現金化解決のための官民協議会、『政府の予算は一切使わないように』などに合意し、『一部・完』のノリで急に終了

尹錫悦(ユンソンニョル)政権が、いままで『解決法のために努力している』の重要な論拠にしてきた官民協議会が、主に『政府予算を使ってはならない(代位弁済も含め、韓国政府は支払いに関わらない)』などに合意し、事実上の会議終了となりました。つい昨日の朝にも協議会の4次会議についてエントリーし、その際に韓国メディアの記事をいくつか読んでみて、部分的に引用もしましたが、官民協議会の最後の会議になるという話はどこにもありませんでした。なにがあったのかは分かりませんが、本当に急なことで、本ブログでよく使うフレーズだと『一部・完』のような展開です。

理由はどうであれ、朴振(パクジン)外交部長官をはじめ、いままでユン政権が主張してきた『解決のために努力している』の主な論拠だった、唯一の論拠だった官民協議会はもう機能しなくなりました。政府予算は使ってはならないとしているけど、本ブログのソース記事である聯合ニュース朝鮮日報韓国経済などの記事内容をまとめてみると、結局は、『財団』『基金』案です。日本と韓国の企業が支払えばいい、というのです。各メディアには外交部関係者の話として「これからも疎通を続ける」などの話も出ているようですが、結局基金案になっているし、政府自ら4回で会議終了としているし、これは、ユン政権自ら官民協議会システムは失敗したと認めているようなものではないでしょうか。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・現金化解決法のための官民協議会が、最後の4回目の会議を終えた。参加者たちは「政府予算を使う代位弁済はできない」ということに合意した。代わりに、財団や基金、韓日民間企業など第3組織が代わりに返済する可能性について議論した・・・・外交部当局者によると、この日の会議では、原告側の立場、最高裁確定判決の履行、判決履行の主体と支給財源、対象者確定、日本のシャザ◯、追悼・研究事業など追加措置などが議論された(※以下、「◯」は「イ」となります)。原告側は日本企業のバ◯ショウとシャザ◯、企業との直接交渉、政府予算を使った代位弁済の使用不可など、3つの重要なポイントを提示したという。判決の履行に関連しては、「政府の予算を使う代位弁済は適切ではない」と、ほとんどの出席者が合意した(韓国経済)・・>>

 

原告側は参加しなかったと聞きますので、代理か、それとも意見だけ提示したのかもしれません。同紙が紹介しているそれら「3つの重要ポイント」について官民協議会がどんな意見を出したかといいますと、まずシャザ◯については、『主体やレベルなどについては、結局は日本の呼応が必要であるため、官民協議会が具体的なレベルを提示するのは難しい』ということになりました。ただ、同紙に引用されている 外交部当局者の話だと、「日本企業のシャザ◯は必ず必要だという点については、誰も否定しない」と強調したとのことです。

引用部分にもありますが、代位弁済不可については、参加者のほとんどが同意した、とのことです。企業との直接交渉については、各メディアにこれといった話は載っていません。ただ、1回目の会議のとき、当時の参加者たち(参加者が固定ではないので、今回とは別の人たちだった可能性もありますが)は、直接交渉は難しいという意見を出していた、という記事もありました。先も書きましたが、これはユン政権にとってかなりの、そして予見されていた痛手です。外相会議などでユン政権は官民協議会の存在を強調してきましたから。しかし、会議の主宰となる外交部は、大した反応を示さないでいます。以下の引用部分にはありませんが、「これは最終的な政府案でもない」とするスタンスです。しかし、何の影響もないわけではないでしょう。それなら、最初から協議会など必要なかったのではないでしょうし。外交部の反応を、聯合ニュースと朝鮮日報から、韓国政府の反応を引用してみます。

 

<<・・政府関係者は「今月、国連総会をきっかけに推進される韓日首脳会談や、以後の韓日シャトル首脳会談などを控えて、本件の解決法のきっかけを作ろうとしている」とし「韓国や日本企業が何らかの方法で一緒にお金を用意する案を検討中だ」とした。この日の会議では、「日本政府の誰がどのレベルでシャザ◯するかは、政府がよく協議して引き出すことだ」という話が出た・・・・外交部関係者は「今日のような形の官民協議会は、もうやめると思う」とし「原告側と代理人、支援団体と、今後もコミュニケーションを続け、専門家、元官僚、言論とも継続的に疎通するだろう」とした・・・・政府は、原告の高齢化などを勘案し、なるべく迅速に解決策を設ける方針だ。外交部は「あきらめることができない問題で、かなり真剣に日本と話している」としながらも、政府案の導出時期については確実な返事をしなかった。日本政府は、韓国側の「誠意ある呼応」に、何の反応も示していないことが分かった(朝鮮日報)・・>>

<<・・外交部は、なるべく迅速に解決案を設けると強調した。ただ、日本との交渉問題が残っているだけに、政府案の導出時期については、はっきり言わなかった。今月開かれる国連総会で韓日首脳間会談が実現する可能性もあり、この場合、解決案のための場が設けられることもある。ただ、外交部当局者は、首脳会談はまだ決まっていないと話した(聯合ニュース)・・>> 、などなどです。しかし、最初は『これはいい!』とする記事がかなりありましたし、日本側からもユン政権の努力として評価するという声が無くはなかったですが・・結局、こうなりました。いつものことと言ってしまえばそれだけですが。

 

 

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