韓国ユン大統領、現金化問題で「主権の衝突無しに解決する」と発言・・韓国紙「あとで求償権を請求する」

尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が、昨日の記者会見で、『主権の衝突無しに』と話したことが、話題になっています。「(現金化問題において)日本が憂慮している『主権問題の衝突』無しに、原告が補償を受ける方策を探っている」と話した、とのことでして。日経新聞の報道によると、「日本企業資産の現金化を避け、企業などが出資する基金や、韓国政府がバイ○ョウ(※以下、○はシです)を肩代わりする『代位弁済』を念頭に置いた発言だ」となっています。尹大統領がここまで具体的に言及したのは初めてだ、とも。

この点について、(韓国側の報道によると)朝日新聞は『日本側も、輸出管理厳格化を解除するなどで応じる』ことを提案するなど、好意的である、とのことですが・・いくつかひっかかることがあって、エントリーしてみます。まず、記者会見と聞いて、「あれ?就任100日イベント(演説+質疑応答)でそんなこと言ったかな?」と思って全文を調べて見ましたが、そんな内容はありませんでした。注目度の高い100日イベントを避けて、わざわざ別の記者会見で言ったのは、なぜでしょうか。自信があるなら、もっと注目度の高いところで話したはずですが。

 

また、日経新聞は「韓国政府が肩代わりする」としていますが、韓国メディアの分析はちょっと違います。肩代わりではなく、求償権(他人Aのために代わりに弁済をした者が、他人Aに対してその分の返還または弁済を請求できる権利のこと)はそのままにしてのものだ、と。例えばニュース1の場合、<<・・韓日両国間の最大の懸案である現金化の解法として、代位弁済が再び関心を集めている。ユン大統領が17日の記者会見で言及した『日本が懸念する主権問題の衝突なしに債権者が補償を受けることができる方案』が、代位弁済、すなわち韓国政府や企業などが先に弁済して、日本側に求償権を請求する案を念頭に置いたものだ、という解釈が出てきている。NHK、日本経済新聞など日本の主要メディアも、ユン大統領の該当発言について同様の解釈を出している・・>>、としています。この点、尹大統領本人は詳しくは話していません。

 

去年、この件を先に言いだしたのは、共に民主党の重鎮、李相珉(イサンミン)議員でした。議員はこの代位弁済で産経新聞とインタビューしたことがありますが、その際は、韓国政府が代位弁済した後に、日本政府に請求するのか(求償権)については、このように話しました。「あくまで法的な枠組みだ。韓国政府が実際に『借金を返せ』などと言うと思うか」(2021年10月14日の産経新聞)。普通なら、請求しない、と思われる発言です。しかし、産経新聞も記事で「だが、韓国政府が将来的に日本政府に請求しない保証はなく、李議員もそれを担保する具体策には言及しなかった」と、疑問を提起しています。

それから1週間後にも、いまと同じパターンがありました。国政監査(国会が各機関を監査すること)がありました。そこで外交部の番となり、当時の外交部長官鄭義溶(ジョンウィヨン)氏が各党の国会議員からの質問に答えましたが、その中に、この代位弁済に関する内容がありました。2021年10月20日の京郷新聞は、この際、「あとで日本側に請求する」と明記しています。同じく、韓国政府などが公式に「あとで請求するか、しないか」を話さず、発言の後にマスコミが「求償権あり」と報じるパターンです。

 

<<・・鄭長官はこの日、文大統領と岸田文雄 日本首相の初の通話会談については、「非常に良かった」とし「首脳通話を基に、外交当局間の懸案を解決するための協議を加速することで合意した。外交部も最善を尽くしたい」と述べた。鄭長官は、イ・サンミン共に民主党議員が、韓国政府が日本企業に代わってまず支払い、後日、日本に請求する「代位弁済」方式を検討することを提案してみるよう頼んだところ、即答を避けたまま原則的立場を明らかにした。鄭長官は続いて「現実的で合理的方策があれば、開かれた姿勢で臨んでいる」と付け加えた(京郷新聞)・・>>

そもそも、日韓請求権協定により、もう韓国の国内問題であるため、『代わりに』という言葉にも注意が必要でしょう。そう、大統領自ら、もう日韓の間の請求権において、韓国側の件は韓国政府がその『主体』であることをちゃんと宣言しなければ、意味がありません。求償権がどうとかの話が問題になるようでは、意味がありません。それに、この代位弁済が果たして実現できるのか?という点についても、流石に韓国メディアも『難しいのでは』と見ています。先のニュース1から、もう少し引用してみます。

 

<<・・これは日本政府・企業などの同意が必要なうえ、原告側もこれまで進めてきた法的手続を中断する決定をしなければならず、「個別当事者に対する説得と合意の導出は、容易ではないだろう」との指摘が多い。原告側はお金だけでなく、 日本側の「心のこもった○ャザイ(※○はシ)」まで望んでいる。また、判決自体を「韓国側が責任を持って是正すべきこと」と明らかにしてきた日本政府との認識の溝も大きい。こうした中、尹大統領は「(韓日)両国が未来志向的な協力関係を強化する際、譲歩と理解を通じて過去の問題がより円満に、迅速に解決できる」という言葉で、日本側に協力を要請したが、日本企業資産の 現金化を避けながら、原告側も○ャザイとバイ○ョウ金の両方を受けることができる解決法が用意できるは、まだ未知数だ(ニュース1)・・>>

記事の引用部分の中、『両国が』という主語に注目してください。そう、結局は代位がどうとか言いながら、「共に」や「日本『も』」が言いたかっただけでしょう。このような言葉に翻弄されず、日本政府としては、『一貫した立場に基づく日本の立場』たるスタンスを続けてほしいと願います。

 

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版です。 ・国に蔓延する対日観について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対してこんな対日観が必要になったのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。