韓国、家計・企業ともに債務が急増、GDP比221%・・家計債務の場合、『元利金が返せない』人は120万人と集計

なんか、現状をまとめているような記事があったので、紹介したいと思います。家計債務がGDP比で100%を超えているのは韓国だけですが(約102%、国際金融協会IIF基準)、企業の債務も急増しており、両方を合わせるとGDPの221%になるという内容です。また、『弱い環』ですでに問題が起きているはずなのに、まだ表面化されていないのは、新型コロナ対策として政府が実施してきた『満期延長・返済保留』を利用している人(零細企業、小商工人)が多いからであり、その金額141兆ウォンは延滞率などの統計に含まれないからだ、とも。ちなみに、こういうデータでいう『企業』には、金融機関は含まれません。

日本の場合、ハードカレンシーを持っていて、企業の内部留保が500兆円を超えていて、世界1とされる海外資産などの点で大きく違うとは思いますが、ざっと検索してヒットした日経新聞の記事によると、「今年1~3月期資金循環統計上、3月末時点で民間企業の借入残高は469兆円」だそうです。日本のGDPが550兆円ぐらいで、家計債務はGDPの67~69%だとされています。じゃ、単純計算で150~160%になるのでしょうか(※この部分、個人的に単純計算しただけの数値です)。本エントリーでは、ネットメディア イーデイリーから企業債務関連、聯合ニュースから家計債務関連の情報を紹介します。簡単に言うと、「すでに問題が起きているはずだが、それが『見えなく』なっている」、そして「『税金を払えば、元利金が返済できない人』が120万人(3月の調査で90万人)」ということになっています。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・国内の各銀行(※以下、すべて普通の銀行、すなわち第1金融圏のことです)が、延滞率がまだ低いにも関わらず、「見えない問題」への懸念が隠せないでいる。ローンの満期延長や利息の返済を猶予する措置などで、問題の規模を事前に予測して備えることが難しくなったためだ(※自営業者や中小企業を対象にしたもので、新型コロナ対策とてい政府が行ってきた措置のことです。本当は9月で終わる予定でしたが、急に延長となりました。利子の返済猶予は1年、満期延長は3年まで出来るようにした、とのことです。ただ、9月の時点にも、『財政状態からして、延長しても意味がないケースが多い』という指摘はあったと記憶しています)。

今年、来年の銀行の最優先課題は、健全性管理になるという見通しだ。8日、金融監督院によると、国内銀行の延滞率は8月末基準で0.24%だった・・・・現状を考えると、延滞率は安定して管理されているわけだ。しかし、銀行関係者たちは、笑うことはできない状況だと言う。ローン満期延長と利息返済の猶予措置による、『錯視効果』である可能性があるからだ。実際、金融委員会によると、満期延長及び償還猶予を利用している借主は現在57万人で、貸出規模はなんと141兆ウォンに達する。

 

このような状況で、ローンの規模は、限度まで増えた。第2四半期末の名目国内総生産(GDP)対比で、資金循環統計上の家計と企業の債務​​合計は221.2%で、史上最大を記録した。これは、国民が国の経済規模をはるかに上回るレベルの債務を保有していることを意味する。ある銀行の与信業務担当者は、「小商工人と中小企業の場合、すでに問題が発生しているはずの状況だが、元利金の返済猶予措置などで、その規模もきちんと把握することすら難しくなっている」とし「延滞率が低いから安心できる状況ではない」と言った。また、他の銀行の与信業務担当者も、「限界企業(※営業利益で利子が払えない企業のこと)の場合、事前に管理を行うこともできるが、そうでない企業で突然問題が明らかになると、そのほうが影響が大きい」、「来年、基準金利引き上げなどで、ローン利子も上がり、問題は大きくなるだろう」と話した(イーデイリー)・・>>

 

次に、家計債務、主にDSR(Debt service ratio、その人の年収において、ローンなどの元利金の割合)関連です。聯合ニュースによると、これが90%を超えると、義務的に支払うべきお金(税金など)を納付すると、元利金が返済できないという意味になる、とのことでして。1600万人を調べたデータによると、このDSR90%以上の人が、120万人になるとのことです。3月にも同じことを調べましたが、そのときは90万人だったとのことでして。ちなみに、今回の調査は金利が7%台になった場合のもので、すでに年末8%、記事によっては9~10%の話も出ているので、実際はもっと増えるのではないか、と思われます。さらに、『最小限の生計費』まで考えると190万人に増えるとのことで、ぎりぎりのラインの人も多いようです。

<<・・最近、金利の急騰で家計ローンの平均金利が7%台に入り、所得から税金を払うと元利金が返済できない人が120万人に達するという分析が出た。9日、金融監督院の資料によると、1646万人のデータにおいて、家計ローンの平均金利が7%水準になれば、総債務元利金償還率(DSR)90%超は120万人になる。これは、3月末に平均金利(3.96%)から3%ポイント金利が上昇した場合を仮定して分析した結果だ。この分析によると、3月末の時点では90万人だったDSR90%超が120万人になり、30万人も増える・・

 

・・DSRが90%を超えると、所得から所得税や健康保険料など税金だけ使うとしても、元利金を返済しないという意味になる。彼らの債務もまた、3月末では253兆9千億ウォンだったが、ローンの平均金利が7%まで上がると、335兆7千億ウォンとなり、で81兆8千億ウォンも急増すると分析された。税金とともに、最低限の生計費まで考えた場合、元利金が返済できない人は190万人に達すると推定された(聯合ニュース)・・>>

なんか、昼食が食べられないとか、インスタントラーメンでなんとか暮らすとか、そんな話が大手メディアの記事にも載るようになりましたが・・こうしてデータで見ると、たしかにそれはそうなりますね。単純比較は難しいと思いますが、韓国の経済活動人口は2800万人前後だとされています。これ、本当に9~10%までいくと、経済活動人口の1割を超える数字がDSR90%以上になるのではないでしょうか。 あと、いつもの申し訳ない告知ですが・・明日は(も)更新を休むことになりました。次の更新は、11日の11時前後になります。

 

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年9月2日)からですが、<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>です。文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察しました。政権交代、保守政権などの言葉が、結局は仮面が変わっただけだということ、率直に書きました。 新刊<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」。これが、本書の全て、帰化の手続きを進めている私の全てです。 刊として、日本滞在4年目の記録、<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >と、新しく出現した対日観について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。 ・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。 ・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。