もはや面談もできなくなった? 韓日議員連盟代表団、3日から訪日するも、珍しく『総理との面談は予定に無い』と発表

韓国「韓日議員連盟」の代表団(与党・野党国会議員たち)が、3日~5日の日程で訪日します。日韓(韓日)議員連盟50周年記念などで日本側と話し合うとのことですが、いつもとちょっと違う点があります。いつもなら、日本の総理と面談したい、閣僚(外相など)と会って懸案について意見を交換したい、などと発表します。今回は、それがありませんでした。

スケジュールがハッキリしていないことが多いので、「~したい」、「~を希望しているがまだ日本側から返事はもらえなかった」と話すのが普通でした。この前の政策協議団もそうでしたが、そのもっと前の菅総理の頃の訪日国会議員団(印象が薄くて覚えてない方も多いでしょうが)の訪日のときも、同じでした。そして、なんだかんだで、どちらも当時の総理と面談できています。しかし、今回は、『懸案については話さない』、『総理と会う予定は無い』と、韓日議員連盟のほうから発表しています。

 

日程の問題でそうなのでは?と思ってしまえばそれだけですが、実は、今回の議員連盟の訪日が前の政策協議団のときよりも、「総理と面談(表敬訪問)する理由」がハッキリしています。まず、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の就任式に参席するために訪韓した日本側の議員連盟(日韓議員連盟)が、尹大統領と面談したため、その流れを受け継ぐという意味があります。もう一つは、先月に日韓外相会談、及び韓国外交部長官が岸田総理に尹大統領の親書を渡したため、その『反応』を伺うことができるからです。

これは日本だけでなく、米国との外交においても、首脳会談などがあった後には国会議員団や外交部長官などが訪米または訪韓して、その反応がどうなのかも含め、いわば、多少の探りを入れます。しかし、今回、議員連盟側は『懸案について話さない』『総理との面談の予定も無い』と発表しました。これは、いままでに比べて、『雰囲気がさらに沈んでいる』ことを意味するのではないか、個人的にはそう見ています。もっとハッキリ書くと、「もう議員団では面談もできなくなったか」といったところです。いままでが特別だった、と言ってしまえばそれだけですが。

 

閣僚(例えば外交部長官)クラスではないので、ちょっと考えすぎかもしれませんが、、それでも、『いままで出来ていたこと』が、出来なくなった、または試したところでうまくいかないから、やらないと予め発表しておくことにした、という見方もできます。以下、「アジアトゥデイ」の記事から引用してみます。ちなみに、聯合ニュースやMBC、SBSなど(これまた日本では想像できないことですが、韓国ではほぼ全てのメディアが記事を出しており、一部は速報扱いです)も記事を出していますが、アジアトゥデイのほうが内容が充実(?)している気がします。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・韓日議員連盟代表団が4日、日韓議員連盟と東京で会って合同幹事会議を進行する。韓国側代表団は団長のユン・ホジュン幹事長(共に民主党)とキム・ソクギ副会長(国民の力)など12人の与・野党議員で構成された。ジョヨンレ韓日議員連盟事務総長は1日、アジア・トゥデイとの通話で、「3~5日、日本を訪問して、今年ソウルで実施する予定の「韓日議員連盟・日韓議員連盟合同総会」実務協議を進める予定だ」と明らかにした。新型コロナ拡散の影響で延期された合同総会を本格的に準備するという意味だと解釈される。特に、今年は韓日・日韓議員連盟創立50周年を迎え、記念式開催に関する意見も集める見通しだ。

連盟側は、今回の幹事会議で両国の懸案については取り上げられないと見た。また、韓日議員連盟代表団の訪日日程中、岸田文雄総理との面談は含まれていないという。パクジン外交部長官は去る7月19日午後、東京首相官邸で岸田首相を表敬訪問したことがある。当時、パク長官は尹大統領の韓日関係改善に対する強い意志を伝えたと言われている。パク長官は同日、東京のあるホテルで額賀福志郎日韓議員連盟会長と会い、日韓関係改善案も協議した(アジアトゥデイ)・・>>

 

ちなみに、2020年11月、訪日した韓日議員連盟の会長が、菅(当時)総理と会いました。その頃はまだ、韓国で日本、韓国、中国の3カ国首脳会議が予定されていました(結果的には開催されませんでしたが)。聯合ニュースは、当時の雰囲気をこう伝えています。 <<・・キム・ジンピョ韓日議員連盟会長は、菅義偉総理に「可能な限り早い時間に文在寅大統領と会っていろいろと話をしてほしい」と提案し、菅総理は「よくわかった」と回答したものと伝えられた・・

・・韓国政府は、年内にソウルで韓日中首脳会談の開催を推進しており、菅総理の参加を希望している・・・・しかし、日本メディアの報道内容を見ると、菅総理の「分かった」という回答は、肯定的な意味ではなかったと思われる。NHKによると菅総理は(韓国側が)条件を作ってほしいと言い、読売新聞も、現状だと総理の訪韓は難しいと伝えた・・>>。

 

繰り返しになりますが、単に「会う予定は無い」だけかもしれません。なにか本当にやることがいっぱいあって、無茶苦茶忙しくて、ああ、会う時間がありません、すみません岸田総理、そんなところかもしれません(可能性のほどはともかく)。しかし、「もう会えなくなった」と見るべきではないのか、そんな気もします。というか、総理が国会議員団といちいち会ってきた今までのほうが、『特別扱い』だったとも言えます。もうそういうのは無くなった、といったところでしょうか。政策協議団、外相の訪日が相次いだものの、もう呆れた、そういったところでしょうか。そうであってほしいところです。

 

 

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