韓国、古紙価格が急落・・「時給95円」の古紙拾い高齢者たちの生計に大きな影響

最近、不動産投資や金利引き上げ関連のニュースが多くなりました。主に青年関連のニュースが多いですが、国民日報、など少数のメディアは、高齢層も例外ではないと指摘しています。旧ブログの頃からずっと取り上げてきた、古紙拾いの高齢層たち。彼らの生計に直接関わっている古紙の価格が、急落しているためです。数ヶ月前にkgあたり120ウォンぐらいだったものが、いまは50ウォンまで下がった、とのことでして。まだ100ウォン以上だった頃、10時間以上も拾って、時給900~950ウォンだったそうです。いまはその半分になっているだろう、とも。以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・リアカーを引いて路地で古紙を拾う高齢の方々を見るのはもう珍しいことではない。一日中拾って1万ウォンもらうのも大変だが、彼らが収集する紙箱、包装紙、新聞紙などは、輸出品だ。古物商と圧縮場を経て、国内外の製紙工場にリサイクル用に販売される。今春には月に5万tずつ海外に売れた。だから、古紙の価格は、世界の景気と貿易環境に大きな影響を受ける・・・・金利引き上げと景気低迷が来た。需要が減り、現在国内製紙工場などの古紙在庫は20万トンに迫る・・

 

・・各国も不況で古紙輸入量を減らし、先月輸出単価は、春の半分である100ドル線まで下がった。圧縮場での価格は1kg150ウォンから84ウォンに下がった(※ハンギョレなど他紙の報道では、実際に古紙拾いの人が手にするお金はkgあたり50~60ウォンだそうです)。高齢者たちが古物商に古紙を持っていって受け取るお金も、半分になった。韓国老人人材開発院の実態調査によると、古紙拾いの老人は約1万5000人と推算された。

1日平均11時間、約12キロを歩き回り、150キロを超える古紙を拾って、1万ウォン余りを稼ぐ、時給948ウォンの暮らしをしていた。古紙の価格が春の半分近くになったので、その時給もさらに下がったであろう。古紙回収が高齢者の『職業』である国は、いわゆる先進国の中では我が国だけだという。経済協力開発機構(OECD)1位の高齢貧困率が、このような風景を生んだ。前の政府があれだけばらまいたのに、彼らの暮らしはよくならなかった。弱い人たちのための福祉を語る今の政権では、果たして違うのか、見守りたい(国民日報)・・>>

 

ちょっと書き加えたいことは、これがいつの間に「1万5千人」になったのか、です。というか、いつからか、関連記事も減って、記事が出てもあまり話題にならなくなりました。前は地上波でも大きく取り上げたりしましたが。2017年5月11日、この件を大きく取り上げたクッキーニュースの記事を見ると、古紙拾いは170万人規模で、これは古物商(実際にその古紙を買い取る店)が出したデータに基づくもので、統計庁も概ねその数に同意している、という話が出てきます。

「これは前からそうですが、道を歩いていると、古紙を拾うお年寄りをよく見ます。実際に、こうして生計を立てている人はどれぐらい多いのでしょうか」、「全国古物商連合会は、全国的に古紙拾いのご老体は170万人だと推算しています。 統計庁の調査も同様です。私たちが考えるより、多くの人たちが街で生計をかけてこの仕事をしているのです」、と。しかし、2020年あたりから、各メディアの報道には、「1万5千人」「2万人ぐらい」と、急に少なくなった数字が出てくるようになりました。これは、なぜなのか。

 

一部では「所得が低い高齢者に毎月20万ウォンずつ支給する制度が2017年にできたため、その影響で急減した」という話もありますが、ちょっと違います。先のクッキーニュースの記事によると、その20万ウォンは「所得」としてカウントされるため、基礎生活受給(※日本の基礎生活保護のような制度)による支給金がその分少なくなる、とのことでして。なんで少なくなるのかというと、所得(20万ウォン)が増えたからその分支援が少なくなるのはあたりまえだ、という理屈だそうです。よって、もっとも所得が低い層は、既存の国家支援金から20万ウォン削減され、プラス20万マイナス20万で結果変わらず、だそうです。

私見に過ぎませんが、個人的に、ある記事を思い出します。本題とはずれますが、これまた本ブログで前から不定期に取り上げる文解力(読解力)関連、「字が読めるのに、文章の意味が分からない」関連で、2014年11月24日KBSは、50~60代を対象に独自に調査を進め、本当に問題が深刻だとしながら、「なぜこの問題が大きな話題にならないのか」、「一部の研究者の間では、『公開したくない統計だから、広く知らせようとしなかったのではないか』という話も出てきている」と報道したこともあります。あれと同じパターンではないのか、そんな気もします。

 

 

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