韓国中央銀行、また基準金利引き上げ・・ただし、すでに利上げによる数々の問題が発生しており、先月の予想よりは控え目の0.25%p

ジャイアントキリングの後はジャイアントステップ(0.75%p)か・・ってそんなはずはなく、0.25%p引き上げとなりました。韓国の中央銀行の基準金利引き上げのことです。先月に0.5%pの利上げを行ったときには、(直接的には言ってませんが)次の利上げも同じ水準になるというニュアンスが強く、多くのメディアが『年内にまた0.5%p上がる』と予想していましたが、今月に入ってからは中央銀行(金融通貨委員会)の委員たちから多少弱目の発言が出てくるようになり、1~2週間前からは0.25%p予想が主流になっていました。

考えてみれば、他に選択が無かったのでしょう。本ブログのエントリータイトルだけでもすごいことになっていますが、先月の利上げから多くの問題が指摘されるようになり、ついには金融当局が銀行に金利を上げないでほしいと要請する事態に。4月、5月、7月、8月、10月、11月の6回連続利上げ。聯合ニュースによると、これは史上初のできごとです。しかし、そこまでやっても、まだ米国との金利差はまだ0.75%p差となります。Fedからも基準金利引き上げのスピードを調整するという話が出ていますが、安心できない状態です。中央銀行の悩みは、しばらく続きそうです。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<(※物価関連)・・金通委がこの日再び基準金利を上げたのは、何より1997年依頼最大水準のインフレ圧力が減らないでいるからだ。10月の消費者物価指数は、昨年同月比で5.7%上がった。上昇率は、7月6.3%以降、8月5.7%)、9月5.6%と下がったが、3カ月ぶりに再び高くなった。今後1年の物価上昇率見通しに該当する「期待インフレ率(一般)」は、11月4.2%で10月4.3%より低くはなったが、7月歴代最高記録4.7%以後、5ヶ月連続で4%台を維持している。金利引き上げなどで物価上昇に対する期待心理を抑えなければ、経済主体が物価高に合わせて商品やサービス価格、賃金などを引き上げ、さらなる物価上昇要因となる・・>>

<<(※米国との金利差について)・・2日(現地時間)米国連邦準備制度(Fed)は、異例の4連続ジャイアントステップ(基準金利0.75%ポイント引き上げ)を行い、最大1.00%pまで広がった韓国(3.00%)と米国(3.75~4.00%)の基準金利差も、今回の引き上げの主な背景になった。ドルのような基軸通貨(国際決済・金融取引の基本貨幣)ではないウォンの立場として、基準金利が米国より大幅に低くなると、外国人投資資金が離れ、通貨価値が下がるリスクが大きくなる。今日の金通委の0.25%p引き上げで米国との差は0.75%pになった。しかし、来月13~14日(現地時間)Fedが0.5%p引き上げを行うと、また1.25%pに拡大すると予想される。ハ・ジュンギョン漢陽大学経済学部教授は、「物価だけ見ても、韓銀の基準金利引き上げは必要だ」、「さらに、Fedが12月にまた基準金利を上げれば、金利差がさらに広がる懸念まである」と説明した・・>>

 

<<(※でも0.5%pは難しい、という部分)・・最近、1,300ウォン台まで下がった(※『通貨高になった』)ウォン/ドル為替レート、まだまだ問題が多い債券市場など、資金・信用関連リスク、米国の金利引き上げ速度調節の可能性、ますます明確になってきた景気低迷が、連続で0.5%p引き上げの名分を大きく弱らせた。この日、金通委会議に先立ち、ジュウォン現代経済研究院経済研究室長は0.25%ポイント引き上げを予想し、「最近の為替レートは安定化段階にある。ドル為替レートは1,050~1,250ウォンの範囲で動いてきた。1,400ウォン台の為替レートは、大きな危機状態でもないかぎり説明が難しい。したがって、徐々に適正為替レート水準の1,250ウォン以下に下がるだろう」と説明した(聯合ニュース)・・>>

引用最後の部分、1400ウォンに戻る、1500まで行く、という予想もありますが、最近は1200ウォン台になるという予想も見られるようになりました。いろいろ載っていますが、やはり気になるのは米国との金利差、いわば外貨の動きでしょう。4月、5月、7月、8月、10月、11月の6回連続利上げ。引用部分にはありませんが同紙によると、これは史上初のできごとです。しかし、そこまでやっても、まだ米国との金利差は、今回の利上げまで含めても0.75%p差。

 

まだ基準金利がそこまで大きな話題にはならなかった4月、韓国金融ICT融合学会長オジョングン氏はペンアンドマイクへの寄稿文で、「金利を引き上げなければならない重要な変数は、外国人投資資金の離脱だ」としながら、為替レートに寄る差損を懸念した外国人投資家の離脱こそがもっとも警戒すべきことだと主張しています。当時の為替レートは、ドル1230ウォンぐらいでした。

ちなみに、同記事でオ会長は(当時、同じく通貨安が話題になっていた円のことで)「日本銀行は、米国連邦の金利引き上げにもかかわらず、金利を上げていない。これは、日本は資本流出を懸念していないという意味だ。日本円はグローバル決済比重で3%、大きな水準ではないが、ハードカレンシーであるうえ、日本銀行は米国連邦と常時無制限の通貨スワップを締結しており、資本流出に対する懸念がない。ただ、景気と物価だけで金利政策を運用することができる。この点が、韓国と違う。日本は2月の消費者物価上昇率は前年同期比0.9%、1月の失業率は2.8%水準だ。日本銀行の黒田総裁も、円安が日本経済に肯定的な効果をもたらすと期待している、と発言したことがある」と話しています。

 

 

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