岸田総理が、中国や韓国との首脳会談について、『開催の方向で調整を進めている』と明らかにしました(産経新聞)。米中首脳会談、日米韓首脳会談が予定されているため、それに合わせる形になるのでしょうか。でも、やはり気になるのは、例の基金案のことです。先月あたりから、例の基金案など解決策関連で、「本格的な協議が始まった」、「11月中に岸田総理と尹大統領が話し合い、早ければ今年中に合意する」などの報道がありました。
年内の合意はともかくして、本当に本格的な協議があるなら、途中経過などについて首脳が話し合うのは『あり』かもしれません。そこで、昨日からカンボジアのプノンペンで始まったASEAN(日中韓も参加します)首脳会議と、15日からインドネシアのバリ島で予定されているG20首脳会議のいずれかで、岸田総理と尹大統領の『何かの会談』が用意されるのではないか、そんな予想が出ていたわけです。ちなみに、18日からはタイのバンコクでAPEC首脳会議もありますが、私の記憶だと、関連記事で出ていたのはASEANとG20のほうでした。
もし「本格的に協議」報道が部分的に当たっているなら、今回の会談で関連した議題があるはずですが・・どうでしょうか。韓国側の記事だと、日米韓首脳会談はほぼ決まったようなニュアンスで、米韓首脳会談は調整中(大統領室発表原文では『協議中』)となっています。まだ確定でないニュアンスなのは気になるところですが、多分、何かの形で会同するのではないでしょうか。日韓首脳会談については、聯合ニュースの報道だと『日米韓首脳会談を前後してのタイミングで調整中』だそうですが、それ以上の情報はいまのところありません。
多国間協議での首脳会談は『今まで話したことを確認するための場』であり(首脳会議の時間も比較的短い)、懸念事項について新しい展開などは議題にならないのではないか、という予想も出ていますが、さて、どうでしょうか。他に気になるのは、中国習近平首席との首脳会談について、韓国日報など一部のメディアが「略式ならできるかもしれない」なニュアンスの記事を出している点です。正式ではないにせよ、会うのではないか、とする内容もあります。
<<・・今回の外交舞台をきっかけに米国、日本、中国の首脳と多者及び両者会談が進行されるものと見られる。大統領室の関係者は「米韓首脳会談と日米韓首脳会談に関連して現在協議中」と説明した。韓米日首脳会談が成就すれば、尹大統領就任後6月、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を契機に行われた日米韓首脳会談以後、2回目の会談となる。ユン大統領と習主席との最初の出会いも関心事だ。大統領室関係者は「習近平主席が参加する予定で、ユン大統領と自然に会議場で会う機会があるのではないかと思う」と話した。ただ、会同の形式と関連しては「正式首脳会談になるのか略式会談になるのか、遭遇する形式になるのか、現在では確定したことがない」と付け加えた。ユン大統領はカンボジア、タイ、フィリピン首脳との首脳会談は確定した状態だ(韓国日報)・・>>
今回のASEAN・G20参加は、いままでとはちょっと違う点で話題になっています。大統領室が、MBC取材陣の専用機搭乗を許可しなかったからです。この前、尹大統領がバイデン大統領に「ダブルエックス」と話したと報道したMBCでした。例の報道で、国の安保に問題を起こしたというのが、その理由です。JTBCの報道によると、<<・・尹大統領が搭乗した専用機に、結局、MBC記者は乗ることができませんでした。議論が続いているにもかかわらず、大統領室が専用機搭乗不可方針を固守したためです。【大統領(勤道中に、10日):大統領が税金を使って海外に訪れるというのは、重要な国益がかかっているからです。だから記者の皆様にも外交・安保問題に関して取材の便宜を提供してきたものであり、そのような次元で受け入れていただければと思います】(JTBC)・・>>、とのことでして。
この件、他のメディアは強く反発しており、ハンギョレや京郷新聞などは自ら搭乗しないことにしました。尹大統領に同調する意見の中にも、『このようなやり方をすれば、MBCを支持する世論が増えるだけではないのか』という声も出ています。
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