韓国産仮想通貨、また急落・・「ゲームで稼いだお金が本物のお金になる」システム

一時はオンラインゲームなどでヒットしていた韓国のゲーム産業。最近も元気なところは元気だそうですが、一時に比べると、その勢いはずいぶんと弱くなりました。そもそも、戦略そのものが大きくハズレました。もうゲーム機や日本のゲームは売れなくなるとか言っていたものの、まだまだ世界中で売れているし、最近は日本製ゲームの数百万、一千万本以上のヒットが続いています。一部のメーカーが一歩遅れてゲーム機(コンソール)進出を試みましたが、さほど良い結果が出せたとは言えません。主力だったスマゲーでも、最近は中国メーカーの勢いに負けています。

そんな中、一部のメーカーが、P2E(Play to earn)システムに着目しました。ゲームの中で手に入るアイテムを、実際の仮想通貨(コイン)として使えるようにするというシステムで、韓国内ではまだ法律的に許可されていませんが、世界市場ではある程度知られているシステムだと聞きました。で、ゲームメーカー大手が相次いでこのP2Eに進出していますが・・その中でも、人気ゲームシリーズ「ミル」などで韓国P2Eゲームの先駆者とされたウィーメイド社のコイン「ウィーミックス」が、コイン取引所から上場廃止処分を受けました。関連株価は暴落し、国内投資家たちもいろいろ困っている、とも。実際に公示したものより多くのコインを発行していて、その説明もワケワカラン、などの理由です。

 

なんというか、このウィーミックスという仮想通貨を担保にして融資を受けたり、企業を買ったりした、とのですが・・朝鮮日報はこの件を報じながら、各メーカーのP2E進出そのものに影響をおよぼすだろうとしています。韓国産仮想通貨というと、どうしても「ルナ」関連事態を思い出さずにはいられません。この件は単にP2Eではなく、韓国の仮想通貨そのものに対する信用の問題になるのではないか・・そう思われます。以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・一時、時価総額4兆ウォンに達した仮想通貨「ウィーミックス」が、24日、アップビット・ビッサムなど国内主要(※コイン)取引所から上場廃止と決定され、仮想通貨業界が再び揺れている。上場廃止発表前に2100ウォン台で取引されていたウィミックスは、25日、500ウォン台に暴落した。昨年11月の2万8906ウォンに比べると、98%下落した数値だ。同日、発行会社であるゲーム会社ウィーメイドと系列会社の株価は、一斉に価格制限幅(30%)まで落ちた。

 

国内5大仮想通貨取引所の連合体であるDAXAは、24日、ウィーミックス上場廃止の理由として、流通量の不一致と誤った情報提供などを理由とした。今回の事態は、ウィーメイドが事前に明らかにしたウィーミックス流通量より30%ほど多い量を流通しているという事実が知られたのが発端だった。ウィーメイドは「担保融資用と企業買収および投資用途で預けておいたウィーミックスが流通量としてカウントされただけだ」と説明したが、上場廃止を防ぐことはできなかった。ウィーミックスを取引する書く取引所は、来月8日午後3時にウィーミックスを上場廃止する予定だ。

ウィーミックスは、国内中堅ゲーム会社ウィメイドが2020年に自社発行した仮想通貨だ。ウィーメイドはこれを自社モバイルロールプレイングゲーム「ミル4」に結合して、アイテム、キャラクターなどの売買に利用、他のゲームも合流させ、ウィーミックスをゲーム通貨のように使う連合体を構築してきた。ウィーミックス投資家のほとんどが国内取引所を利用しているだけに、国内投資家たちが受ける影響も避けられそうにない。国内投資家たちは、上場廃止の前までウィーミックスを売却したり、海外取引所に移転しなければならない。

 

特に、去る5月、世界時価総額10位圏だったが一気に紙切れになってしまったコイン、「テラ」「ルナ」事態と、先月世界3位仮想通貨取引所FTX破産保護申請に続き、上場会社ウィーメイドが発行したウィーミックスまで不透明な運営を理由に上場廃止となり、「仮想通貨経済」に対する根本的な疑問が提起されている。仮想通貨業界の関係者は、「一時、仮想通貨が金の代替品として浮上したこともあったが、信頼を回復するには相当な時間が必要だろう」と話した。

ウィーメイドは、発行したウィーミックスを売却して企業を買収したり、これを担保にして融資を受けて事業を拡大してきた。これを指揮してきたジャンヒョングク代表は、投資家たちの間で「韓国のマスク(テスラCEO)」とも呼ばれた。しかし今年に入ってウィーメイドの「P2E」戦略は、揺れ始めた。1月、ウィーメイドがウィーミックス2550億ウォン分を売却した事実が明らかになり、議論が起きた。ウィーメイドは自社が発行した仮想通貨を、何ら事前の告知もなしに売却しただけでなく、これを売上高に反映したりした(朝鮮日報)・・>>

 

同じ内容を報じている京郷新聞の記事に、ウィジョンヒョン中央大学経営学部教授の見解が載っています。教授は、これで韓国メーカーが夢見てきたP2Eゲームでの成長は難しくなるだろうとしながら、「そもそも、P2Eではなく、面白いゲームを作ることにもっと力を入れるべきではないだろうか」と話しています。仮想通貨はともかく、ゲームという側面からすると、明らかに正論でしょう。

 

 

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