ガーナ、事実上のデフォルトか・・専門家が見る新興国リスクと、韓国への影響は

ガーナが、事実上のデフォルトになりました。数ヶ月前から「体力が低いところから倒れ、それが連鎖し、40カ国が倒れる新興国リスクになる」という話とともに、ガーナの名も聞こえていましたが、現実になってしまいました。いわゆる新興国連鎖デフォルトのリスクが懸念されている中、韓国では「大した影響は無いだろう」という意見が主流です。ちょっともう少し重く見たほうがいいと思いますが。中には、パクジホ、ミョンジ大学特任教授(週刊東亜)のように、企業の問題、すなわち企業債務や人員削減と直結するだろうと指摘する人は、います。まずはヘラルド経済からガーナ関連の記事を、それからパク教授の見解を引用してみます。各紙、<<~>>が引用部分です。

<<・・アフリカのガーナが、対外債務の大部分に対する返済を中止し、事実上デフォルトを宣言した。金利引き上げとインフレにより新興国が連鎖して倒れるのではないかと懸念が高まっている。19日(現地時間)ガーナ財務省は声明を通じて「130億ドルに達するユーロ債をはじめ、企業融資、両者間融資などに対する利子返済を中断する臨時的緊急措置」を決定したと明らかにした。財務省は「グローバルリスクで大規模な資本流出と国内借入費用の上昇などが発生した」とし「今回の債務支給の中断は暫定的で臨時のもの」と強調した・・

 

・・ガーナ政府の債務返済中止発表は、現在ガーナなど新興国が置かれている経済リスクを反映している。すでに国際機関と市場専門家たちは、グローバル金利が急激に上昇し、ドル高、物価高騰が重なり、低金利時代に多くの債務を抱えた新興国のリスクを警告してきた。国際通貨基金(IMF)と世界銀行は、低所得国の約60%が持続不可能な状態の債務を持っていると明らかにした。2020年ザンビアがデフォルトを言し、今年初めにスリランカが倒れ、市場の塗装は現実となった。ブルームバーグはガーナ問題について「多額の資金を安く借りて、高く返済することになった、いくつかの新興市場の急激な運命運命逆転を示すものだ」と説明した(ヘラルド経済)・・>>

この件、記事をいくつか読んでみましたが、まったく関係ないと思っているようで、韓国との関連性について書いたものは目につきませんでした。なんか、「安く借りて高く返済」の構造がヨンクルにそっくりな気もしますが。そんな中、東亜日報の週刊紙版「週刊東亜」が、この件に関するパク教授の見解を載せています。10月15日のもので、ちょうど金利引き上げが大きな話題になっていたころです。パク教授は、新興国リスクが、結局は企業債務問題と人員削減に繋がるだろうとしながら、来年にそれが明らかになるだろうと見ています。

 

<<・・個人企業も共に難しくなる状況が来ると、新興国にあった外貨資金が米国など安全な場所に移動します。これにより、デフォルトなど金融危機、外国為替関連リスクを経験する国家が増えるでしょう。すでにそのような状況に置かれた国も多いと聞きます。スリランカ、パキスタン、エルサルバドル、ベネズエラ、チュニジア、エジプト、バルト3国など20カ国以上は、すでに国際通貨基金(IMF)に負債を返済できない状況なので、お金を追加で借りられるよう要請した状態です。 近いうちに支援を要請すると予想する国を含めると、40カ国以上が債務不履行のリスクを抱えているという報告書もありました・・

・・今年より来年には物価上昇率も下がるだろうと思っている方が多いようですが、物価は前年比だから、今年5%、来年に5%上がれば、2年間で10%以上も上がったことになります。そしてこうして一度上がり始めた物価は、抑えるのが難しい。今年、賃金交渉をした人の中で、高い物価上昇率を予想して契約した人はそういないでしょう。来年初め頃には、今年の損失分までさらに上げてほしいと要求するだろうし、それによる上昇分は、そっくりそのまま製品やサービスに加わり、物価上昇がさらに強くなる可能性が大きいです・・

 

・・(※だからといって金利を上げるのも問題だとしながら)営業利益で利子も返済できない限界企業が、今年で歴代最多となりました。家計債務だってそうでしょう。 短期間で金利を上げることができなかったのです・・・・個人的には、家計債務よりも、企業債務のほうがより懸念されます。新興国で問題が起きれば、私たちのものを買ってくれる人たちがいなくなります。そこから、倒れる企業が増えるでしょう。新型コロナが以前の不況と違う点があるなら、リストラ、清算、破産など、そのようなことが起きないように、すべての企業が生存できるように、とにかく猶予する形を取ったという点です。だが、本当はこれまえの2年間、起きていたはずのそれらの調整が、重なり合って、来年に爆発的に現れる可能性が大きいです・・

・・我が国は、構造的に、資源や食べ物が不足しており、独自の生存は難しいです。これまで貿易を通じて稼いだドルをもとに豊かな生活を享受してきましたが、その構造により、外部のリスクに脆弱であるのが問題です。解決案は、内需市場を育てることであり、人口が1億近くになるとなんとかなるでしょうけど、現実的に容易ではないですね(週刊東亜)・・>>

 

 

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