国連総会で日韓外相会談が開催・・「いろいろ良い話ができました」など。首脳会談については発表無し

台風対策で岸田文雄首相の国連総会参加が遅れている中(もともとは昨日の予定でしたが、『可能なら今朝出発したい』ということになっています)、国連総会では林芳正外相と朴振(パクジン)外交部長官の外相会談がありました。パク外交部長官によると、「いろいろ良い話ができました」とのことです。首脳会談については、質問に答えなかったとのことです。ソウル経済など一部のメディアの報道によると、今回の外相会談で『首脳同士の接点になれることはなかった』とも。他にもエリザベス女王の国葬に参拝(ウェストミンスター寺院での弔問)できなかったことで、国内では大きなニュースになっています。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。まず外相会談についてです。

<<・・パクジン外交部長官は19日(現時時間)米国ニューヨーク・マンハッタンのキタノ・ホテルで林芳正日本外務相と会談を行い、「いろいろな良い話ができた」とし「関係改善のため両側が誠意を持って努力していくことにした」と話した。パク長官は会談の雰囲気が良かったのかという質問には「そうだ」という趣旨で答えたが、首脳会談の開催など追加の質問には答えず、待機中の車両に乗ってその場を離れた。午後4時(現地時刻)からの会談は、当初予定された時間を30分を超えて約48分ほど進行された・・

 

・・両側ともに、首脳会談に対する具体的な言及は避けた。当初、「外相会談は、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と岸田文雄日本首相が国連総会に参加する前のタイミングで開催されただけに、日韓首脳会談開催のための事前議題を調整するためのものではないか」という観測が出た。ただし、当局者はこれと関連し、首脳会談を設けるための場ではなく、外相レベルで関係改善路線の延長だという趣旨で説明した。日本側も、首脳への接点を設けたことはないという立場を明らかにした、と伝えられた。両国はただ、「関係を戻すために協議を続けることにした」とだけ伝えた(ソウル経済)・・>>

個人的には、やはり「両方が努力することにした」という言葉が気になります。どういう案件で出てきたのかにもよるでしょう。例えば、人的交流(観光など)関連での話なら、確かに両方からの措置が必要です。でも、それ以外の懸案なら、またもや『共に』、『~も呼応を』ということになります。これについて林外相の発表がどうなるのか、気になります。

 

また、『首脳会談のためのものではない』などの話が出てきたこともあるし、やはり今回の外相会談は首脳会談について議論するための場だったのでしょう(自分で書いておいてなんですが、心が曇っていてすみません)。もしこれから何かの形で会談が行われるとしても、「外相会談の結果を見てから決める」流れだったものを、大統領室側が「確定した」のように発表したのではないか、そういったところではないでしょうか。

次、エリザベス女王の国葬関連ですが、この件で国内では大きな話題になっています。事案のどの側面を見るかにもよるでしょうけど、本ブログではユン大統領の外交について、ほぼ毎回『事前の話し合い』を指摘しました。日本はもちろんのこと、同盟国の米国に対しても、何かの案件においての事前協議が足りない、または出来る方法(いわゆる『チャンネル』『通路』など)がない、と。今回も、似たような展開ではないだろうか、と個人的には思っています。ここからはMBCですが、簡単に書きますと、ユン大統領、エリザベス女王の国葬で弔問(参拝)できませんでした。『弔問外交』を強調してそこまで行ったのに、弔問できなかったなんてこれはどういうことだ、という記事が複数のメディアから出ています。引用部分、今上天皇に関する用語は適切なものに修正しております。

 

<<・・ウェストミンスター寺院で行われているエリザベス女王の葬儀に、ユン大統領夫婦も出席しています。ところが、当初の計画とは異なり、ユン大統領は女王に参拝することができず、弔問録の作成も、葬儀が終わった後にすることになりました。当初、ユン大統領がロンドンに到着すると、ウェストミンスター寺院に安置されたエリザベス2世女王に参拝すと知られていましたが、実際には、日程が思った通りに進まなかったのです、弔問のない弔問外交という論議、また、外交的におろそかにされたのではないかという議論が起きています・・

・・(※大統領室側は、単に交通など日程が遅れただけだとしている、という内容の後に)しかし、明確には説明できていません。他の国の首脳は、ウェストミンスター寺院の近くから歩いて行ったケースもあるし、日本の天皇と米国の大統領は、事前に到着して弔問しました。弔問なしで葬儀が終わった後に弔問記録作成することになりましたが、これも自然なやり方ではないとされています。結局、弔問日程を、英国側とちゃんと調整できなかったのではないか、という指摘が出てきます。それが大統領室と外交当局のミスなのか、英国側が外交的に礼儀にかなわないことをしたのか、確認する必要がありそうです(MBC)・・>>

 

ちゃんと弔問できた首脳レベルだけでも数百人、記事によっては500人になる、と言われています。また、交通や待ち時間などの問題で、ベッカム選手が10時間以上も順番待ちしていたことがニュースになるなど、事前に話題になっていました。こんな動きを、把握できなかったのでしょうか。また、大統領室側は『単に交通などの問題』としていますが、MBCの別の記事によると、本当に『交通などの問題で弔問できなかった』なら、外交の世界では、むしろそのほうが大きな問題になるという指摘も出ています。

 

 

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