ペロシ議長の件、思ったより長引いています。朴振(パクジン)外交部長官の8月訪中も発表されたので、マスコミも別の案件にバトンタッチするのでは、と思っていました・・保守側と左派側のマスコミがほぼ同じ意見を出す(!)など、多くのメディアがまだまだペロシっています。
本ブログでもお伝えしましたが、休暇中なので会わなかったとしていた大統領室は、『国益を考えての決定だった』と、自分で自分の主張を覆すような発言をしました。しかし、世論調査機関のデータによると、約60%が「国益を考えての決定だとは思えない」と答えた、とのことでして。さらに、ペロシ議長の記者会見関連で、また記事が増えてきました。
氏は、シンガポール、マレーシア、台湾、日本については「安保」「経済」「ガバナンス」「肯定的」「印象的」などの単語を使い、他にも日本に対しては「ワンダホー」「その地域でもっとも親しい友人」と話しました。しかし、韓国についての部分だけ、会談(国会議長との会談、大統領との電話会談)のことも話さず、歓待に感謝するとしつつも、『在韓米軍に会ってきた』と話すだけでした。他の国とは違い、訪韓は在韓米軍(北朝鮮問題)以外はこれといって話さなかったわけです。中央日報によると、ペロシ議長は日本で日程を終えた後、米国大使館で記者会見を行いました。そこでペロシ氏は日本を「すばらしい(ワンダフル)」としながら、今回訪れたシンガポール、マレーシア、台湾、韓国、そして日本での日程についてこう話しました。
シンガポール関連で、「首相、大統領と会った。なにより重要な、安保、経済、ガバナンスについて議論し、聞き、学び、関連した視点を共有した」。マレーシア関連で、「非常に肯定的(positive)に歓迎された。これは、私たちが代表しているバイデン大統領のイニシアチブをマレーシアで歓迎されたという意味である」。台湾については、「同じく、安保と経済、ガバナンスについて議論する、とても肯定的(positive)な会談をした」。
日本については、「とても印象的な(impressive)会議ができた。安保と経済とガバナンスの側面ですでに成功を収めている、新しい首相を祝った。私たちの立場からそれは印象的だった」、「日本は地球上で最も重要な地域にある、私たちのもっとも親しい友人。私たちは首相の言葉を尊敬の心で聞き、意見を交わした」と話しました。また、岸田総理が『ペロシ議長の台湾訪問を支持したか』という記者の質問に対しても、「首相と交わした対話内容についてここで話すわけにはいかない」としながらも、「私たちの友情に関して非常に肯定的な会談をしたと言う」 としました。ですが、韓国関連では、経済安保などの話は無く、「在韓米軍に敬意を払った」だけです。ここからは<<~>>で引用してみます。
<<・・ナンシー・ペロシ米国下院議長は去る5日(現地時間)、アジア歴訪を終え、記者会見で、韓国を訪問した理由として「在韓米軍の励ましと板門店訪問」を挙げた。今回訪問したシンガポール、マレーシア、台湾、日本については、首脳との交流または会談に言及しながら歓迎されたと明らかにしたこととは、違う。ペロシ議長が訪問した5カ国のうち、国家首脳に直接会えなかったのは尹錫悦(ユンソンニョル)大統領だけだ。ペロシ議長は、ジョー・バイデン米国大統領のアジア政策を議会レベルで支持するために今回の歴訪を推進したと明らかにしたものの、韓国だけ、訪問目的からやや外れた説明になったのだ・・
・・ペロシ議長議長は(※上記、シンガポール~台湾までの話しの後に)「次に韓国に行った」とし、「そこにいる、私たちの兵士2万8000人と彼らの家族に敬意を表し、彼らの勇気に感謝し、(韓国)政府の歓待に感謝を表わすのために行った」と話した。また「私たちは板門店を訪問した」とし「北朝鮮の脅威にかなり焦点を合わせた」と紹介した。韓国訪問の要約に、ユン大統領との電話通話(※電話会談)や、キムシンピョ国会議長との会談には言及せず、在韓米軍の励ましと北朝鮮対応を訪問の主な目的として説明したのだ(中央日報)・・>>
この前、支持率関連で紹介した韓国ギャラップ以外にも、KSOI(社会研究所)とリアルメーダーという機関が調査した支持率データも出ましたが、それぞれ、「支持27.5%、不支持70.1%」と、「支持29.3%、不支持67.8%」。政党支持率調査でも、野党が優位に立った、とのことです。MBNの報道によると、KSOIのデータでは、ペロシ議長と会わなかったことは「国益を考えたものだとは思えない」が60.3%、「思う」が21.1%でした。
しかし、どうでしょうか。私の心が曇っているだけかもしれませんが、もしユン大統領がペロシ氏に会って、ユンペロ会談をして、『中国が~』な内容がいろいろ出てきたとなると、それは国内世論的に歓迎されたのでしょうか。いま「米国(記事内容によっては『日米』)から離れると困る」としている各メディアの書き方が、「中国から離れると困る」に変わるだけで、尹大統領の支持率はさほど変化が無いのでは。なんだかんだで保守支持層は歓迎するでしょうし、『どちらかというと』、中国支持よりは米国支持が多いのも事実ではあります。でも、今年1月の調査結果では、『戦略的曖昧さの維持』が圧倒的でした。
もちろん、それからの政権交代でまた世論が変わった可能性もありますが・・今年1月3日時点「アジア経済」の、米中の間で韓国が取るべきスタンスに関する調査において、60%が「戦略的曖昧さを維持する」を選びました。「米国・中国間の葛藤状況の中、韓国政府の適切な態度を問う質問に、回答者60.3%は『両国間で戦略的曖昧さを維持しなければならない』と答えた。続いて『伝統的同盟関係である米国との関係をさらに重視しなければならない』という回答が28.4%、『経済的依存が大きいため、中国との関係をさらに重視しなければならない』という回答は6.8%にとどまった(アジア経済、2022年1月3日)」、と。保守支持がもっとも強いとされる大邸(テグ)・慶尚北道(キョンサンブクド)地域でも、米国との関係を優先すべきだと答えた人は40.4%だけでした。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・準新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版です。 ・韓国に蔓延する対日観について考察した<卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対してこんな対日観が必要になったのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。・新刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります・本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。