やっと、大手韓国メディアも報じる・・「レーダー照射のとき、該当艦艇はそこで何をしていたのか。なぜ誰もそれを指摘しないのか」

昨日お伝えした通り、尹錫悦(ユンソンニョル)政権は、北朝鮮と文在寅(ムンジェイン)政権のつながりなどをおいて、力を入れて調べています。でも、いまのところ、まだ決定的なことは掴めていないようです。そのため、でしょうか。政権支持が強い保守系のメディアと脱北者保護関連団体が、『帰順した人を送り返した』つながりで、レーダー照射の件を大きく取り上げています。中心にあるのは、月刊朝鮮(朝鮮日報の月刊紙)です。

レーダー照射のとき、韓国軍「広開土大王」は、漂流した北朝鮮の漁民を捜索していて、3人を救助(1人は亡くなったまま発見)したとしています。ですが、記事は「その人たちは誰なのか、それからどうなったのかについては、誰も語ろうとしない」としながら、日本側の報道、および関連団体代表の指摘などを引用しています。ソース記事は記事1記事2で、全て月刊朝鮮のものです。中には、脱北者保護団体の代表が、日本側が公開した映像を見て仲間たちと議論して気づいた内容もあり、現代ビジネスが報じた、例の金正恩を「アン○ツしようとした人たち(※○はサです)」関連記事も出てきます。

 

日本側からすると、すーぱーいまさらな内容かもしれませんが、大手とされる韓国メディアがここまで大きく取り上げたのは、私が知っているかぎりだと、初めてのことです。この前の、レーダー照射指針を運用中だとする話(与党の国会議員が明らかにしました)もそうですが、前政権を批判するため、いままでは目にすることができなかった情報が、少しずつ放たれている、そんなところです。とはいえ、こんな動きがどれぐらいの効果を出すかは、まだ分かりませんが。各記事、以下、<<~>>が引用部分となります。まずは、脱北者保護関連団体の代表ド・ヒユン氏の指摘です。

 

<<・・(※当時)火器管制レーダー照射の核心となる経緯や、韓国艦と海警救助艦が同時に出動した根本的な理由については、誰もきちんと言及しなかった。ついに、日本側は当時の映像を公開した。その映像には、広開土大王艦と、海警救助艦「三峰号」が、小さな漁船を中において、まるで壁を作るように向かい合っている場面が出てくる。韓国当局が主張したように、「遭難された漁船を救助する姿」ではなく、現場を囲んで該当船舶が逃げられないように、前後の退路を防いでいるように見えた。そしてこれを発見した日本の哨戒機が近接飛行を試みながら映像撮影に入り、艦に無線を送る。「ここは日本海上自衛隊、火器管制レーダーを起動した目的は何か?」・・

・・一部の内容は入ってないが、映像のどこにも、広開土大王が返信する内容は込められていなかった。広開土大王は、返信をせず、何かをしようとし、それだけに没頭していた、そんな感じが強くした。 王艦は、なぜ交信に答えなかったのか。日本と韓国の市民団体は、二つの仮説を置いて議論した。一つは、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)から(※朝鮮半島平和ムードに関する)返事をもらうため、南北間に『ある種の取引』が公海上で行われていたのではないか、という内容。もう一つは、北朝鮮を脱出した船舶を、艦と海警が拿捕し、北朝鮮に引き渡そうとした、という内容だ。

 

取引や拿捕ではなく日常的な救助作業だったなら、あえて日本哨戒機の無線通信に応答しない理由がないだろうし、むしろ救助が円滑に行えるように協力してほしいと堂々と要請しただろう、と思う・・・・日本の主張は全く違った。まず、遭難されたという北朝鮮船舶は、単純な漁船ではない可能性もあるとし、遭難救助信号自体を送らなかったと明らかにした。結局、漁船は遭難されていたわけではない、という結論だ。分析した内容の中には、「韓国側が救助船が近づくと、むしろ北朝鮮船舶は逃げる形をとる場面が何度も目撃された」というのも、このような主張を裏付けている。

ここに加えて、遭難信号自体がなかった船の位置と、その船がどんなものなのかを、韓国側はどうやって知ったのかについて、日本は今も疑問を提起している。さらに、日本のある市民団体は、遭難された漁船なら、一般海洋警察船でもなく、最大規模の駆逐艦である「広開土大王艦」まで出動した理由が何かとしながら、海軍と海警を同時に動かすことができるのは、大統領府しかないと主張する。この事件以後、日本は当該事案を米国側と緊密に協議し、米国側に海上哨戒機が持つすべての情報を公開したことが分かった(記事1)・・>>

 

<<・・この北朝鮮の船はどうなったのか、船に誰が乗っていたのかは、大衆の関心から遠ざかった。 2018年12月22日、統一部は「遭難した北朝鮮漁船では生存者3人が発見され、一人は亡くなっていた。簡単な調査の後、彼らを北朝鮮に引き渡した」と発表した。ところが、いろいろ発表が不自然だ。まず、1艦隊旗艦である広開土大王艦と、5000トン級の海警の警備救難艦が1隻の木船を救助するために同時に出動したのは、異例だ・・

・・もし広開土大王艦と三峰号が「小さな木船一隻でも人道的に救助するため」出動したのなら、他の船が漂流する時はなぜ動かなかったのか、説明が必要だ。我々側の艦艇が、あの水域にどうやってそんなに早く到達できたのかも分からない。北朝鮮内部の噂によると、脱出を敢行したこの船の搭乗者たちは、現役軍人だという。金正恩がウォンサン、カルマ観光地区を現地指導した際、アン○ツをこころみた兵士たちがいたが、成功できなかったというのだ。そのうちの4人が、脱出しようとして、彼らの出港を確認した北朝鮮当局が文在寅政権にある種の『要請』をしたと見るのは、無理な推測だろうか?

 

確かなのは、海軍と海警の同時出動を命令できる誰かが指示を下したということ。船舶に対して適切な調査がなされたのか、生存者の帰順意向は確認されたのか、誰がいつどのように北側に引き渡したのかは、まだ分かっていない。実は、この件はすでに報じられている。2020年9月22日、日本のインターネットメディア「ゲンダイビジネス」に掲載された記事がそれが(記事2)・・>>

繰り返しになりますが、こういう動きがどれだけ効果を、成果を出すことができるのかは、分かりません。しかし、こんな形でも報じられたことには、相応の意味があると思いたいところであります。特に、ド代表が話した『日米で全ての情報を共有した』という話、興味深いですね。それは、ま、普通はそうするでしょうけど。ユン政権も、最初からこの件もセットにして、日米と協力・情報共有しながらことを進めたらもっとよかったのでは・・そんな気もします。

 

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版です。 ・国に蔓延する対日観について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今、日本に対してこんな対日観が必要になったのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。