岸田総理、北朝鮮ミサイル問題で尹大統領と電話会談を予定・・韓国メディアは『首脳会談ではなく、外交当局同士の協力を強調している』との分析も

北朝鮮ミサイル関連で、今日も話題が続いています。韓国内でもっとも大きく報じられているのは、例の『玄武』ミサイルです。各紙のトップニュースをまとめる記事によると、朝鮮日報と中央日報以外は、ほぼすべてのメディアが1面に大きく報じている、とのことです。特に東亜日報によると、翌日まで発表すらなく、大統領にも翌日の朝早く報告した、とも。また、今日の午後に岸田総理と尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の電話会談が予定されていますが、CNBジャーナルなど一部のメディアが『(首脳会談ではなく)外交当局』を強調している点に着目し、記事を載せています。

また、本エントリーで引用はしていませんが、一部のネットメディアの場合、午後の電話会談についても、岸田総理とバイデン大統領が話したことを岸田総理が尹大統領に伝えるためのもので、言い換えればバイデン大統領は尹大統領と電話会談する予定がなく、『外交部』レベルでの話し合いにとどまっている、という見方をしています。どちらも、今回の国連総会でのことが影響しているのではないか、そんな気もしますが。以下、合わせて紹介します。

 

まず、詳しくは一つ前のエントリーに書きましたが、北朝鮮のミサイル対応として韓国軍が発射して『玄武』ミサイルについてです。東(日本海)に向けて撃ったのに、逆に(西側に)飛んでいって、民家から700m離れた地点に落下した、とのことです。飛行距離が短かったため弾頭は爆発しなかったものの、推進部分が落下の衝撃で分離、炎上し、近くの町では大騒ぎになりました。東亜日報は「東に撃ったのに西へ、民家700m地点に落下」という記事で、「玄武-2C地帯地弾道ミサイルは、北朝鮮による有事の際、その挑発の源を打撃するための核心武器だ」としながら、次のように書いています。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

<<・・事故原因によっては、北朝鮮に対する態勢にも支障が生じる可能性がある。2017年9月、北朝鮮の火星-12型ミサイル発射に対抗して発射した玄武-2Aの落下事故に続き、5年ぶりにまた玄武ミスが再演され、対北核心戦力の総体的点検が緊急だという指摘も提起されている・・・・5日午前7時頃配布した連合実射撃報道資料で(※事故は4日の夜でした)玄武-2Cの実射撃と落下事故についての言及はなかった。驚いた地域住民たちの情報提供が一晩中続いたが、翌日の午前まで非公開で一貫したのだ。軍関係者は「ミサイルの燃焼時間が1分内外で短く、火災や人命被害がなかったし、深夜に住民の不安を高める可能性があったので、追加の安全措置だけして残りの実射撃訓練を行ったのだ」と言った(東亜日報)・・>>

 

同紙の他の記事によると、尹大統領に報告されたのも翌日の朝早い時間帯だそうです。次は、CNBが岸田総理の日米韓協力に関連した発言を分析した記事です。記事によると、岸田総理とバイデン大統領は25分間の電話会談をしましたが、尹大統領とは話さなかった、とのことでして。岸田・バイデン電話会談の内容についてホワイトハウスが発表した内容は(記事によると)、「両首脳は北朝鮮のミサイル試験を最も強力な表現として糾弾し、今回のミサイル発射が日本国民を危険にし、域内を不安定にし、国連安全保障理事会決議の明白な違反だとした」、「両首脳は、即時・かつ長期的な対応を、日米で、韓国と共に3ヶ国で、そして国際社会とともに持続して緊密に調整することを確認した」との内容で、日本人拉致問題についても言及したとのことです。

ただ、記事は、<<・・岸田総理はバイデン大統領との通話会談を終えた後の記者会見で、尹大統領との直接対話については、「全体を考えている。 外交当局の取り組みを進めていくように促したい」と話したが、これは尹大統領との直接対話ではなく、外交当局(※外務省、外交部)を通じた取り組みを優先するという立場を明らかにしたものであると、毎日新聞が5日報道した。朝日新聞もまた、「韓国との連携」について尋ねる質問に、岸田総理が「米国も合わせて様々な安全保障上の意思疎通を図っている」と答えたとし、尹大統領との対話については「外交当局の取り組みを進めていくように 要請していきたい」と話した、と報じた(CNB)・・>>と書いています。記事の題も、「北朝鮮ミサイルの後、バイデンと25分通話した岸田、『尹大統領と直接ではなく、米国と交わり外交を通じて対処』」となっています。

 

北朝鮮のミサイル発射後、朴振(パクジン)外交部長官とトニー・ブリンケン長官は電話会談を行いましたが・・時期にもよるけど、トランプ・文在寅政権のときも、こういう場合は電話ぐらいはしていた記憶がありますが。最後に、ちょうど本ブログでも昨日『(文在寅政権)5年間の空白によるものか、それとももっと全般的なものか』と書いたりしましたが、文化日報は、『そもそも、最近、訓練がほとんど無かった』という側面を報じています。記事は、海兵隊司令部が国会国防委員会所属の与党国議員に提出した資料によると、各主要武器での訓練が不足しており、特に島嶼地域での射撃訓練回数はすべての武器において「ゼロ」だった、とのことでして。主な理由は、文政権が合意した『南北軍事合意』を守るためです。

記事は、「ある予備役陸軍将星」の言葉として、こう書いています。「訓練不足により、備蓄した砲弾を周期別に循環管理する『砲弾置換』など、兵器管理および整備に問題があるのではないか疑問がある」、「北朝鮮の挑発に対応した射撃でさえ、5発中の1発は誤発射撃であるレベルで、国民の不安だけ加重している」。外交での側面だけでなく、実際の安保関連でも、『置き土産』が多すぎる・・といったところでしょうか。

 

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年9月2日)からですが、<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>です。文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察しました。政権交代、保守政権などの言葉が、結局は仮面が変わっただけだということ、率直に書きました。 新刊<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」。これが、本書の全て、帰化の手続きを進めている私の全てです。 刊として、日本滞在4年目の記録、<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >と、新しく出現した対日観について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。 ・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。 ・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。