韓国の首都一極集中はどれぐらいのものか・・人口の首都圏集中、日本28%、韓国50.3%

ソウル集中、または首都圏集中は、私が子供だった頃からずっと問題視されてきました。ある程度は仕方ないにせよ、いくらなんでもこれは何とかしないとまずい、という論調のものでしたが・・それからこれといった変化があったわけではありません。ちなみに、日本の場合は首都圏と言えばかなり広い範囲で一都七県を含めますが、韓国の場合はソウル・京畿道・仁川だけです。日本の場合、ニュース番組でもないとまず首都圏という言葉を聞くこともそう無いですけど。

今日は、その首都圏集中、特にソウル集中関連の話です。ソース記事によりますと、人口の首都圏集中は日本が28%、韓国は50.3%。これは結局、合計出生率の低下につながるしかない、という話です。個人的にこの話になるといつも思い出すのが、2018年1月31日の「毎日経済」の記事です。記事は観光事業について『安い買い物だけでは限界があるし、外国人観光客の78%がソウルしか訪れない』と指摘しています。2017年データとなります。ちなみに、済州島に訪れる人が20%なので、98%はソウルか済州島かになります。

 

しかも、ソウルでやることはほとんどが「安い買い物」だそうで、韓国が自慢する『観光資源』はほとんど意味をなさない、というのが記事の趣旨です。日本で言えば京都のような都市である慶州(慶尚北道)などにもほとんどおずれる外国人観光客がいない、という意味ですから・・そういうのを広報したい韓国としても、さほど嬉しくないデータでありましょう。個人的に、このデータはとても率直なものだと思っています。韓国にいたとき、日本のように「(買い物以外に、普通に観光として)~に行ってみたい、~にも行ってみたい」と思うことがありませんでしたから。夜、海を見に行くことはよくありましたけど。

最近はバスツアー沼にハマっていますが、やはりもっと遠くで、レナとともにもっと多くのことが見たいと思っているところであります。こんな気持が、ありませんでした。それが更新休む理由なのか?と言われるかもしれませんが、幅広い意見交換があります・・というか、ちゃんと原稿書いています・・ということで、どういうことだろう、いずれ、いま進めていること、いろいろうまくいけば、もっと遠くへ、日帰りだけでなく2~3泊でも、日本の色んな場所が見てみたいところであります。

 

で、急に日本旅行記みたいな書き方になりましたが、その全ソウル集中の呼吸、別に「見るもの」に限られる話ではありません。働き口、社会インフラ、などなど、「ソウルとそれ以外」にしてもいいほど、大きな差があります。ちょうど関連記事があったので、いままで書いたこと無い内容だし、紹介したいと思います。ノーカットニュース(CBS)の記事ですが、これが合計出生率に与える影響も大きい、などの指摘とともに、各種データが載っています。以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・住宅・交通・環境などにおいて、過ぎた競争は社会的ストレスを増やすことになり、それは、やがて深刻な葛藤と分裂を招くことだってある。これらの問題は、結局、人口減少というもう一つの問題を生み出すことになる。我が国は、昨年末基準、全体人口のうち半分を超える50.3%(2605万人)が首都圏に集まっている。これは、同じく首都圏集中化をめぐって悩んでいるイギリス(12.5%)、フランス(18%)、日本(28%)に比べても圧倒的な数値だ。

 

このような人口集中現象は、各種指標を見ると当然の結果でもある。まずは働き口。釜山商工会議所が分析した昨年、全国1000大企業の分布を見ると、ソウルに過半数の529社があった。売上基準で見てみると、ソウルの比重は65.4%に達する。 京畿道182社(19.7%)、仁川40社(2.6%)を合わると、1000大企業のうち751社(87.7%)が首都圏に密集しているわけだ。また、共に民主党のキムヒジェ議員室が公開した「広域自治団体別上位1%勤労所得者現況」資料を見ると、2020年、勤労所得の年末精算結果基準、上位1%の勤労所得者は19万4953人で、その75%の14万5322人が首都圏に集中していた。青年たちが雇用を求めてソウルを含む首都圏に行くしかないのは、あまりにも明確だ(CBS)・・>>

11月25日に発表された7~9月期の合計出生率は、0.79人(去年同期比で0.03人減少)。1年間でもっとも出生率が高いとされる1~3月に0.86人、4~6月で0.75人。これで、年間で見ても、0.7台がほぼ確定したことになります。ソウルの場合は、7~9月期0.59人。少し前に0.6台(0.64)になって話題でしたが。同じ問題で悩んでいる日本は2021年1.3人、東京の場合は2020年基準で1.12でした。

 

集中するから競争が激しくなって問題になるというのはわかりますが、「それでもソウルがいい」というからそこに集まるわけでして。地方都市の社会インフラを充実させることが重要でしょうけど・・口でいうほど簡単ではないでしょう。最後に余談ですが、東京都が面積2,194 km²で人口1396万人、ソウル特別市が面積605.02㎢で人口は945万人です。さすがに、ソウルから京畿道のほうへ『にげる』人が増えて、2016年あたりから1000万人を下回った、とのことです。1988年ソウルオリンピックのためのインフラ整備の流れで、人口1000万人を突破し、それから2016年までは1000万人台でした(未確認ですが、1100万人を超えたことはないと言われています)。

 

 

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