営業利益で利子も払えない『ゾンビ』会社、韓国では2年間で24%も急増・・上場企業の割合では、香港>韓国>米国>中国>日本の順

外交関連のニュースがあまり目立たなくなりました。もっとも多いのはやはり電気車補助金問題で、もはや米韓同盟そのものに関する懸案とされています。他には、今回も弔問外交という言葉を出し、エリザベス女王の国葬参席関連のニュースが目立ちます。それ以外だと、国連総会で日韓首脳会談、米韓首脳会談を推進しているというニュースもありますが、なぜか『日米韓首脳会談の可能性は低い』という記事もあり、妙だな、と思いました。両国首脳会談がうまくいかないとき、米国がリードして日米韓会談を開くのが普通のパターンでしたが。もうすぐ分かるでしょう。

今回のエントリーは、無理して同じ内容ばかり書くより、ちょっと内容を変えて、韓国内関連、経済関連にしてみたいと思います。前にも本ブログで何度か取り上げましたが、『限界企業』という言葉があります。一部のメディアでは『ゾンビ』企業とも言います。特記事項が無いなら、ゾンビ企業とは、「3年連続で利子補償比率が1未満」、すなわち、3年連続で、営業利益で負債の利子が払えないでいる、という意味です。もちろん、資産を十分に持っていて、3年連続で何か凄い投資でもした会社もあるにはあるかもしれませんが、一般的には、苦しい立場の企業とされます。

 

数年前からこのゾンビさんたちが増えつつあるという記事が出ていましたが、久しぶりに同じ調査結果が発表されました。多分、最近相次ぐ利上げと関連したものでしょう。ニューシースなど複数のメディアの記事によると、前の調査より約24%も増えてしまった、とのことでして。報告書によると、これらの17%以上は、上場企業です。ここでいう上場企業とは、「外部監査が可能な企業で、金融以外の企業であること、そして、有価証券の上場企業である(韓国の場合はKOSE・KOSDAQで取り引きされる企業)」、の意味です。

他にも日本、米国、香港、中国のデータも調べたとのことで、日本の場合は東京証券取引所(TSE)、米国はNYSEおよびNASDAQ、香港の場合は香港証券取引所(HKSE)、中国は上海証券取引所(SHSE)および深セン証券取引所(SZSE)。その順は、香港>韓国>米国>中国>日本でした。ニューシースにはこの順番がちゃんと書いてありますが(記事本文ではなく、見出しの部分に)、なぜか聯合ニュースなど大手には、「韓国より多いのは香港だけだった」ということになっています。こういう調べでは、順番を書くのが一般的だと思いますが、やはり日本がもっとも少なかったから、でしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・2021年の限界企業の数が、2019新型コロナ前の2019に比べて23.7%増加したことが分かった。金利引き上げの基調がしばらく続くと見込まれる中、企業の金融費用負担の増加が韓国経済に重く作用する可能性があり、「企業構造調整促進法」と「企業活力向上のための特別法」を常時化する必要があるという指摘が提起された(※支援などに関する法律ですが、2023年と2024年に期限満了となります)。

報告書は、(※これらの企業において、上場企業の割合を調べるため)世界の主要取引所・・・で取引される限界企業を分析した。2021年、企業全体の限界企業の割合は、香港証券取引所の28.9%に続き、2番目の17.1%であることが分かった。また、を2017年と比較した場合、増加傾向も香港証券取引所に続いて2番目だ。報告書は、限界企業の比重が持続的に増加していることを警戒しながら、これが蔓延化する可能性について懸念を表している(ニューシース)・・>>

 

で、ここから一つ前のエントリーとちょっとだけ繋がる内容になりますが・・実はこのバイオハザード現象、文在寅(ムンジェイン)政権から始まった無理な国産化ブームも、大きな要因の一つです。当時、国産化を掲げて、ソブジャン(素部装、素材・部品・装備)関連企業に様々な支援を行った文政権でしたが、その結果、ゾンビ企業が増えてしまったわけです。2021年韓国経済の記事ですが、「素部装」の売上高が全体売上の50%以上を超える企業を「素部装専門企業」としますが、その専門企業のゾンビ割合が、4年間で2倍になった、とのことでして。記事は、こう分析しています。

<<・・政府は今まで、素部装産業に大規模な政府予算を投入してきた。特に、(※日本の輸出管理の件で話題になった)2019年からは1兆ウォンを超える規模の特別会計まで作り、莫大な予算を投入している。しかし、素部装企業に対する支援の手続き、支援事業の成果、支援対象の検証がうまくできていなかった。競争力強化ではなく、政府の予算に依存するだけの企業だけを量産していると指摘されている。「素部装専門企業のゾンビ企業の現況」資料によると、2017年全国437社であったゾンビ企業は2019年に654社、2020年890社に増加したことが示された・・

 

・・今年も7月までの合計で620社のゾンビ企業が集計され、年末までにさらに増える可能性がある。政府予算に依存する「ゾンビ企業」だけを量産したという意味だ。政治的には国産化などを主張しながらも、予算支援の検証および成果の管理が不十分だったという指摘である。特に、政府の支援が増えた2019年から素部装専門企業のゾンビ企業が大幅に増えたのは、競争力のない企業が政府予算で延命している側面が大きいというのが、(この資料を分析した)グォンミョンホ議員側の説明である(韓国経済)・・>>

このソブジャンが、今回の限界企業の急増にどれだけ影響したかは分かりません。ただ、無関係とは言えないでしょう。それに、これからも利上げを行うしかないことも考えると、これからさらに増えるかもしれません。余談ですが、限界企業でもっとも多いのは、製造業関連だそうです。最後に、お陰様で順調の「プレジデントオンライン」の寄稿文(拙著の部分編集記事)ですが、なんと第二弾が掲載されました。最近よく書いてきた半導体関連、中国関連の内容で、タイムリーでよかったと思っています。本当にありがとうございます。

 

 

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