防衛相・幕僚長のレーダー照射発言、地上波放送など大手メディアが報道・・主に『レーダー照射は無かったのに』とする内容

最近、北朝鮮問題などで日米韓安保協力についても話が盛り上がっています。今回相次いだ岸田総理、バイデン大統領、尹大統領が相次いで首脳会談を開催したのも、メインはこのテーマでした。ただ、その後、15日、酒井良海上幕僚長は記者会見で、海自哨戒機へのレーダー照射問題に言及し、「ボールは相手側にある」「今後、韓国側から整理された回答があると認識している」と話しました。また、防衛省ホームページによると、浜田靖一防衛大臣も、同日、同じ趣旨を話しました。評価したい部分はちゃんとそう考えているけど、レーダー照射においては、明らかに相手側が何かの対応を取るべき案件である、というのです。

「国際観艦式参加など、関係改善に向けた動きも見られるが、防衛当局間ではレーダー照射などの懸案が依然として残っている。この件にどう取り組んでいくのか」という質問に、大臣は「防衛省・自衛隊としては、今回の国際観艦式参加については大変評価をしたいと考えている」、「北朝鮮への対応を始め、インド太平洋地域の平和と安定のため、緊密に意思疎通を図っていく考え」としながらも、レーダー照射についてはこう語りました。以下、各紙及び各資料、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・北朝鮮の核・ミサイルをめぐる状況を含め、日韓両国を取り巻く安全保障環境が厳しさと複雑さを増す中で、日韓、日米韓の連携は益々重要となっており、今般の日韓首脳会談においても、地域の抑止力強化等について、引き続き日韓、日米韓で緊密に連携していくことを確認をしております。他方、現在、日韓防衛当局間には火器管制レーダー照射事案を始めとする様々な課題があり、両国の防衛協力・交流に影響を及ぼしておりますが、防衛省・自衛隊としては、こうした課題について、日韓・日米韓の連携が損なわれることのないよう、引き続き韓国側の適切な対応を強く求めていくこととしております(防衛省HP)・・>>

さて、この件で、地上波放送など大手メディアからネットメディアまで、ほぼすべてのメディアが記事を出しましたが、その主な内容は『観艦式に参加したのに、なぜこんなことを』というもので、中には『レーダー照射は最初から無かった』との主張も目立ちました。ソース記事となるMBCの場合、後頭部をやられたとまで書いています(題の部分で、引用部分にはありません)。また、聯合ニュースの場合、幕僚長の発言の中に、『(関連した)返信が来るまで、両軍が交流することはないだろう』と話した部分を強調しています。

 

<<・・安保協力という名分で管艦式に参加しました。両国の海軍責任者が互いに協力し合うとし、会談もしました。ところが、それから数日後、日本政府と自衛隊が4年前の哨戒機論議について、問題解決を求めてきました。【浜田防衛相/15日「レーダー照準事案など様々な問題があり、両国防衛協力に影響を与えていますが・・適切な対応を強く求めようと思います」】。ここに、海軍参謀総長格である海上幕僚長までこの件を取り上げました。【酒井良海上幕僚長「ボールは韓国側にあり、今後、この問題に対して整理された答えを出すだろうと思います」】。

こちらが解答を出さなければ、海上自衛隊との交流はないだろうとまで話しました。2018年の哨戒機議論の始発点は、哨戒機の低高度飛行でした。哨戒機が海水面150メートル低空飛行を行い、広開土大王艦500メートル距離まで接近したのです。しかし、何の説明も無く、レーダー照射があったという主張だけを繰り返しています。当時のレーダー照射はまったくなかったというのが、これまで一貫した我が国防部の立場です。この件でもまた「先に解決策を」と宿題を出されたわけですが、政府の対応が注目されています(MBC)・・>>

 

<<・・日本の防衛相と海上自衛隊の首長が、15日、両国国防分野の主要懸案である2018年哨戒機問題の解決に尹政権が乗り出すよう、相次いで求めた。共同通信によると、浜田靖一防衛相はこの日の記者会見で、哨戒機問題に対して「両国防衛協力・交流に影響を及ぼしている」としながら、対応を促した。ただし、浜田防衛相は韓国海軍が7年ぶりに日本管艦式に参加したことと関連して「とても肯定的に評価する」とし「北朝鮮への対応とインド・太平洋地域の平和と安定のために緊密に意思疎通する」とも言った。

海上自衛隊の首長である酒井良海上幕僚長も、国際観艦式に続いて開かれた西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)をきっかけに、米韓の海軍機ハイレベル関係者と三者会談をしたとし、「(哨戒機問題の)ボールは韓国側にあり、整理された答えがあると認識している」と明らかにした。彼は返信が来るまで両国海軍が交流を推進する環境ではない」と強調した(※題もこの文章になっています)。海上自衛隊は、7日にあった酒井幕僚長とイジョンホ海軍参謀総長との会談では、本件は議題にならなかったと伝えた(聯合ニュース)・・>>

 

観艦式参加などは、あくまで『立ち位置』というか、国際情勢的に、参加しないという選択は最初から無かったのではないか・・そんな気がしますが。何か、すごい『貸し』でもできたような、そんな感覚になっているとうです。そういえば、GSOMIA正常化とか、そんな話があったときもそうでしたが。それでも、いまは尹政権が(前政権に比べると、ですが)安保関連で動きを示していますが・・こんな状況下で、次にまた政権が変わったりすると、いま話題になっている日米韓安保協力はどうなるのでしょうか。

 

 

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