に基づいて断固として対処するという方針だが、対話を通じて南北問題を解いていくという意も示している」とし、「新政権の発足が、今後南北関係に及ぼす影響を注目していく必要がある」と書いた。「尹政権は韓米同盟を包括的戦略同盟に発展させるという方針を明らかにし、対米関係を重視する姿勢を強調している」という内容も含まれた。ただし、「韓国防衛当局側による否定的な対応が続いている」、「日本は、適切な対応を『強く』要求している」など、昨年追加された記述はそのまま維持された・・>>

 

ここだけの話、安保協力が重要だという内容は、総理の発言などでよく出てくる内容だから別に違和感もありませんが、『その協力が、レーダー照射問題などによって影響を受けている』という趣旨だったり、同盟国である米国(日米韓安保協力をまだまだ強調していますし)の立場を考慮したものだったり、いろいろな見方ができるでしょうけど、どうであれ、今までの記述を大幅に変える理由はないでしょう。また、各記事はどうしても後◯部(わざと◯にしてみる)な話にしたいようですが・・

どちらかというと、外交部長官が急いで来日したのは、これが理由だったのではないか(防衛白書が話題になる前に)、そんな見方もできるでしょう。それに、まぁ余談ですけど、各メディは頑張って頑張って肯定的な流れにしようとしていますが、今回の外相会談、そこまで期待できる内容だったわけでもありません。

 

本ブログでも取り上げた、パク外交部長官の「日本『も』誠意ある~」発言ですが、自民党外交部会などで、出席者からどういうことだと指摘が相次ぎ、外務省からも「はっきり言っておいた」との発言があった、とのことです。時事通信からちょっとだけ引用して、そのまま終わりにしたいと思います。 <<・・出席した外務省の担当者は、林芳正外相が18日の日韓外相会談で「韓国側で解決すべき問題だ」とくぎを刺したと強調した・・>>

 

 

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