米国の「No.3」と会わなかった韓国大統領、16日に中国の「No.3」と公式面談・・韓国紙「中国側は、米国に対する外交的勝利だと思うだろう」

中国の栗戦書(リジャンシュ)全国人民代表大会 常務委員長が、15日~17日に訪韓することになりました。16日には、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と面談(礼訪、表敬訪問)を調整中である、とのことです。韓国側から国会議長名義で正式に招待したそうですから、別に大統領が面談するのも分からなくはないですが・・一部のメディアから、「どうしても、『あのこと』とくらべられることになる」との記事が出ています。会っても会わなくても問題になる、と。

台湾を訪問した後に韓国に来た米国の下院議長、ペロシ氏。ユン大統領は、休暇(ソウルにいました)という理由で、彼女と会いませんでした。本ブログでは『ユンペロスルー」と呼んでいます。しかも、大統領室は、ユン大統領が当日ソウルで演劇を見たとSNSに書き込んだりして、いったいなんで会わないのか、会わなくていいのか、保守側を中心にそんな指摘が相次ぎました。反対側は高く(笑)評価していましたが。すると、急にペロシ氏と電話通話して、『電話会談できたことに、ペロシ議長側はとても満足した』と公式発表したりしました。その後、ペロシ氏はSNSに各国であったことを簡略に投稿しましたが、ユン大統領との電話会談についての内容はありませんでした。

 

リジャンシュ氏も、ペロシ氏も、あえて序列をつければ、3位になります。そのことで、米国のNo.3に対しては、空港で迎えることから首脳会談にいたるまで何一つちゃんとせず、中国のNo.3とは普通に会って面談するのか、それでいいのか、そんな指摘が出ているわけです。中央日報などがこの件を取り上げ、政府公式にはともかく、どうしても米中で比較されるだろうし、中国側は、これを米国に対する外交勝利だと思うだろう、そんなふうに指摘しています。ここからは<<~>>で引用してみます。ソース記事は2日のものなので日程について具体的に書かれていませんが、今日(5日)の各記事によると、リジャンシュ氏の訪韓は15日から17日までとほぼ確定し、16日にはユン大統領との面談を調整しています。

 

<<・・栗戦書(リジャンシュ)中国全国人民代表大会常務委員長が、キムシンピョ国会議長の公式招待で、今月中旬頃、訪韓する日程を調整している。先月、ナンシー・ペロシ米下院議長とは会わなかったころで議論が起こった尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が、同級であるリ委員長とは直接会うのか、注目される。国会議長室の関係者は1日、中央日報との通話で、「先月アジア順方日程の一環として訪問したナンシー・ペロシ米下院議長の時とは異なり、今回のリ委員長の訪韓は国会議長の公式招待日程だ」とし「ペロシ議長の時と違って、今回は議長室レベルでの外交儀典など、礼遇に万全を期す予定だ」と明らかにした。

同関係者は引き続き「公式招待で訪問する中国の立場としては、キム議長との公式会談のほかにも、ユン大統領との面談を優先的に考慮するしかない」とし「中国側がユン大統領表敬訪問日程を先に調整した後、最終訪韓日程が確定するだろう、と話した・・・・外交情報筋たちの間では、「米中葛藤が激化する状況において、ユン大統領が、訪韓するリ委員長に会っても会わなくても、政治・外交的に問題になるジレンマになる」という話が出ている。

 

そのジレンマの核心は、リ委員長が先月訪韓したペロシ米下院議長と、国家儀典配列上「同級」という点だ。当時、ユン大統領は休暇を理由にペロシ議長と会わないと明らかにしたが、あとになって自宅から電話通話をした。当時ペロシ議長の訪韓は、2002年デニス・ハスタード当時議長以来、下院議長としては20年ぶりだった。当時、ペロシ議長が訪れたアジア各国のうち、国家首脳との面談が行われなかったのは、韓国だけだった。ペロシ議長が直前に台湾を訪問し、中国の強い反発があったのも、影響を与えたと指摘されていた。

それだけでなく、ペロシ議長が到着した時、韓国側の誰もが空港への迎えに乗り出さなかったことなどで、国内では同盟に対する態度ではないとされ、米国側からも、相応の指摘があった。このような状況で、ユン大統領がリ委員長と面談を進行した場合、ペロシ議長の時と直接比較になるしかない。キムフンギュ米中政策研究所長は、「もし、ペロシ議長に会わなかったユン大統領が、リ委員長とは会うことになった場合、中国は『米国を相手にした外交的勝利』として考えるだろう」と話した(中央日報)・・>>

 

考えるだろうもなにも、中国の各官営メディアが一斉に報じるでしょう。実際、ユン政権の態度は、誰がどう見てもそう見えるでしょうから。ユン政権がインフレ抑止法(電気車補助金)関連で米国側に強く反発していることに関しても、中国のグローバルタイムズ(人民日報系列、環球時報の英文版)は論評を出し、「尹政権を指示する保守側は、もうそろそろ米国に関する考えを変えたほうがいい」とし、ユン政権に対しても、「米国が同盟のため、共同体のために頑張っているという考えをそろそろ何とかすべきだ」などと主張しました(この部分だけ、ビジネスポストの記事からです)。インフレ抑止法関連エントリーでいつも「喜ぶのは中国だろう」と書いていましたが、結局、こうなったわけです。さて、ユン大統領、今日(5日)の報道だとどうやらリ委員長に会う気のようです。また急に『やはり会わない』とか言い出す可能性も、まだあるにはありますが。急いで何かの休暇をゲットしたりして(まさか

 

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