韓国の「個人金融資産」、上位0.86%の人たちが総資産の58.5%を所有

本ブログも最近続けてエントリーしていますが、家計債務が1870兆ウォンで、しかも統計に入らないものもいろいろあって、金利は上げるしかなくて、もう笑うしかない・・というニュースが増えました。経済が苦しかったとき、政府が債務を負う形を取ったのが日本で、個人が債務を負う形を取ったのが韓国です。こうなることは、十分予想できていたはずですが。そこで、「じゃ、個人の金融資産はどれぐらいあるのか?」というデータをエントリーしてみます。

いつものことですが、そもそも基準が違うので単純に比較することは難しいと思われますが、今日は『個人の金融資産』についてのデータとなります。日米の場合は不動産などより金融資産のほうが大きいですが、韓国の場合、金融資産よりそれ以外(主に不動産)がもっと大きい、というのもあります。ただ、最近、家計債務などが大きな話題になっているので、個人の金融資産はどうなっているのか、紹介します。なんというか、日本でも金融資産関連で◯%の人たちが◯%の資産を持っている!という指摘をたまに目にしますが・・どれ、日韓の場合、どういう状況になっているのでしょうか。

 

まず、日本ですが、「個人の金融資産は前年比2.4%増の2005兆円で、年度末(※3月末)として初めて2000兆円を超えた。投資信託の残高の増加に加え、円安による外貨建て保険の評価額の上昇も追い風となった(読売新聞)」となっています。また、幻冬舎GOLD ONLINEの7月の記事によると、「世帯が保有する預貯金や株式といった金融資産から、負債を差し引いた額(純金融資産保有額)」の場合、野村総合研究所はその純金融資産保有額が1億円以上の人を「富裕層」にする、とのことです(実は富裕層という言葉に共通した基準は無い、とも)。

その富裕層は、日本の全世帯の2.3%、124万世帯。彼らの純金融資産保有額は97兆円で、全体の6.2%だそうです。もっと範囲を広げて「純金融資産保有額3000万円」まで含めると、全世帯の20%ぐらいで、彼らの保有額は約900兆円(約57.8%)。記事は、これでも「2割の人たちが、資産の6割を持っている」と問題視しています。見方にもよるでしょうけど、ま、そういう見方もできないことはないでしょう。

 

ここから韓国の個人金融資産データになりますが、こちらは記事に『純』という記述はありません。負債を引いていない、普通に個人の金融資産となります。で、個人金融資産は、4924兆ウォンです。家計債務が1870兆ウォンとされているから、これなら大丈夫じゃないのか、という見方をする人もいるかもしれませんが・・それが、ちょっと違います。なにせ、ニューシースの記事によると、金融資産10億ウォン以上を富者(ブジャ、大金持ち)とした場合、その大金持ちは42万4000人で、総人口で考えると0.82%しかありません。ですが、この0.82%の人たちが、金融資産の58.5%(2883兆ウォン)を所有しています。以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・4日、KB金融グループが発刊した「韓国富者(金持ち)報告書」によると、2021年、金融資産10億ウォン以上を保有した個人「韓国富者」は42万4000人と集計された。韓国総人口の0.82%に該当する。前年39万3000人対比では3万1000人(8.0%)増加した規模だ(※かなり急増した数値になりますが、金利が上がる流れの中、現金などの確保を優先した結果だという分析が出ています)。昨年、富者が保有する総金融資産は2883兆ウォンだった。家計総金融資産4924兆ウォンの58.5%を占める割合だ。

 

今回の報告書は富者を、金融資産10億ウォン以上100億ウォン未満を保有した個人資産家、金融資産100億ウォン以上300億ウォン未満を保有した個人高資産家、金融資産300億ウォン以上を保有した個人超高資産家に分類した。昨年、富者(※金融資産10億ウォン以上)のうち90.7%の38万5000人が資産家に該当した。7.3%の3万1000人は高資産家だった。超高資産家は8600人で、富者の2.0%、全体人口の0.02%だった。彼らが保有する金融資産の規模は、資産家が991兆ウォン、高資産価544兆ウォン、超高資産1348兆ウォンを記録した。それぞれ、家計総金融資産の20.1%、11.0%、27.4%を占める割合だ(ニューシース)・・>>

0.02%が27.4%持っている、ということにもなります。不動産とか入れずにこれですから・・本当に凄いものですね。リーマンだろうがマリオだろうが、なにがどうなってもこの人たちは大丈夫でしょう、多分。しかし、サブプライムローン事態をはじめ、すべての金融危機というのがそうですが、問題は『弱い環』のほうです。これだけ格差が広がっていて、言い換えれば『弱い環』の当たり判定が広くて、年金システムもまだまだ疑問視されている中、不動産価格が下落し続けると、そもそも、必要なときに売れなくなったら、そのときはどうするのでしょうか。

 

 

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