韓国、少子化問題がさらに進む・・7~9月出生率0.79、ソウルは0.59・・一部メディアは『そもそも、今の青年たちは結婚できる状況ではない』と指摘

結構前から合計出生率関連情報を取り上げていますが・・本当に『急すぎる』という言葉しか出ないほど、出生率が低下しています。7~9月のデータが発表されましたが、0.79人でした。去年同期比で0.03人減少した数値です。1年間でもっとも出生率が高いとされる1~3月に0.86人、4~6月で0.75人でした。これで、今年「0.8」ラインを下回ることがほぼ確定しました。去年の合計出生率は0.81で、なんとか0.8ラインは守るとかそういう話もありましたが。ソウルの場合は特に低く、7~9月基準で0.59人。少し前に0.6台(0.64)になって話題だったと記憶しています。ちなみに、日本は2021年1.3、東京の場合は2020年基準で1.12です。

いままで本ブログで取り上げてきた青年層の問題・・経済的な理由はもちろんのこと、理想と現実のギャップなど様々な要因が重なった結果ではないでしょうか。ソース記事であるヘラルド経済によると、すでに去年の時点で30代男性の未婚率は50%を超えている、とのことでして。記事は、30代会社員の「ちゃんとした家も車もない私を、結婚相手として見てくれる人がいるのか心配だ。一人暮らしの生活の満足感も重要だ。結婚は必須ではなく選択の時代だし、他の選択肢も多く、混乱することもある」と話しています。

 

去年7月、ソウル大学保健大学院教授(人口学)ジョヨンテ教授の「『素晴らしいお父さん』を目指し過ぎで、出生率が下がっている側面もある」という見解を紹介したことがあります。教授はCBSラジオの番組で、「青年たちは、自分自身が完璧な親でなければならないと思っています。結婚してから、自分が子に与えるものに対し、期待値があまりにも高いわけです。だから、自分自身が、自分自身で納得できる素晴らしい親の姿になれるまで待ちます・・

・・そう待っているその時点で、すでに結婚できる可能性も、子を持つ可能性も低くなります。自力でそんな素晴らしい親になれる人って、実はそういないからです。結局は、それもまたその人の親が助けてくれないと、できません。親が私に相応の分を与えてくれないと、自分が望む親の姿になれないわけですから、困ったものですね」、と話しました。先の会社員さんの話も、どことなく似ている気がします。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・今年の合計出生率が、史上初、年間0.7人台になる可能性が高くなってきた。合計出生率は、4~6月期0.75人で歴代最低値を記録した後、7~9月期0.79人となり、10~12月期も0.7人台が予想されている。結婚は必須ではない、経済的な負担などの認識が広がっており、30代男性の半分以上が未婚なので、今後も出生率の回復は容易ではない。ここに文在寅政権から住宅価格が高くなり、就職も難しくなり、結婚を遅らせたり、できない人口が増えている。

25日、政府と業界によると、第2四半期以降の合計出産率年第3四半期連続0.7人台の可能性が高まり、2022年は史上初めて、年間で0.7人台を記録する見通しだ。すでに世界でもっとも低いとされる合計出生率は、昨年0.81人から今年0.7人台に下がり、新しい記録を立てる見通しだ・・・・統計庁によると、今年4~6月期の生児の数は5万9961人、合計出生率0.75人だった。7~9月期の出生児数は6万4085人で、前年同期比2466人(-3.7%)減少した。 合計出生率は0.79人で、結局、0.8人を超ることはなかった。今年は史上初めて0.7人台を記録する見通しだ・・

 

・・昨年、我が国の30代男性の未婚者の割合が史上初めて50%を超えた。女性30代の未婚率はやや低いが、3人の1人は未婚者だった。30代男性未婚者は2021年基準で173万人で、女性未婚者107万人より多い。30代の男性未婚者は、30代女性未婚者より多く、人口構造上の問題という声もある。30代男性未婚者は2021年基準で173万人で、女性未婚者107万人より多い。統計庁は男女比率を女100人当たり男103人~107人レベルを普通の範囲と見るが、1990年には116.5人だった(ヘラルド経済)・・>>

この問題、多分そう簡単には改善できないでしょう。2021年10月、20代関連記事ですが・・2021年8月までのデータで、20代で債務を履行できなかった人が8万3千人も発生しました。その金額が1兆2千億ウォン。このペースだと、2021年には12万人の20代債務不履行者が発生することになる、とも。経済活動人口のうち、20代は406万人(2018年3月発表基準)になりますので、経済活動人口の約3%になります。なにせ、2年前と比べ、借金が35%増加したとのことでして。

 

これに対してジョ・ドングン ミョンジ大名誉教授は、この問題の本質は青年失業、良質の仕事に就くことができないでいることだと指摘しました。教授はペンアンドマイクとの電話インタビューで、「所得が足りないからそうなるしかない」とし「お金を借りて、所得がないからこうなる。誰もが予想していたことではないか」、「20代が就職できないなら、一生の問題になる。 30〜40代の失業はまだ挽回できる」と話しています。

また、韓国の20代の38.9%は、親に生活費を依存しているというデータもあります。先、親の助けがないと『理想の親』になれないという教授の見解も紹介しましたが・・親の助けがあるからって、誰もがそうなれるわけでもありません。「2020人口住宅総調査標本集計結果」基準ですが、「本人または配偶者の勤労所得、金融資産、公的年金、個人年金、不動産など実物資産などを介しての生活費の充当する」を「自分で生活費を負担できる」とした場合、それができずに誰かの助け、多くは親の助けで生活する、韓国で言う「カンガルー」さんたちのことです。ニュースウォッチというネットメディアの記事ですが、カンガルーは成人全体で見ると7.5%(313万9000人)で、20代では38.9%、30代では7.0%、40代では2.2%。50代以上ではほとんどいません。

 

最近、休む日が多くなって恐縮ですが・・今日も、これだけで失礼します。次の更新は、明日のいつもの時間(11時前後)になります。少し前の話ですが、バスツアーの日で更新を休みましたが、例の帰化関連で休むと思われて、「頑張ってください」というコメントを頂いたことがあります。あの日から数日間、申し訳のない気持ちでいっぱいでした。今日もそうですが、単に休むだけです。申し訳ございません。余談ですが、最近、日本のいろんなところが見てみたくなり、自分でプランを立てるより、各会社のバスツアー(日帰り)に参加することにしています。

前にも書いたことがありますが、韓国にいた頃には、『出かけるときは楽しかったけど、楽しいまま帰ってこれた記憶がない』が普通でした。でも、日本でのツアーは、雨が降っても雪が降っても、楽しく出かけて、楽しく帰ってきています。ある場所を中心に回る形になるので(ツアーが出発する場所はほぼ同じ)、もしやと思って写真とかは載せないでいますが、旧ブログから続いた『日本旅行記』は、パワーアップし、今も私の最大の楽しみになっています。もちろん、いつもレナも一緒です。

 

 

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