朴振外交部長官、林芳正外相に『民間基金案』を提案・・今回も『傾聴してくれた』を強調

国連総会で開かれた外相会議で、朴振(パクジン)外交部長官が林芳正外相に『民間基金案』を提示しました。各記事の内容からして、現金化問題について、官民協議会で議論した内容そのままだと思われます。4回目の会議を最後に終了した官民協議会ですが、その4回目の会議で、各参加者たちは『政府のお金を使うことはあってはならない』に合意しました。この意見がそのまま外交部にも伝わり、一部のメディアは『民間基金案にほぼ決まった』『もうすぐこの案を正式に提示するのでは』との記事を載せました。

ただ、本ブログもそうでしたが一部のマスコミ記事もまた、『岸田政権が呼応する可能性はどれぐらいあるのか』を指摘したりもしました。なにせ、前の文在寅政権のときにも、同じ案を何度も提示したものですから。今回の外相会談で、細かい内容まではわからないものの、また同じ案を提示したことになります。ソース記事である文化日報など、林外相がどんな反応を示したかについてはどこの記事にも載っていませんが、パク外交部長官はまたもや『日本側も真剣に傾聴してくれた』と話しています。まず、記事を引用してみます。<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・パクジン外交部長官は19日(現地時間)、米国ニューヨークで開かれた日韓外相会談で、現金化問題解決と関連、民間財源(※基金)の助成案を含む政府の構想を提案したと把握された。両側は今回の会談で、停滞している両国関係の改善の必要性に共感し、未来志向的な態度で改善に努めていくことに意を共にした。英国訪問(※エリザベス女王弔問のため)を終えた尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は2泊3日の予定で国連総会及び日韓・米韓首脳会談に出席するため、同日、米国ニューヨークに到着した。

20日、外交部によると、パク長官はこの日、ニューヨーク・マンハッタンのあるホテルで55分間、林芳正外務相と会談し、懸案についてを議論した。パク長官は、特に両国関係最大の懸案となる現金化について、国内専門家たちと民官協議会を開催して検討した、両国民間企業を通じた財源の造成案などを、林外務相に説明した。外交当局者は、「パク長官が直接原告側の声を聞いた事などを紹介し、国内各界の意見を具体的に伝えた」と話した。

 

外交部は、日本側は真剣な態度で傾聴し、深く意見を交わしたと説明した。現地時間で来る21日(※こちらの時間だと22日頃になります)に開催が有力とされる日韓首脳会談の形式や議題なども調整したことが分かった。今回の国連総会を契機に会談が成立する場合、34ヶ月ぶりに首脳会談が再開されることはもちろん、両国関係に突破口を設けるきっかけになると観測されている。共同通信はこの日、韓日外交長官会談のニュースを伝え、「首脳会談の開催についても議論された可能性が高い」と報道した。岸田文雄首相は台風関連収拾のため、予定より1日遅い20日午前、東京羽田空港から米国ニューヨークに出国した(文化日報)・・>>

『有力とされる』というのは、大統領室が新しくそう発表したからです。今度もまた、外交部は何も話していません。外相会談でパク長官も、関連質問に答えませんでした。それから数時間後に大統領室が『現地時間で21日に岸田総理、バイデン大統領と首脳会談を行うと計画中』と発表したわけですが・・それなら、外相会談のときに外交部が発表してもよかったのでは。また、引用部分にある『傾聴』ですが、どっかで聞いたことがある・・と思ってちょっと調べてみたら、8月26日、まったく同じ話しがありました。

 

当日、局長級協議がありました。もう読者の皆様もご存知でしょうけど、定期的に行うということ(一応対話を続けているというアピールにはなる)以外に、これといって何もない場になってしまった、あの局長級協議です。中央日報によると、この日もまたこれといって進展はありませんでした。あのとき、外交部が『傾聴した』と話しました。他にも多数の記事に「傾聴した」となっており、外交部側の公式発表にも同じ表現がありました。

<<・・韓日外交当局が東京で現金化解決法を模索するための局長級協議を行った。現金化が差し迫った状況でなされた協議だったが、問題解決のための具体的な進展はなかった・・・・外交部当局者は、結局は韓国の司法体系の中で解決されなければならず、日本側もこれを理解しようとする次元で、官民協議会に登場した多様な意見を傾聴した、と説明した。 この当局者は、「原告側が主張する企業と当事者間の協議、シャ◯イ問題などについても(※◯はザです)、詳細に説明した」と明らかにした。 これに関連して日本側は、意見を出すよりは、説明を真剣に「聞く」態度だったと伝えられた(中央日報)・・>>

 

「ただ聞いているだけだった」を、「傾聴した」と話しているだけ・・ということでしょうか。ユン大統領は現地時間22日に、カナダへ出国します(カナダと首脳会談があります)。よって、現地時間21日しかないわけですが・・さて、どうでしょうか。ユン大統領の場合、国連総会に限って言えば、レセプション参席、国連事務総長との面談の日程が発表されています。岸田総理・バイデン大統領との首脳会談も発表済みですが、まだまだ時間は未定、ということになっていて、他の国の首脳との会談は発表がありません。岸田総理の場合は他国首脳との会談もいくつか発表されているし、確か、ニューヨーク証券取引所で演説も予定されています。現地時間で岸田総理が到着するのは20日の午後遅くのはず。外相会談の内容もそうですが、時間的に、どうかな~としか思えません。万が一あるとしても、略式になるのでは?あくまで予想ですが。

 

 

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