ローンスター関連ISDS裁判、韓国政府の部分敗訴・・2億ドル+利子の支払い判決

ローンスターと韓国政府のISDS(Investor-State Dispute Settlement、投資家対国家間の紛争)の件、結果が出たのでお伝えします。いわゆるローンスター裁判で、韓国政府に2億1650万ドルの支払義務、賠償責任が認められました。また、その金額にプラスアルファで「いままでの利子(米国国債基準)」も支払うことになります。ローンスター側の部分的な勝訴になりますが、金額としては4.6%だけが認められました。

韓国政府のローンスター側も、ISDS判定宣告以後120日以内に宣告のキャンセルを申請する(※判決を認めない)手続きを行うこともできるので、これで完全に終わったかどうかはまだ分かりません。韓国側のメディアの反応は、聯合ニュースやSBSなどは『事実上の勝訴』としていますが、ちょっと意外なことにKBSも含め一部のメディアは「責任」が認められたことに対し、あまり喜べないというニュアンスの記事を出しています。KBSがこんなふうに報じているのは、ちょっと意外です。

 

ローンスターは韓国では『食い逃げ』とされていたし、今回の件もローンスター側の言いがかりだということになっていましたので、そんなことも影響したのでしょうか。実際、多くのメディアが、『部分敗訴』という言葉を用いています。金額としては4.6%だけでなんとかなったけど、この部分的にでも敗訴というのが、いただけないというニュアンスです。以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・ローンスターと韓国政府との間の6兆ウォン台の紛争が、ローンスターの勝利で一段落しました(※これはこれで韓国メディアとしては珍しい表現で、もっとも多いのが『部分敗訴』、その次が『事実上の勝利』などです)。国際投資紛争解決センター、イクシード(ICSID)は、韓国政府がロンスターに2億1650万ドルを支払うようにと決定しました。イクシードは、ロンスターと大韓民国政府間の紛争でロンスターの勝利を宣言しました。紛争を提起してから10年ぶりに下した判定です。

 

仲裁決定部は、韓国政府がロンスターに2億1650万ドル、ウォン-ドル為替レート1300ウォン基準で韓国の2800億ウォンの支払いも判定しました。『外換銀行』の買収や売却などを含む投資において、韓国政府によってローンスターが支障を受けたと認めたことになりますが、ローンスターが請求した金額6兆ウォンのうち、約4.6%だけが認められました。

イクシードは、韓国時刻で今日午前9時ごろ、ロンスターが政府を相手に提起した国際紛争の結論を下したと発表した。これと共に両側に判定文を渡しました。法務部は現在、イクシードの判定結果だけを公開した状態で、敗訴理由と、支払うお金の具体的な内訳などは、追加で説明する予定だと明らかにしています。

 

ローンスターが2012年にイクシッドに国際紛争を提起した当時の請求金額は43億7千万ドルだったが、その後47億ドルに変更となりました・・・・さらに、賠償金を受け取った場合、韓国やベルギーに払わなければならない税金まで韓国政府が出さなければならないと主張してきました。

仲裁が長くなり、ローンスターは税金3億ドルを、国内裁判を通じて返してもらったものの、10年間の利子が加わり、実際の請求金額はさらに増えた状態でした。韓国はイクシード条約締結国で、イクシードの判定は国内で法的拘束力を持ち、政府は国内裁判所の判定と同様に執行しなければなりません。今回の判定に不服であれば、判定キャンセルを申請できます(KBS)・・>>

 

さて、どうでしょうか。事実上の勝訴か、部分敗訴かはともかく、まだ続くのではないか・・そんな気もしますが。いつもより短いエントリーでしたが、とりあえず速報として結果をお伝えしました。次の更新はいつもどおり17~18時頃になります。

 

 

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