尹政権、相次ぐ中国関連発言・・今度は国務総理が「中国主導のグループに入ることもできる」

最近、韓国尹錫悦(ユンソンニョル)政権で、中国関連の発言が相次いでいます。本ブログで紹介したものだけでも、大統領が「中国が誤解しないように積極的な外交を」、「経済のためなら大統領はどこにも行ける(訪中?)」と話したこと、与党の重鎮議員ハテギョン氏が『中国が加入できないグループには、韓国も加入しない』と発言したこと、8月の韓中外相会談のこと、外交部長官(外相)が「中国は韓国の立場を理解している」と話したことなど、です。

こんな中、ハンドクス国務総理が、中国が主導するグループにだって入ることが出来ると発言しました。私の読み方の問題かもしれませんが、先のハ議員の発言とつなげて考えると、「米国が加入できないグループには参加する」と言ったのではないか、そんな気もします。ニューシースの報道によると、ハン国務総理はKBSラジオに出演し、チップ4参加が中国を牽制するものではないのかという質問に、チップ4もクアッドもそんな目的のものではないとしながら、「(韓国は)中国主導のグループに入ることもできると思っている」と話しました。以下、<<~>>で引用しています。

 

<<・・ハンドクス国務総理は28日、チップ4参加が中国など特定国家を排除しようとするものではないのか、という主張に対し、「それは事実ではないし、また、これからそうなることもない」と明らかにした。また「中国が主導するグループに入ることもできる」と話した。ハン総理はこの日、KBSラジオの番組に出演し、「チップ4に対する韓国政府の立場と韓国の反応」についての質問に「チップ4は情報交換、世界市場モニタリング、グローバル供給問題対応などに対する協力をしてみようとする、そんな原則的な話だと理解している」としながら、このように話した。

ハン総理は「国際的な多国間協約が、特定国家を牽制するためのものではないと思う。クアッドも、これまでにやったことは、ワクチンのような措置しかない」とし「私たちは半導体において世界有数の国家なので、私たちがチップ4に入って情報も得て、ルールも作ることができる、というそのような、ちょっと肯定的な次元でものを見ることが必要だ」と話した。続いて「中国が主導するもの(※グループなど)にも、米国が主導することにも入ることができるというのか」という質問には、「中国が主導するものにも韓国は入ることができると思う」と答えた・・

 

・・ハン総理はこの日の放送で韓米通貨スワップと関連しては、「韓米間で、具体的に何らかの条約を結んでいるわけではないが、安保や韓米間の経済的緊密性で見ると、韓国に何らかの問題が生じれば、当然、米国が外国為替の協力を通じて助けてくれるだろうと期待している」と話した。続いて「私たちが一番心配するのは(韓米間)金利の差ができて、韓国から外貨が流出し、問題が生じることだ」、「外国為替流動性は金利の差だけで決まるものではなく、経済がきちんと転がっていくのか、政策がきちんとした方向に行っているかも反映される。米国も、韓国経済を政策方向として見たとき、短期的、中期的状況を心配していないと話した、と聞いている」と伝えた(ニューシース)・・>>

いままでの発言の中で、もっとも分かりやすいものではないでしょうか。そんな発言をしながらも、何かあれば米国が『当然』助けてくれると話すところが、本当に謎です。こんな中、中国政府は尹大統領に対し、『前の指導者の負債から目をそらしてはならない』と、3NO遵守を再び強調しました。聯合ニュースはこの件で、「官営メディアではなく、スポークスマンが言った」などで、もう新政権(尹政権)に対する『観察』期間が終わったのではないか、と報じています。

 

<<・・ジャオリジェン中国外交部スポークスマンが27日、定例ブリーフィングで、「3NO政策は約束や合意ではない立場表明」という最近のパクジン外交部長官の発言に対するコメントを求められ、「韓国は2017年、すでに丁重に立場を明らかにした」、「これは両国の相互信頼の増進と協力の深化に重要な役割を果たした」と述べた。スポークスマンは引き続き、「新しい官吏(指導者)は、過去の負債から目をそらしてはならない」とし、「隣国の安全保障に関連する重大な問題に対し、韓国側はずっと慎重に行動し、根本的な解決策を模索しなければならない」と主張 した・・

・・中国政法大ムン・イルヒョン教授は28日、聯合ニュースとの通話で、「中国が、尹政権が発足してからしばらく観察を続けて、対中国政策についてある程度明らかになったと判断、行動として牽制するようになったのだ」と分析した。ムン教授は「中国がTHAADだけでなく、韓米日安保共助に関わる3NOまで持ち出したのは、韓国政府の対日、韓米日共助強化を牽制したものだ」と解釈した(聯合ニュース)・・>>

 

観察結果が終わったとすると、これらの発言は、ある意味、採点の結果だと見ることもできるでしょう。文政権のときとさほど変わっていないということは、『アプローチを変える必要はない』というのが、その結果でしょうか。こちらからも「解決策を」と言われているところが、またなんとも。こんな中、『中国主導グループに入ることもできるぞ?なにかあったら当然助けてくれるよね?」と国務総理が言ってしまうとは、どういうことでしょうか。米韓首脳会談で米韓同盟のアップグレードとか言ってから、まだ2ヶ月しか経っていませんが。

 

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版です。 ・国に蔓延する対日観について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対してこんな対日観が必要になったのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。