韓国中央銀行、0.5%金利引き上げ・・このペースだと、『2年前にマンションを購入した大企業社員』の月々の返済額は、2年前の22万円から今年末には34万円に急増

予想通り、韓国銀行(中央銀行)が0.5%pの金利引き上げを行いました。いつもの展開(?)と言ってしまえばそれだけですが、これもう何度目だ・・と思うと、早すぎるという印象があります。金利引き上げそのものに対する評価はともかく、『急だ』となると話は別です。実際、関連した問題が続出しています。今回は、主に『数年前に変動金利で不動産を買った人たち、どうなっている?』な視点から書いてみたいと思います。まず、本題を始める前に、ニュース1から関連記事を一つ引用してみます。

<<・・10年ぶりに、基準金利3%台の時代が訪れた。不動産市場が凍りついている中、金利に対する警戒心が加重し、不動産市場の停滞がさらに加速するだろうという予想が出ている。専門家たちは、不動産を買おうとする人たちはさらに少なくなり、全体的な市場の萎縮が避けられないだろうと判断した・・韓銀が今年中に予定されている金通委で、さらに金利引き上げを行う場合、住宅担保ローン金利はは年内8%に接近すると見込まれる。庶民の資金調達である信用融資は5%の商品が跡を隠すという見通しも出ている。資金の調達がより難しくなり、買収の勢いはさらに萎縮し、不動産市場の冬はしばらく続きそうだ(ニュース1)・・>>

 

米韓通貨スワップを求める声が大きいですが、それは、もちろん外貨保有高などを気にしての主張でもありますが、『金利を引き上げる余力が無い』というのも重要な理由です。つい3日前に紹介した記事なので引用はしませんが、MBCは「例えばリーマン・ブラザーズ事態などは『米国発(米国も含めて)』の問題だったので金利を下げる方向で何とかなったし、通貨価値の下落も輸出企業に大いに役に立った。しかし、今回は『米国以外のすべての国』の問題であるため、金利を上げなければならない状態だ」としています。これが、いままでと違う政府のジレンマでして。

まず、韓国は外国資本の流出を懸念しないとならない立場ですし、国際的に影響力のある通貨を持っているわけでもないし、一般的に「純債権国」とされるようになってから10年も経っていないので、海外に相応の資産があるわけでもありません(通貨価値が下がると海外資産の換算価値があがることになる)。それに、いままで何度も金利を引き上げ、すでに市場は『ああ、韓国銀行は、米国の金利を追っていくしかないんだな』というシグナルを与えてしまいました。こういうところが、日本や中国(相応の措置はしているものの、金利引き上げまでは行っていない)と違う点でもあります。我慢比べするほどの基本体力が無い、といったところでしょうか。

 

次に、不動産価格の下落が各地でニュースになっているし、それと完全に連動する形の、家計負債関連もあります。国際金融協会(IIF)がの報告書「グローバル負債モニタリング」(5月)によると、少なくとも調査対象になった国の中では、GDPより家計負債が大きい唯一の国です。今年1~3月基準で、104.3%。続いて香港(95.3%)、タイ(89.7%)、イギリス(83.9%)、米国(76.1%)、中国(62.1%)、日本(59.7%)、ユーロゾーン(59.6%)の順です。ちなみに、調査機関にもよりますが、ちょうど日本が平均、または平均より多少少ない数値になる、とも。また、サムスン電子の6~9月営業利益が前年同期比31%減少したことなどを考えると、為替レートによる利益が発生しているわけでもありません。

最近の不動産市場は、若い世代(20代~40代)、いわゆる『ヨンクル(なんでも使って融資を受け、家を購入して不動産の値上げを待つ人たち)』たちによって支えられていました。彼らが本格的に不動産を購入したのは、文在寅政権の中期あたり、不動産市場が大きく上昇した頃です。実はこれ、『朴槿恵大統領を弾劾したから何もかもうまくいくだろう』という期待が強すぎで、それからの現実に失望したのも一因だったりします。文在寅政権になっても、変わらない現実が、彼らを不動産による『一発逆転』に追い込んだのです。これについては、韓国経済TVの記事が分かりやすくまとめています。記事では『ヨンクル』と書いてはいませんし、主人公(?)を『大企業社員』としているので、このケースはまだマシだと言えるでしょう。

 

<<・・2年前の超低金利のときに資産を買い入れた人たちの中には、今年末や来年初めの年償還額が、2年前より50%以上急増する場合も少なくない見通しだ。ある大手銀行の実際の事例分析によるが、大企業職員A氏は2年前の2020年10月、5億6千600万ウォンの貸し出しを受けて、ソウルのマポ区に専用面積59.96㎡のマンションを14億3千万ウォンで購入した。A氏の総融資額は、住宅担保4億6600万ウォン(30年間の元金均等分割償還、新規取扱額コピックス6ヶ月連動金利)と、信用ローン1億ウォン(期間1年、毎年期限延長可能、金融債6カ月連動金利)を加え、5億6千600万ウォンとなる。

A氏は、初期6カ月間は、住宅担保ローン年2.91%、信用ローン3.66%が適用され、月々の返済額は約224万7000ウォン(住宅担保ローン元金194万2000ウォン+信用ローン利息30万5000千ウォン)レベルだった。だが、2年後の今月現在(※今回の金利引き上げは反映される前のデータです)、住宅担保ローンと信用ローン金利は各5.07%、6.67%に高まり、月払い額は249万2千ウォン+55万6千ウォンで、304万8千ウォンとなり、2年で36%も増えた。また、予想通り、今年末や来年初めに基準金利が3.50%に達すると仮定すると、6ヶ月後の来年4月A氏の月額返済額は約340万4千ウォン(住宅担保ローン年6.07%適用で元金276万5千ウォン+信用ローン7.67%適用で利子63万9千ウォン)となり、2年前より51.5%(115万7千ウォン)も増えることになる(韓国経済TV)・・>>

 

変動金利が全体で約74%(若い人たちの場合はさらに高いという記事もあります)。こんな状況下で基準金利が急速に高くなると、銀行側は貸し出す対象を慎重に選ぶしかないでしょう。これは個人だけでなく、企業にも同じ。ちゃんと返せると思われる企業にだけ、新規貸し出し、または延長を許可することになります。特に小商工人(自営業者)の場合、資金調達はさらに難しくなるでしょう。イーデイリーなど一部のメディアによると、「景気後退シグナルがあちこちから出ており、銀行が本格的に企業貸し出しの管理に入った。 今年、家計負債を減らして、対象を企業に変えてきたが、最近は企業貸し出しが幾何級数的に増えて、調整に入ったのだ。銀行側は、新規の場合は規模を減らしたり、いままでより金利を高く設定したり、既存の分は満期を延長しない状況まで現れている」と報じています。

 

 

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