局長級協議、また同じパターンで終了・・「一貫した立場に基づいて」、今回も健在

日韓局長級協議が開かれました。定期的に行う対話の場という名分的なこと以外に、もう、両方ともにこれといった成果や進展は望んでもいないのではないか、そんな気もしますが。結論から書きますと、いつものパターンです。韓国側は「日本『も』」で、日本側は「一貫した立場に基づいて」です。もう随分前からこれで、少なくとも現状のままでは、これからも変わりそうにありません。

外交部は、「原告側が言っている『当事者企業間の両者間対話』『企業のシャ◯イ』についても(※◯はザです)、ちゃんと伝えた。日本側はちゃんと傾聴してくれた」と話していますが、日本側の反応を伝える記事によると、どうもそんなふうには思えません。まずは中央日報から、該当部分だけ引用してみます。この記事の場合、「外交部の話を引用」した記事になります。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・外交部当局者は、結局は韓国の司法体系の中で解決されなければならず、日本側もこれを理解しようとする次元で、官民協議会に登場した多様な意見を傾聴した、と説明した。 この当局者は、「原告側が主張する日本企業と当事者間の協議、日本企業のシャ◯イ問題などについても、日本側に詳細に説明した」と明らかにした。 これに関連して日本は、意見を出すよりは、説明を真剣に「聞く」態度だったと伝えられた(中央日報)・・>>

しかし、日本側の話を伝える記事だと、ニュアンスがずいぶん違います。そういう記事の場合「やはり、いつもの平行線だった」な内容です。以下、ニューシースの記事から引用してみます。ちなみに、1ヶ月ぐらい前までは「日本『も』誠意あるリアクションを」でしたが、最近は「日本『も』呼応を」と、ちょっとだけ短くなりました。両方ともに、最初に言ったのは朴振(パクジン)外交部長官だったと記憶しています。次はどんな表現になるのでしょうか。

 

<<・・日本外務省は26日、現金化問題の解決を模索するための韓日外交局長級協議と関連し、「両国間の懸案と課題について議論した」と明らかにした。船越健裕 外務省アジア大洋主局長は26日、東京の外務省で、イサンリョル外交部アジア太平洋局長と、関連した問題を協議した。この日、非公開で進行された韓日外交当局高位級交渉では、現金化問題をめぐっての意見を主に交換したという。日本外務省は、局長級協議が終わった後、報道資料を通じて、「韓国側の考えについての説明があった」とし「それに対して外務省は、日韓関係を健全な関係に戻すために、日本側の一貫した立場に基づき、韓国側に責任を持って対応するよう求めた」と明らかにした。また、「外交当局間の疎通を続けていくことにした」と付け加えた。日本メディアは外務省がユン政府に責任ある姿勢を促した点に注目した(ニューシース)・・>>

 

個人的に、もっとも驚いた(色んな意味で)のが、引用部分の最後です。注目もなにも、ずいぶん前から同じことを言っているはずですが、何を言っているのでしょうか。まるで、今回初めて言ったかのような書き方です。そして、例の『今月中』に関して、新しい情報があったので、ついでに紹介します。どうやら、一部のメディアが報じていた『長期化』分析が、アタリだったようです。これは局長級協議で出てきた話ではなく、局長級協議と関連した記事で、日テレNEWS(ヤフー版)が報じた内容ですが、韓国外交部が、例の『最高裁判事の任期に合わせ、今月中に判断が出る』という話に、そんな義務は無いと話した、とのことです。

本ブログでもお伝えしましたが、今回現金化判断(審理不続行だと現金化開始、審理続行だとまた保留)の期限とされてきた三菱重工の件で、メインの担当判事が9月4日に任期を迎えます。そこで、任期前の今月中に、判断を出すのではないか、という推測が定説のようになっています。ちなみに、どこから出てきた話なのかは、よくわかりません。普通なら、ここまで複数の記事に載る話は、「~の関係者は、~で記者たちと会って~」との簡単な説明は入るものですが、そんなものもなく。

 

そこで、主流とは言えない一部のメディアが、「最高裁はそんなこと言っていない」「慣例的にも不自然だ」とし、判断をせず、いまのまま長期化するのではないか、そんな意見を出していました。これもまた本ブログで2~3回取り上げたことがあります。関連した最近(8月22日)の過去エントリーをリンクしておきますので、未読の方は参考にしてください。実はこの「なにも判断せず、このまま長期化」こそが、身動き取れなくなったユン政権の今の姿そのものでもあるわけでして。

その点、日テレは、「複数の韓国メディアは審理を担当する最高裁の裁判官が9月4日に退任することを根拠に、8月中にも確定の判断が示されると報じていた」とし、「(しかし)韓国外交部関係者は『裁判官が担当する事件をすべて処理してから退く義務はなく、9月4日が判断の期限だと判断する必要はなさそうだ』と話した」、と報じています。一応、あまり時間がないという趣旨も話したとのことですが、昨日お伝えした通り、安倍元総理の弔問のために来日する国務総理も『これといった案は用意できていない』と話しているし、「いまのまま長期化するのではないか」が現実味を帯びてきたと見ていいでしょう。というか、他に出来ることもないでしょうし。

 

最後に、申し訳のないお知らせですが、次の更新は月曜日の朝(いつもの10~11時)になります。小テーマとして取り上げてきたいくつかの事案に、これといった続報がなく、ちょっと遠くまで出かけたくなって、1日半、休むことになりました。天気は曇っていますが、レナを連れて海でも見てこようかと思っています。店にはもうハロウィングッズが並んでいますが(笑)、気にしません。それでは、行ってきます。皆様も良い週末を。

 

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