韓国メディアが見た、日台半導体協力・・、「いまの我が国は、日本との産業協力は図れそうにない。その隙に、素材装備最強の日本と、工程最強の台湾が手を組んだ」

半導体関連でいろいろニュースが流れています。もっとも大きく報じられているのはサムスン電子の株価下落です。最近、金利引き上げで、いわゆる『ヨンクル』など、大勢の人たちが行ってきた投資に問題が起きているというニュースが多いですが、実はサムスン電子の株価もまら、そういう『ラストチャンス』的な投資でした。大勢の人たちが「『大将株(または隊長株)』だから間違いない」としながら、銀行から貸し出しを受けてまでサムスン電子の株を購入した時期から考えると、時期にもよりますが20~30%は下がっている、とのことでして。

ですが、もう少し別の観点から、『気にすべきはそっちじゃないっす』とする記事もあります。特に、日本と台湾の半導体協力について、一部のメディアが『もっと重く見るべきだ』という趣旨の記事を載せています。まだ、国内で大きな話題になっているとは言えませんが。本エントリーでは『毎日経済』をソースにしていますが、他にも関連した各記事が共通して述べる理由は、ある意味、とても簡単です。日台は、中国側とのサプライチェーンなどの繋がりにおいて(韓国に比べると)自由であり、その分、米国主導の動きに参加できること。また、日台協力の動き自体が中国を意識したものだとしても、最終的には韓国の半導体事業において大きな脅威になるしかない、というのです。

 

ちなみに、最近米国が中国に半導体装備の販売などを制限する措置を取りましたが、中国内にあるサムスンとハイにクスの工場には『1年猶予』を与えました。一部のメディアが『例外になれた』というふうに報じたりしましたが、詳しくは1年の猶予です。また、TSMCも1年猶予となりました。あと、もともとこの措置には『中国内の工場でも、外国企業が所有している場合は個別審査する』という前提がありました。それでは、以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・世界最大のファウンドリ(委託生産)企業である台湾のTSMCが、日本政府から莫大な支援を受け、日本に工場を設立することにしたのに続き、今回は地域大学と手を組んで人材を育てることにした。半導体業界において、素材・装備分野の最強者である日本と、工程分野1位国家である台湾が連合し、韓国の半導体産業を牽制することだと分析される。14日、半導体業界によると、日本の熊本大学は2024年度までに半導体学科を新設することを決定し、最近韓国教育部に該当する「日本文部科学省」に許可を申請した。熊本大学が学題を再編するのはほぼ半世紀ぶりのことだ。それだけ半導体人材を集中して育てるという意志の表明だ。

 

熊本大学が新設する半導体学科定員は、学年当たり合計60人水準だ。カリキュラムは半導体設計・生産教育過程とデジタル切替関連教育過程などで構成される。事前に自治体、中央政府などと協議を終えただけに、設立許可までこれといった問題はないだろうと、半導体業界は展望している。何より業界は、今回の半導体学科新設が、TSMCと連携していることに注目している。該当学科カリキュラムにはTSMCが要求する技術が反映される予定だ。これにより、卒業生は今後TSMCで就職することに相応の有利な点があることも分かった。

TSMCが熊本大と手を組んだのは、現地に建てている新規工場のためだ。 TSMCは1兆1000億円を投資し、23万㎡規模の用地に工場を建てている。ここでは12ナノメートル工程を活用して、月12インチウエハ4万5000枚が生産される予定だ。日本政府は、TSMCの工場建設に投資金額の半分に及ぶ4760億円を支援することにした。日本企業に必要な半導体生産のためには、TSMC工場が必ず必要だと判断しているのだ・・・・熊本県は、超大型産業団地に変貌しつつある。半導体工場だけでなく、設備と工程を補助するための「素材・部品・装備」企業も集まりつつある。

 

産業用ガス専門企業太陽日本酸素は、北九州にある物流拠点を熊本県に拡張移転することにした。用地面積は現在工場比で2倍ほど広い7500㎡の水準だ。化学品専門企業NRSは、来年の夏の稼働を目指し熊本県に新規物流拠点を作ることにした。半導体生産に必要な特殊ガスや水、設備保守管理などをTSMCに提供するジャパン・マテリアルは、来る11月、熊本に工場とガス倉庫建物などを構築する。

国内半導体業界は、日本と台湾の連帯が、韓国産業に協力な脅威になると見ている。TSMCはすでに今年7~9月基準で、27兆ウォンに達する売上を記録し、サムスン電子を超えた実績になると推定される。ここに、日本が持つ素材・装備関連の技術力が加われば、ファウンドリー業界での影響力はさらに大きくなると思われる。半導体業界の関係者は、「我が国の場合、前政権で日本との関係が急激に凍りつき、産業的協力は図れそうにない状況だ」とし「この隙に、台湾が日本と手を組んで連合を構築し、大きな存在感を見せている」 と言った。また、業界では単純な生産施設の協力ではなく、日本の半導体人材育成戦略が本格的に始まったことを特に懸念している(毎日経済)・・>>

 

ちゃんと国だと書いたのはいいですが、『中国との関係を気にして、動きが取れずにいる』という韓国の現状が大きな要因である点も、もっと取り上げてほしかったところであります(こうして自分で書いていますが)。日台より、もっと大きな流れを見逃しているというか、『状況の一部』としての『読み』が出来ないでいる、というか。そんなところです。

 

 

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