韓国の上場大企業、売り上げ基準で上位100社のうち、18社が「営業利益で債務の利子が払えない」状態

関連したエントリーでも同じ文章を書いた記憶がありますが、韓国メディアが別記無しで「ゾンビ企業」と書くと、それは3年連続で利子補償倍率が1未満の企業を意味します。3年連続で、営業利益で、借り入れた金額の利子が払えなかったという意味です。会社によって違うし、資産を十分に持っていて、企業の将来のための投資かなにかが長引いて、などなどの会社もあるかもしれません。電力公社(結構前からこうです)のように、立場的にどうしようもない企業も含まれています。でも、とはいえ、一般的には、苦しい立場の企業を言います。

ただ、今回のソース記事もそうですが、最近は『3年連続』でもないのにゾンビ企業だと書く記事も増えてきました。企画財政部が提供する経済関連用語にも、3年連続という内容は無いので、別に間違った表記ではありません。でも、慣行的に書いてきたものとはいえちょっと区別してくれるといいのに、とは思います。ソース記事も、東亜日報はちゃんと年数まで書いてありますが、ほかはそうではありません(3年間を調べたのかどうかが曖昧)。さて、本題ですが・・これと関連したデータが、2日、新しく発表されたので、紹介したいと思います。

 

さて、もし3年連続なら、日本だと上場に問題をきたすような重要な案件ですが・・売り上げ基準で100大企業とされる韓国の大企業(上場企業に限る)のうち、18社がゾンビ企業であることがわかりました。個人的に、これはもっと大きく取り上げるべきニュースじゃないかな、と思っています。なぜなら、2016年には東亜日報など大手メディアが同じ趣旨の記事を出していましたし、当時は「11社」となっていました。それが6~7年後の記事で18社になったというわけですから。でも、ヘッドラインニュースというネットメディアでしかヒットしませんでした。中小企業が大変だという話は無数にヒットするのに、なぜこの件は記事にならないのか、ならなくなったのか、不思議です。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・全ての上場会社のうち、営業利益で利子費用が負担できない「ゾンビ企業」が32%に達することが分かった。ザイバツ・ドットコム(※大企業専門の情報・分析サイト)は2187社の上場会社の報告書をもとに財務諸表基準で営業実績と財務現況を分析した結果、全調査対象企業の32%である693社の利子補償倍率(ICR)が1.0倍未満だったと、2日明らかにした。利子補償倍率とは、営業利益を利子費用で割った値で、この倍率が1.0未満であれば、営業活動で手に入れた営業利益で利子がはらえないという意味になる。この数値は低いほど、債務のリスクは大きい・・

・・調査結果、利子補償倍率が​​1.0未満の上場会社数は、前年同期の654社より39社増加した。米国発の金利引き上げ、世界経済の低迷などが影響したと思われ、今年9~12月以降(※このデータには含まれていません)は『ゾンビ企業』の数が急増すると予想される。上位100大企業の中でも、韓電、LGディスプレイ、ロッテケミカル、ロッテショッピング、現代重工業など18社の利子補償倍率が1.0未満だった(ヘッドラインニュース)・・>>

 

引用部分にはありませんが、売り上げ基準での100大企業となります。ちなみに、別ソースですが、ゾンビ上場企業の数は、香港>韓国>米国>中国>日本の順だそうです。さて、それでは、ここから2016年3月4日の東亜日報の記事を引用してみます。ヘッドラインニュースの最新データとくらべてみると、いろいろどんな状況なのかが分かります。特に、『今』の問題・・例えば基準金利の引き上げとか、それ『だけ』の問題ではないという側面が、見えてきます。

<<・・売上順位で100位までの上場企業の23%(※最新情報で32%)が、2015年の1~9の営業利益で利子も返済できなかったことが分かった。このうち11社は、2012年から2015年9月まで約4年間、営業利益で利子を返済できなかった。いわゆる「ゾンビ企業」であるわけだ。100大企業も安全地帯ではないことが示されたわけだ。(※2016年3月)3日、東亜日報が新韓金融投資と共同で、金融業種を除いた売上高上位500社(2014年基準)の上場会社を対象に、2012年から2015年9月(個別基準)までの営業利益と利子費用、負債額などを分析した結果によると、このうち111社が、昨年借入金利子より少ない営業利益を上げた。売上高上位100社を基準にすれば、23社これに該当した・・

 

・・(※先は11社として、なんで急に23社になったかというと、こちらは『上場企業以外も』調べたからです。独自調査だったのも理由でだと思われます。先のヘッドラインニュースの18社は、上場企業だけを調べたものです。売り上げ100大で上場していないというのも妙な話ですが、記事はこれらを『潜在的なゾンビ企業するなら23社ある』としています。※~※の部分は引用ではなく私の私見です※)・・

・・これら企業は借入金などで支えられているわけだが(※または政府支援金)、問題はグローバル景気低迷などの理由で低成長基調がいつまで続くか予測できないという点だ。イミョンギ金融研究院先任研究委員は、「いままでのように、債務調整、負債返済、新規資金出資転換などを経て、景気が回復すればまたその好景気サイクルに乗って実績が良くなり、成長するような方式は、もうこれからは通用しなくなった」とし「産業別、企業別に、選択と集中を通じた調整で競争力を育てなければならないだろう」と強調した(東亜日報)・・>>

 

 

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