最高裁の現金化判断時期についに、『判断せず、このまま様子見する』記事が増える・・「両国関係の推移を見てから決める」との見解も

本件に関しては、20日にも韓国の各メディアの反応を紹介しましたので・・どうしようかとちょっと悩みましたが、流れというかなんというか、各メディアの記事に多少の変化が見られたので、エントリーします。20日までは、記事の殆どが「担当判事の任期が来月4日までなので、今月中には判断を出すだろう」、「最高裁は、すでに審理不続行(現金化施行)のほうに結論を出している」とする内容でした。ただ、一部のメディアは、担当判事の任期に合わせて結論を出す慣例など存在しないとしながら、最高裁は何も言ってないし、(取材の結果として)何も決めていない、と報じました。

2日前のエントリーなので該当部分だけ短く引用しますと、<<・・来月4日までは結論が出るという展望も出ているが、最高裁判所の関係者は、「この件をいつまで決定するとかそんな方針を定めたり、最高裁内部で合意したことはない」と明らかにした。実際、最高裁判所が、(※担当判事の)退任前に処理できなかった件は、新任判事が引き継ぐのが慣例だ。状況によっては、最高裁が該当裁判部の構成を変えることもある(ザ・ファクト・・>>、などなどで、基本的には、「この件、判断を出さないまま長期化するのではないか」、という話でした。

 

ちなみに、『8月中』の話ですが、これだけ多くのメディア、特に大手メディアの記事に定番で載っているのに、どこから出てきた話なのかがまったく分かりません。もちろん、可能性がゼロだと言うつもりはありませんが、せめて『~関係者は記者たちに会って~』というシチュエーションは書いてあってもいいと思いますが。それから、昨日と今日とで、多くのメディアが、『判断せず、このまま様子見するだけではないのか』とする趣旨の記事を載せるようになりました。一部からは、『よく考えてみたら、これって結果的には審理続行(保留)と同じではないか』という見解も見られます。

まだまだ大手が動いたとは言えませんが、2日前に比べると、見方がかなり現実的(よくもわるくも)になったような、そんな気がします。ちなみに、大手、例えばKBSや韓国日報のような場合は、20日に「日本『も』呼応すべし』という趣旨の記事を出し、それからはこの件は報じていません。今日紹介するのはソウル新聞の記事で、同じくこのまま長期化するのではないか、という趣旨の記事です。長期化というか、『両国関係の進展を見てから決めるのでは』、と。完全に『外交部側にかかっている』という話でもあります。ソウル新聞も、ザ・ファクトの記事と同じく、『最高裁がこの件をどうするのか、まだ何も決めていない』としています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・最高裁判所が、現金化の可否に関する「審理不続行」を決める期限を超えており、悩んでいる姿が見受けられる。主審のキム・ジェヒョン大法官が退任する来月4日前に結論を出すという見通しも出ているが、それより、両国関係の進展がどうなるかが、より大きな変数になると思われる。21日の法曹界によると、最高裁判所3部(主審キム・ジェヒョン最高裁判事)は・・(※重複する内容、略します)

・・審理不続行の可否を判断しなかった。審理不続行は、件の受付から4ヶ月以内に判断しなければならない。最高裁判所が、追加的な法理検討が必要だと判断したわけだが、このような決定には、日韓両国関係に及ぼす影響を考慮したという解釈が出ている。外交部も先月26日、最高裁判所に「解決を探すための外交的協議が進行中」という趣旨の意見書を提出した。ジャンヨンス高麗大学法学専門大学院教授は、「最高裁が2018年に関連判決を下したことが、外交的に重要な案件になったことで、当時判決に対する批判が多かった」、「判例に対する見直しなど、慎重に見る必要があると判断したのだろう」」と述べた。

 

当時の文政権ではこれを『三権分立だから政府に出来ることはなにもない』という立場を貫きましたが、もともと外交、すなわち国家と国家の関係に影響する案件の場合は、政府と裁判所が同じ意見を出す、いわゆる一つの声の原則を守るものだと、一部、本当に一部の専門家から批判がありました。記事本文に詳しく書いてあるわけではありませんが、文章の脈略からして、相応の内容ではないだろうか、と思われます。(~)の部分はシンシアリーの見解であり、ソース記事に書いてある内容ではありません)

法曹界では、主審のキム大法官の任期が来月4日までとなっているだけに、8月中に最終決定が出るという観測も出ている。ただし、すでに審理不続行期間を超えており、決定に慎重を期することにしたなら、両国関係の進展など、本件をめぐる要因を幅広く検討するのではないか、という分析も出ている。最高裁の関係者は、「最高裁の内部でも、方針を定めたことはない」とし、「大法官(※最高裁判事)の間でも、全体的な合意はまでできていないと聞いている」と話した(ソウル新聞)・・>>

 

で、進展って何のことでしょうか。もし、何かの進展がある、というのなら・・そうですね、協議会などで、『私には想像もできない素晴らしい案(?)』としか言いようのない案が出てくるなら、それでいいかもしれません。でも、そんな案が出てくるのでしょうか。しかも、案を用意するだけでなく、その案を実行し、最終的に問題解決まで持っていくのは、他でもない、ユン政権が国内でやることです。そこまで、できるのでしょうか。

 

 

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