(※追記しました)ペロシ議長、とある理由(?)で裏門からホテルへ・・韓国国会議長と会談するも、共同ブリーフィングに『中国』関連は一切出てこず

訪韓中のペロシ議長が、韓国のキムシンピョ国会議長と会談を行いました。ですが、その後の共同言論発表(共同ブリーフィング)で、中国関連内容は何一つ出てきませんでした。何のための会談だったのか、分からなくなりました。以下、中央日報に載っている全文(ソースページの後半部)を、簡単にまとめてみます。「歓迎します」などの表現もかなり入っていますが、そういう内容を省略します。

まとめますと、「韓米同盟が安保、経済、技術においての同盟に拡大していることに注目し、包括的なグローバル同盟への発展を議会レベルで協力するための方案について協議した」、「韓米同盟70周年記念決議案の採択を積極的に検討することにした」、「米国のインフラ、半導体支援などに関連した方案を高く評価したい」、「北朝鮮問題において協議」、「対北朝鮮抑止力、国際協力、外交的対話を通じて実質的な非核化と平和定着を成し遂げるため両国政府の努力を支援していく」、「議会はさらに協力していく」、「この後に昼食しながら他にもいろいろ話します」、です。

 

事前のマスコミ報道などから推測すると、韓国側が中国や台湾関連の話を議題にしなかったためだと思われます。なぜそう思うのかと言いますと、会談の前から、「会談で、中国関連の話は議題にならないだろう」という話があったからです。SBSですが、「今回の会談で、米韓両側が中国や台湾などに対する発言もするのか、関心が集まります」としながらも、「ただし、政治関係者たちの間では、事案の重さを考慮すると、今日の会談は韓米間の協力をメインとするもので、中国に関連した直接的な言及はないだろうという観測が主流となっています」、と。

いや、それでも、台湾を訪問した後、米国の同盟国に訪れたのに、大統領にも会えず、国会議長との会談で「インド太平洋」の字すらまったく出てこないとは、これさすがにどうでしょうか。文在寅大統領のときの2021年の米韓首脳会談でも、今年5月の米韓首脳会談でも、ちゃんと両岸問題に関する内容があったはずですが、ここまでスルーするとは。本題はここまででいい気もしますが、他に、いくつかペロシ議長の訪韓関連の話を書いて、終わりにしたいと思います。

 

まず、ペロシ氏が泊まる予定のホテルですが、正門には、あのイ◯ンフが、ペロシ氏宛ての書簡を持って待ち構えていました。トランプ大統領の訪韓のときにサプライズ(?)登場した、あの人です。ですが、国民日報によると、ペロシ議長は、ホテルに裏門から入りました。同じく正門で待機していた記者たちも、写真が撮れなかったとのことです。ペロシ氏及び一緒にいた米国会議員団からすると、単に記者からの取材が避けたかっただけかもしれません。ただ、取材が理由なら、そこまでして避ける理由があるか?な気もしますし、この後日本に向かう予定も考えてのことではないでしょうか。とにかく、書簡も渡せなかった、とのことです。

 

今回、尹大統領がペロシ議長と会わなかったことで、野党からは「よくやった。会わなくても問題ない」と、与党からは批判が出ています。『(大統領が野党から褒められるなんて)妙なこともあるものだ』とする時事ジャーナルの記事(記事1記事2)によると、ウ・サンホ共に民主党緊急対策委員長は、「ペロシ議長は中国と相当な摩擦を起こし、それから韓国を訪問する状況である。大統領がペロシ議長に会わなくても、大して問題ない」と話しました。他にも、野党側からは「賢明な判断だ」とする声が多いそうです。逆に、与党、及び保守側とされる政治家からは、尹大統領のスタンスを批判する声が出ています。

ただ、どうも私にはこの「与党側からの批判」というのも、ただの演出にしか見えません。ちゃんとしたスタンスを示す人たちも、もちろん、いるでしょうけど、「大統領は、ペロシ議長に会うべきだ」と基本的な問題提起はしながらも、「台湾問題のために会うわけでもない」「会うほうが国益になる」など、的外れなことを言う人もいまして・・ついこの前、『中国が加入できないグループには、韓国も加入しない』と公言したばかりの、ハテギョン議員の発言だから、でしょうか。なおさら、何か違うとしか思えません。

 

そして、本エントリーを書いている時点ではこれが最新の情報になりますが、大統領室は15時頃、わざわざ以下の内容を発表しました。批判が思ったより強かったから、でしょうか。ソウル新聞から、大統領室の発言だけ抜粋してみます。「ユン大統領の休暇で、表敬訪問は難しいと事前に(※米国側に)説明し、米国側も状況を十分に理解した」、「ただ、主要同盟国の議会首長が訪韓したので、電話でメッセージをやりとりするのはどうだろうかという意見交換があり、電話通話(電話会談)することに調整された。通話後の内容をできるだけ早くお知らせする」、「ユン大統領が中国を意識してペロシ議長に会わないのではないかという意見があるが、すべては国益を考慮して決定するものだ」、「韓国政府は米国行政府の外交的決定を当然尊重し、韓米同盟関係を最優先に置くことに立場の変化は無い」。

『休暇中なので会わなかった』と、『国益を考えて決めた』は、意味が全然違うと思いますが・・・いままで休暇だから会わないとしてきた主張を、大統領室自ら覆したことにも見えます。ただ、この点についてはまだこれといってコメントがありません。電話会談についても、このエントリー書いている時点では、まだニュースが載っていません。この部分は夜にでも追記できたら、と。ペロシ氏はJSA(共同管理区域)を訪れ、在韓米軍を激励し、今日の午後遅く、日本へ出発します。

※追記・・電話会談の内容(挨拶などは略しますと)は、ペロシ氏が「自由で開かれたインド太平洋の秩序を作っていこう」、尹大統領は「対北への抑止力の印になるだろう」「米韓同盟の発展のために議会とも協力していく」などです。ペロシ氏の発言とは違い、尹大統領はどうしても『北朝鮮問題』に範囲を絞ろうとしているのが分かります。この部分はYTNからの引用となります※

最後に、急に申し訳ございませんが、明日、1日休むことにしました。6日(土曜)の午前から、またいつもどおり頑張ります。

 

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版です。 ・国に蔓延する対日観について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対してこんな対日観が必要になったのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。