韓国大学教授、『ウォン』の急激な為替レート変動について「米国・日本通貨スワップがもっとも急がれる。このままだと来年は1ドル1500ウォンになる」

最近、またウォンの為替レートがウォン安のほうに急激に動いています。問題は、韓国の中央銀行が、多少は無理をして金利を引き上げたにもかかわらず、その効果が現れていない点です。家計負債と不動産価格など、国内で連動する数々の案件を考えると、韓国銀行はそれなりに金利を引き上げていると言えます。政策が全般的にうまいかどうかではなく、少なくとも金利面では、それなりの動きを取っていたわけです。しかし、効果はありませんでした。

前々から、韓国メディアが引用する米韓・日韓通貨スワップに関する専門家の主張は、もちろん金融そのものに対するリスクに備えるべきだという指摘(対外の側面)もありました。ただ、先も書きましたが国内の問題により、金利引き上げの幅が大いに制限されるので、日米との通貨スワップしか、他に方法がないという指摘もありました(対内の側面と連動しての指摘)。しかし、いつからか、『何の問題もないのにこの件を強調しすぎると、対外的に間違ったサインを送ることになる』ということになって、各メディアからの関連記事は、あまり目にしなくなりました。もちろん、全然無いというわけではありませんが。

 

バイデン大統領とイエレン財務長官の訪韓のとき、もっとも話題になっていた案件なだけに、『締結できそうにないので、言わなくなっただけではないのか』な気もしますが(必要ないなら、あの騒ぎはなんだったのか?ということもありますし)、そこはともかくして。こんな中、数カ月間ずっと米韓・日韓通貨スワップの必要性を主張してきた人がいます。セジョン大学のキムデジョン教授です。ニューシースなど複数のメディアが、キム教授がオーストリアで発表した論文と、教授の主張を取り上げ、久しぶりに関連記事を載せました。

教授は、このままだと来年は1ドル1500ウォンになる可能性もあるとし、もっとも必要なのは日米との通貨スワップだと主張しています。しかし、『もう米国と関係復元したから』『日本との懸案は未来の世代に任せて』などと話すなど、専門分野以外(国家間の関係)については、まだ分析が足りないようです。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・世宗(セジョン)大学のキム・デジョン経営学部教授が去る10日、オーストリア・ウィーンで開催された国際学術大会で「米国財政緊縮と新興国外為保有高研究」に関する論文を発表した。キム教授は論文を通じて「為替レート1350ウォンと外国為替リスクの防止のため、ユン政権の韓米・韓日通貨スワップ締結が最も緊急とされる」と主張した。彼は「29日、為替レート1350ウォン上昇が外国為替の緊急サイン。政府が急いで備えなければ、来年には1500ウォンの通貨安になるだろう」と話した。

キム教授は、「前の『IMF期間』のような事態になれば、企業の70%が耐えられない困難を経験するだろう。政府がしなければならない最も重要な業務は、このような事態を未然に防止することだ。米国は物価2%目標で基準金利を5%まで上げる。新興国30%が耐えられなくなる。政府は2008年のように、韓米・韓日通貨スワップを締結して2つのバリアーを準備せよ」と提言した。

 

キム・デジョン教授は「2022年7月末の外国為替保有高/GDP比率で、韓国は27%で、最も低い。韓国銀行は外国為替保有高世界9位という話はもうやめたほうがいい。スイス、香港、台湾、サウジ、ロシアはGDPが韓国より小さいが、外国為替保有額が多い。外国為替保有高は経済規模が大きくなると、当然、毎月増加する。絶対額基準ではなく、GDP比率で見るのが妥当だ」と指摘した。

彼は「2008年、為替レートが1600ウォンまで上昇し、当時の政権の強力な要請で、韓米通貨スワップが締結された。その時は韓日通貨スワップ700億ドルもあった」とし「ユン政権の最も重要な政策は、外国為替リスクを防ぐことだ。代替案は、韓米・韓日通貨スワップ締結、外国為替保有高の倍増である」と主張した。それとともに「政府は、韓米関係が復元されたため、韓米通貨スワップを強力に要請しなければならない。韓米・韓日通貨スワップ再開で克服しよう」と提言した(ニューシース)・・>>

 

ちなみに、『『『 なぜか 』』』 各メディアの記事には載っていませんが、教育専門ネットメディアとされる「ヴェリタス」の関連記事によると、キムデジョン教授は、『日本との懸案も、もう未来の世代に任せて、日韓通貨スワップを結ぼう』と主張しています。教授は先の「もう米韓関係は復元できたので~」とセットでこの話をしていますが、なんでこの部分だけニューシースなど他のメディアの記事には載っていないのでしょうか(笑)。ちなみに、ヴェリタスの記事はhttps化されていないようで、URLだけ書いておきます。 http://www.veritas-a.com/news/articleView.html?idxno=427271

はてさて、予想があたるのかどうかはともかく、先も書きましたが、最近はこの件について『あまり言わない方がいい』な雰囲気があります。キム教授の助言は、どれだけ効果が出せるのでしょうか。それに、教授の主張は、どことなく、ユン政権が締結しようとすればなんとかなると前提しているように見えます。日米が応じるのでしょうか。米国との関係が復元されたという話も驚きですが、日本関連でもまた、必要なものは未来に任せるのではなく、今の政権が責任を持つことでありましょう。前政権がどうとか言わないで、連続性を持つ一つの政府として。

 

 

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