韓国、青年たちの『身分上昇』のための投資・・いわゆるビットゥー、その結果は貧困層の増加

今日は、ビットゥーについて紹介したいと思います。この言葉は、「ミートゥー」から来たもので、「借入金(ビッ)で投資(トゥザ)する」という意味です。「私もお金借りるぞ」でビットゥーという説もありますが。これも「ヨンクル」と同じ意味で、大手メディアがこれといった説明無しに記事に引用するなど有名な言葉です。でも、これといった決まりがあるわけではありませんが、主に不動産、マンション購入関連で「ヨンクル」、それ以外の株式やコイン(暗号通貨)などをビットゥーと書くようになった、そんな気がします。韓国経済の11月3日の記事ですが、ビットゥーについて、マンション以外の部分を引用してみます。以下、<<~>>が引用部分です。

<<・・国の未来を担っていかなければならない20代、30代、MZ世代(1980年代初頭から生まれたミレニアル世代と1990年代半ば~2000年代初めに生まれたZ世代)に代表される人たと。彼らが、債務に苦しんでいる。近年、不動産、株式市場などが急に盛り上がり、彼らは、資産を手に入れなければそのまま負け組だと、そう扱われた。彼らは若さという覇気とデジタル機器を通じて得た多様な情報などをもとに、ヨンクルやビットゥーを躊躇わなかった。今は、歴代最も債務が大きな青年層と言われるようになった。今は不動産も株価もコインも下落、金利上昇とともに、彼らは貧困層に転落している。

 

11月3日、韓国社会保障情報院によれば、基礎生活受給者(※日本の生活保護のような制度)に選定され、政府支援を受けている20~30代の若者が、最近5年の間に約2倍近く増加したことが分かった。具体的に見ると、今年7月基準で20~39歳の基礎生活受給者数は24万5711人だ。福祉施設などに入所した人員を除けば23万6744人の20~30代が基礎生活受給者支援を受けている。これは、5年前の2017年の16万2750人と比較すると51%増加した数値だ・・

・・景気萎縮とともに、雇用を探すのも難しくなり、金利上昇の中の負担は徐々に増え、青年層の貧困層脱出はますます難しくなっている。韓国銀行によると、今年4~6月期末基準の全体家計債務のうち、30代以下の割合は27.3%と集計された。当該比重は、2018年末の25.6%から2021年末の27.1%に上昇、今年も上昇傾向を持続している。20~30代の債務が増えたきっかけは、株式市場が活況だったためだ。証券活況期と呼ばれた昨年の証券市場は、連日最高値を更新した。昨年6月、コスピ指数は歴史上初めて3300ラインを突破した。当時だけでも新型コロナで主要国の通貨緩和政策及び財政政策で、市場に流動性があふれていたのだ。

 

指数が連日最高値を更新すると、株式情報を提供するテレビ番組が増え、『在野の投資名人』とされる人たちの成功談が相次いで紹介された。これに、大型企業が相次いで企業公開(IPO)に乗り出し、個人投資家の資金が大挙して証券市場に流れてきた。個人投資家の中でも特に情報取得に長けていた20代30代の投資熱気が熱かった。ミレ資産証券によると、昨年の公募株に対する20代・30代の1人当たりの申請金額は2億6700万ウォンだった。2020年の1億1400万ウォンに比べ、2倍以上増えたのだ。これは、所得水準も資金力も弱い20代30代が、融資などで資金を用意し、投資に乗り出したためだ。

このような、青年たちの、債務による投資は、金融投資協会統計からも垣間見ることができる。 2020年6月末基準で主要証券会社の20代・30代信用融資残高は1兆9000億ウォンだったが、わずか1年で、2021年6月には3兆6000億ウォン、2倍近く増えた。信用融資とは、証券会社が投資家に株式売買代金を貸す一種の貸出である(韓国経済)・・>>

 

担保はあったのか・・というと、あるわけないでしょう。それに、情報に長けていたというけど、それって、どうでしょうか。ネット情報を集めることには長けていたかもしれません。しかし、情報を判断する力には長けていなかった、といったところでしょう。記事には、太い字で企業マーケッター(マーケッティング専門家)の、こういう話が載っています。「20代、30代が債務を背負ってまで株式に投資した理由は、誰もがほぼ同じ理由だったと思います。身分上昇のためです」。ここで『身分』という言葉が当たり前のように来るあたり、問題の本質があるのかもしれません。

 

 

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