二つの記事を紹介します。題になっている尹大統領の発言はちょっと後にして、まず、秋頃に行われるとされる『現金化』に対して、「日本が対抗措置をシミュレートしている」という報道からです。朴振(パクジン)長官が訪日して話した内容に関しても反発が多く、そもそも、尹政権の言う関係改善という話も、結局は支持率によるものだろう、というのです。韓国では中央日報が結構大きなニュースとして報じています。以下、<<~>>が引用部分となります。
<<・・現金化問題と関連し、日本政府は、関連した企業資産の現金化に備え、「対抗措置」を検討していると報じられた。日本経済新聞は22日、現金化問題と関連、現金化措置が取られた場合に備え、外務省が「対抗措置」を準備していると報じた。与党である自民党は今月21日に外交部会議を開催したが、この席に出席した佐藤正久部会長が会議直後、外務省の対抗措置検討事実を伝えた。外務省側が「現金化は深刻な問題であり、具体的な措置を考えている」と明らかにした、というのだ。
産経新聞はこれに関連して、外務省が検討している対抗措置は、抗議や遺憾レベルではないと報じた。外務省が口頭レベルではない別途の対抗措置をシミュレーションしているという。自民党内の強硬な雰囲気も伝えた。「安易に譲るべきではない」という声が高い、という。産経は尹錫悦(ユンソンニョル)政権の支持率下落にも言及しながら、自民党内で「いままで、支持率が下がると、対日政策が強硬になる事実がある」とする佐藤議員の発言も報道した。尹政権が韓日関係改善を前面に出しているものの、支持率が下がれば、また世論に迎合するだろうと指摘したのだ・・
・・朴長官は18日、日本を訪れて林芳正外相と会って会談を行った。韓日両国の外相が向き合ったのは4年7ヶ月ぶりのことだ。その場で朴長官は、現金化と関連し、国内で進められている民官合同協議会の協議内容を説明し、「現金化の前に望ましい解決策が出るよう努力する」と言及した。尹政権が解決策を摸索しているところなので、日本も積極的に問題解決に出てほしいという趣旨だったが、日本の反応は冷たかった。(※この部分、少し書き加えたいですが、今回問題になっているのは、「現金化前に解決策を」とした部分ではありません。いままで何度も書いてきましたが、「日本『も』誠意あるリアクションを~」発言です)。
外相会談の際、冒頭発言の公開も、共同記者会見もなかった。19日岸田文雄首相との面談でも、パク長官は現金化問題においての国内の動きを説明したが、岸田首相は最初から言及を避けた。面談直後、記者団に対して「尹大統領から、安倍元総理逝去に対する弔意のメッセージが伝えられ、私の方から謝意をお伝えしてほしいと申し上げた」とし、弔意を受けたとだけ短く答えるだけだった・・>>
どちらかというと、措置の容易は、してないというのが不思議でしょう。ただ、このタイミングでこの内容の記事が出てきたことは、気になるところです。やはり、外相会談の結果がパッとしなかったなどで、岸田政権が関連情報を少しだけマスコミ側に流したとか、そういう可能性もあります。大手だと中央日報以外は記事にしていないようですが。
あと、21日に開かれた自民党外交部会(など合同会議)でパク長官の「日本『も』」発言が指摘されたことは複数の韓国メディアから報じられていますが、時事通信の記事によると、その際、外務省の担当者が「林芳正外相が18日の日韓外相会談で『韓国側で解決すべき問題だ』とくぎを刺したと強調した」、となっています。このほうが重要だと思うのですが、この発言はなかなか記事に載りません。意図的なものでしょうか、それとも・・
引用部分にはありませんが、大学教授がこの件を分析して「安倍元総理が~」「支持率が~」としています。それも部分的には影響しているでしょうけど、根本はそこではないでしょう。安倍元総理が生きていても、支持率が拮抗していても、結果はそう変わらなかったはずです。このような分析が全国紙に載るようでは、『採点』結果はこれからも変わらないでしょう。
で、長くなりましたが、ここかた2番目のニュースです。この『も』発言ですが・・なんと、尹大統領もまったく同じことを話しました。これで、この件はさらに難解になったと見ていいでしょう。マネーSの記事によると、パク長官が尹大統領に業務報告した際、尹大統領がこう話した、というか、「外交部に注文した」とのことでして。自民党内や外務省など、日本側から『も』発言に対してかなりの不満が表出されていると分かっていたはずなのに、同じことをまた繰り返したのです。
<<・・「ユン大統領は、両国の共同利益に合致する信頼関係を作らなければならないと思う」とし「外交部は、同じ視点で、合理的問題解決を模索しようと努力すること」と明らかにした・・・・一方、「主要懸案に対して韓日関係の改善を図る合理的な案が必要だと思う」とし「特に日本が懸念する現金化について、被◯者の高齢化を勘案したとき、早速 解決しなければならず、日本が誠意ある呼応措置をすることが重要だ」と話した・・>>
中国に関しては、「IPEF参加が中国牽制ではないという点を積極的に説明すること」と話した、とのことです。どちらも、外交部に~すること、と注文するだけで何とかなる案件ではないと思われますが。
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