韓国外相(外交部長官)「首脳会談は、現金化の解決策を出した後になる」と発言・・公式発言では初めて

韓国の外相、朴振(パクジン)外交部長官が、日韓首脳会談に関して、「解決案を出せば、自然と首脳会談できる」と話しました。言い換えれば、首脳会談は現金化問題に関する解決案を出した後になる、解決案を出さないと、いつ出来るか分からないという意味にもなります。長官などがこんな話をするのは、私が知っている限りだと、初めてです。KBSYTNなど複数メディアも同じ趣旨(ついに長官が言った、などのニュアンスで)を報じております。これは、国会の「対政府質問」でのことなので、公式発言となります。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

<<・・尹錫悦(ユンソンニョル)政権を相手にした国会の対政府質問で、パクジン外交部長官は、韓日首脳会談は、懸案が解決されれば、開かれるだろうと述べました・・・・政治、外交、統一、安全保障の分野をカバーする対政府質問の最初の日。韓日首脳会談の早期開催の可能性についての質問が出ると、パクジン外交部長官は、「いつになるか分からないが推進中だ」と答えました。

 

パク長官は、現金化をはじめとする懸案の望ましい解決策が設けられれば、自然に日韓首脳会談も開かれると期待している、と述べました。また、解法がなければ、日韓関係の復元はむずかしいとしながら、日本に誠意ある措置を求めているとも明らかにしました。韓日企業参加で助成された基金で被害者に慰謝料を支給する「ムン・ヒサン案」については、参考にしているとし、様々な意見を収束中という既存の立場を再確認しました(KBS)・・>>

「参議院議員が終われば~」な主張が代表的ですが、いままではマスコミも大統領室も各長官も、首脳会談において特定の条件が存在するという事実を、実は知っていながらも、そんな条件には応じない、『まず首脳会談をして、その場で論ずる』というスタンスを示してきました。有名なのが「グランドバーゲン」です。とにかく会って、そこで一括妥結するというものです。例えば、国民日報(6月30日)の記事によると、NATO首脳会議から帰国する飛行機の中で、ユン大統領自らこう話したこともあります。

 

<<・・尹錫悦大統領が韓日関係と関連して「過◯史に進展が無いと、両国間の懸案と未来の問題についても議論することができないというそのような思考方式は、控えなければならない」と明らかにした。尹大統領が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席、岸田文雄日本首相との会った後、このような発言を出し、韓日関係回復の動きもスピードを出すことができるという観測が提起される。ユン大統領は30日(現地時間)、帰国の飛行機の中で機内懇談会を開き、「問題のすべてを一つのテーブルに乗せて一緒に解かなければならない問題だと私は強調してきた」とし・・・・韓日両国が未来に対する協力次元で接近すれば、それ以外にも解決策を見つけることができるという意味だと解釈される(国民日報)・・>>

 

今回のパク長官の発言は、この尹大統領の発言とは全然違う内容です。尹大統領の発言から1ヶ月も経たなかったことを考えると、さらに謎です。訪日している間、何があったのでしょうか。YTNもこの発言を、「(ついに)長官がハッキリ言った」としながら、こう伝えています。

<<・・パク・ジン外交部長官は、今日の国会対政府質問で、「時期はよく分からないが、現金化など懸案問題の望ましい解決策が設けられれば、自然に日韓首脳会談も開かれると期待する」と明らかにしました。 日韓首脳会談は、両国関係改善努力にピリオドを打つ象徴的イベントです。 このためには現金化問題を先に何とかしないとならないということを、パク長官が確実にしたのです・・(※長官が『合理的な方案を探っている』としたことで)しかし、その合理的な方案というのが何なのかは、今回も具体的な話はありませんでした(YTN)・・>>

 

パク長官は、引用部分にもありますが、例の「日本『も』誠意ある~」と同じ趣旨の発言をしていますし・・これでは、まだまだでしょう。しかし、見方にもよりますが、1ヶ月の間、二つの『意外な発言』があったのは事実です。外交部長官が『現金化の前に望ましい解決法を用意する』と話したこと、今回『まず解決案、それから会談』を話したこと、です。

先も記事を引用しましたが、これは1ヶ月前の尹政権とは結構違う反応で、相応の「困った」立場にある、という意味でもありましょう。安保で協力すれば、グランドバーゲンすれば、すぐなんとかなるだろうと思っていたかもしれませんが、そんな問題ではないと、少しずつ気づいてきたのでしょうか・・・・というか、そうだといいですが、繰り返しになりますが『まだ案件そのものに進展は無し』。しかも、YTNのいうとおり、「合理的な方案は今回も言わなかった」です。

 

 

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