「Kチップス」法、本会議通過・・半導体投資税額控除、当初の予想より大幅に縮小

経済金融関連ニュースが増え、そのほとんどはメリーヨンクリマスな内容だったので目立ちませんでしたが、いわゆる『Kチップス法』というものがあります。日本に来てポテトチップスを食べることが増えましたがそれとはまったく関係なく、半導体関連で各企業の税額控除を増やすという内容がメインです。いまのところ、韓国は半導体設備投資金額を、大企業の場合は6%(中小企業は16%)税額控除しています。それを、20%(中小企業は30%)まで増やし、負担を軽くするという内容がメインでした。

それをご存知、米国は言うまでもなく、日本の場合も半導体の国内生産を積極的にサポートする体制に入っており、TSMCやキオクシアの工場設立などで、すでに実例が出ています。前にもお伝えしましたが、韓国の主力はメモリー分野ですが、半導体関連の中で「まっさきに中国に追いつかれる」と言われている分野でもあります。実際、各種措置により保留になったものの、アップルが中国メーカーのメモリーを使うと話題になったこともあります。

 

この件、右側のメディアを中心に、警戒すべきだとする論調の記事がいくつかありました。特に、日台半導体協力など、日本の動きに関する内容が目立ちました。11月14日の中央日報は、日本のいくつかの企業が参加する「ラピダス」を「日本の半導体ドリームチーム」としながら、トヨタ、キオクシア、ソニー、NTT、ソフトバンク、NEC、デンソー、三菱UFJなどが参加するが、これら企業は各分野で世界1位、または元1位のそうそうたる顔ぶれであり、早く「Kチップス」法が成立しないとならないと主張しました。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

<<・・韓国もKチップス、半導体産業競争力強化法を立案したが、国会を通過できないで冬眠状態である。野党「共に民主党」が大企業への特恵だとして、反対しているためだ。韓国唯一の経済の柱であり、安保のためにもなる半導体が、政治に巻き込まれているのだ。尹錫悦政権は野党を説得し超党派的にKチップス法を通過させなければならない。日本が再び半導体強国建設に成功すれば、私たちの未来はない(中央日報)・・>>

 

そのKチップス法、昨日、やっと本会議通過となりました。しかし、業界からは、「Kぉれじゃない」と言われています。なぜかと言いますと、最初は大企業20%(現状6%)、中堅企業25%(現状8%)、中小企業30%(現状16%)まで税額控除するとしていましたが、多数党である野党が「多すぎる。大企業は10%、中堅15%にして、中小は与党案のまま30%にしよう」と反対していました。

そこに、企画財政部が「お金が無いので税収が減ると困ります(テヘッ)」と言い出して、結果、野党側の要求からさらに下がって、大企業8%控除『だけ』(中堅と中小は変化なし)になりました。東亜日報が「なんだこれは」とする記事を載せるなど、各メディアが、関連企業の「これはむしろ後退た」とする声と、一部の国会議員が「既存の企業すら海外においだすような内容だ」とする声、などなどを報じています。

 

<<・・与・野党は昨日、国会本会議で予算案を処理し、半導体やバッテリーなど国家先端戦略産業分野において、大企業が施設投資を増やせば、投資額の8%分の税額を控除する内容の「Kチップス法」を可決した。半導体施設投資に対する税額控除は、台湾や米国、中国企業との競争で不利にならないように支援するためのもので、この法の核心だった。問題は、税額控除の分が、当初与党が推進していた頃の半分にも及ばなくなった点だ。

与党は今まで、2030年まで大企業6%、中堅企業8%、中小企業16%となっている半導体施設投資金額の税額控除を、それぞれ20%、25%、30%まで増やすよう、法案の改正を推進してきた。ところが、それぞれ10%、15%、30%を主張する野党の主張があり、さらにその野党案よりも後退し、大企業の控除幅だけ2%ポイント引き上げる(※8%にする)ことにした。これは、与党の減免案が可決された場合、来年の法人税税収が2兆7000億ウォンほど減ることを懸念した、企画財政部の意見が決定的な影響を及ぼしたと言われている。「グローバル競争に乗り出そうとする企業に、できるだけ良い支援をしてやりたい」とした尹大統領の発言が色あせてしまった(東亜日報)・・>>

 

で、また告知ですが・・明日はクリスマスなので、1日休みます・・すみません、クリスマス関係ありません。いつもどおりレナの記念写真でも撮って、原稿仕事に集中したいと思います。次の更新は、26日(月曜日)のいつもの時間、11時頃になります。皆様、メリークリスマス。

 

 

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