日韓首脳、30分間『懇談』・・尹大統領が岸田総理のいる場所まで訪れる形式で、会談場所にテーブルや国旗セッティングも無し

真っ先に結論から書きますと、岸田文雄総理と尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が、『懇談』しました。日本では懇談、韓国では略式会談と報じられています。大統領室の公式発表でも、珍しく略式となっている、とのことです。以下、引用部分以外は『懇談』と致します。また、米韓首脳会談はありませんでした。バイデン大統領と尹大統領が約1分間、挨拶しただけです。事前には、それでもバイデン大統領との会談のほうが可能性が高いのではと思いましたが、本当に予想外の展開です。今日の未明、01時30~40分頃、韓国各紙が『日韓首脳会談』を報じました。本ブログとしてはすごく意外な展開だったので「おおっ」と思い、ツイッターに『日韓首脳会談が開催されました』と書いたり、ブログに追記したりしました。一応、最新のエントリー(一つ前のエントリー)の予想が外れたので、報告しないといけないと思ったからです。

でも、書いてからすぐ、『あれ、ちょっとおかしい』とも思いました。「会談が始まった」「会談が終わった」「会談内容が発表されたその1」「その2」・・なふうに、速報が一斉に流れる、日本側からすると想像もできない展開でしたが、その会談内容が、『関係改善の必要性に意見が一致した』『北朝鮮の核問題にうまく協力したい』など、マニュアル的というか、わざわざ首脳が会って話す内容ではなかったからです。それもそのはず、今回の懇談ですが、ファイナンシャルニュースなどの報道によると、岸田総理がいるビルに尹大統領が訪れる形のもので、懇談場所にテーブルのセッティングもされていなかった、とのことです。まずはこの件から引用してみます。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・尹錫悦大統領と岸田文雄首相が21日(現地時間)、ニューヨークで略式首脳会談を行った。やっと両首脳が対面したもので、尹大統領が岸田首相がいる場所を訪れる形式となった・・・・しかし日本側は場所を準備しておらず、結果的に2年9ヶ月ぶりになされた韓日首脳の出会いは30分間会談をしたにもかかわらず、略式首脳会談となった。大統領室側は今回の会談に対して「とにかく両首脳が会って解決のための第一歩を踏み出したことに大きな意味があるのではないかと思う」と話した。国連総会に出席するためにニューヨークを訪問中のユン大統領はこの日、現地時間で昼12時23分から30分間、国連総会長近くのあるカンファレンスビルで岸田首相と略式会談を行ったと、大統領室は書面ブリーフィングを通じて明らかにした(※場所ですが、一部の日本メディアの報道と異なるという指摘もあります)・・

 

・・岸田首相がいる所にユン大統領が訪ねる形が演出されたことと関連し、関係者は「岸田首相はそのビルの行事に参加していた」とし「ところで、国連は多くの首脳が様々な日程を行っている。だから、その場所で行うとして、岸田首相も来て、ユン大統領も行けるものではないか」と話した。続いて「それが、岸田首相がいる場所にユン大統領が訪れたとか、そうは言えない」とし「様々なことを互いに議論する過程で、そんなふうにしか調整できなかったのだろう」と答えた。2年9カ月ぶりの対面会同だったが、略式会談になったことについて大統領室は。「具体的な議題を確定して議論しなかったからだ」と説明した。ただ、会談場所にテーブルや国旗なども用意できておらず、結果的に略式首脳会談をすることになったと伝えられた。関係者は「両首脳が30分も話したが、日本側が場所にセッティングをせず、略式首脳会談になった」とし「急いで推進したから、そうなったと思う」と説明した(ファイナンシャルニュース)・・>>

 

野党のパクチャンデ議員はこの件で、『岸田首相がいる場所にわざわざ訪れて、セッティングもできていなかったと聞く。首脳会談が必要なことだとは思うが、急いで成果を出そうとしてこんなふうになるのは外交的にも失礼になるし、成果も出せないだろう。実際、向こうのメディアからは懇談だったということになっている』と話しました。共に民主党のことだから尹政権批判したかっただけでしょうけど、内容は『そのとおり』としか言えません。

次、バイデン大統領との米韓首脳会談ですが、こちらは簡単に挨拶するだけになりました。ですが、これも、尹大統領が参加者リストにないイベントでのことで、無理して参加したのではないか、と思われます。大統領室側は「公式参加者リストにはなかったが、ちゃんと招待された」ということにしていますが、MBCの報道によると、この時間、尹大統領は本当は別の日程を組んでいた、とのことでして。正式招待があったなら、なんで別の日程に重なったのか、ちょっと不自然ではあります。今回、インフレ抑止法(電気車補助金)など、特にバイデン大統領に『言うべきこと』が多いとされていただけに、MBCは『大きな議論が予想される』としています。

 

<<・・尹大統領とジョー・バイデン米大統領が、ニューヨークのある会場で会同しました。バイデン大統領が主催するグローバルファンド第7次財政会議にユン大統領を招待し、予定されていた日程を変え、その会場に行ったのです。ユン大統領はここで短く演説した後、イベントを主催したバイデン大統領と挨拶を交わしました。挨拶を交わした後はしばらく会話もしたものの、「48秒」だけでした。両首脳の会話内容はまだ公開されていませんが、会話時間が長くなかったため、様々な話ができたとは思えません。

15日、大統領室関係者は今回の国連総会参加を契機に、米韓首脳会談が開かれると発表したことがあります。米国産電気自動車にのみ補助金を支給することにしたインフレ抑止法など、いくつかの懸案で問題を提起する方針だった、と伝えられました。しかし、有力な時点と知られていた今日の未明まで会談は開かれておらず、米国を離れる前に追加で会合や会談が成就するかは未知数です。大統領室が出国前から会談を予告しただけに、会談が行われなかった場合、外交成果をめぐって大きな議論があると予想されます(MBC)・・>>

 

 

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