韓国、延滞率の上昇などで、庶民向け金融機関(第2金融圏)が相次いで新規ローンを中断・・宝くじの売り上げだけが増えていく

この前、貸付業者(第3金融圏)が新規貸出を事実上中断した、という話を書きました。資金調達のための費用は上がり、ちゃんと回収できないリスクも上がり、上限金利(20%)があるので、もう貸し出しを行っても商売にならないというのがその理由です。悲しい話ではありますが、納得するしかない側面もある、そんな内容でした。そんな中、イーデイリーなどいくつかのメディアが、「第2金融圏でも、新規ローンを事実上中断した」との記事を載せました。第2金融圏の1つ、割賦金融(韓国ではキャピタル社とよく言います)はもちろん、一部の貯蓄銀行も同じだ、とのことでして。

割賦金融というのは、一時払いで変えない製品を割賦で購入する場合、メーカーと消費者の間に介入して物品代金を代わりにメーカー側に支払い、消費者から物品代金を(利子付きで)分割して受け取る会社のことです。貯蓄銀行などに比べると、第2の中でも『弱い』ところです。カードで買えばいい気もしますが、それができない場合に有用です。仕事のために中古トラックを買うとか、そんなときに必要になるのは事実です。しかし、これが、実は『物』ではなく、単に『お金』を借りるためにもなります。たとえば、キャピタル経由で高いテレビを買う場合、そのテレビを処分する権利はキャピタル会社にあります(返済が終わるまでキャピタル社が権利を持つ)。

 

最初から利用者はテレビではなく、お金が欲しかったとすると・・事前同意のもと、割賦金融社はテレビを買って、また売って、その金を高い利子とともに利用者に、という流れになります。提携している店からすると、実際はテレビを売ってないのに、手続きとしては売った→それより安く買い戻したになって、相応の利益が残せます。テレビも新品のまま。ちょっと曇った書き方ですが、実際、そんなやり方があるわけでして(※ソース記事にこんな内容はありません)。

ああ、純粋な心で1986アジア競技大会と1988ソウルオリンピックの成功を祈っていた心優しい少年(私)はどこへいってしまったのでしょうか。知らんけど。あと、曇ったついでに、ヘラルド経済に「もう、青年たちに残されたのはロト(宝くじ)だけか」という記事もあったので、合わせて紹介します。韓国にも「福券(宝くじ)」という言葉がありますが、最近は一般的に「ロト」と言います。引用では「宝くじ」と訳しました。各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・割賦金融(キャピタル)業界1位の現代キャピタルが新規融資を事実上中断した。貯蓄銀行業界1位のSBI貯蓄銀行も、信用ローンの窓口を閉じた。貸付業界(※ここは第3です)1位「ラッシュアンドキャッシュ」が新規ローンの取り扱いを中断したと知られている中、庶民が主に利用する第2金融圏の大部分が、年末に扉をロックしてしまったことが、確認されているのだ。27日、金融当局と業界によると現代キャピタルは先月、信用ローンと担保ローンの営業を縮小し始め、現在は新規営業を事実上中断した状態だ。現代キャピタル資産(6月末基準で36兆3000億ウォン)は業界全体の18%に達する。 会社の信用格付けも「AA0」で業界で最も高い・・

・・貯蓄銀行もローンを中断した。業界1位のSBI貯蓄銀行をはじめ、大手のウェルカム貯蓄銀行が自資金を用いる信用ローン商品販売を事実上中断した。会社側は「融資総量関連措置のため」という立場だが、延滞率が急騰したためと知られた。ペッパー貯蓄銀行は自社モバイルアプリだけでローンを扱っており、広く使われるローン比較プラットフォームのアプリなどでは、表示されなくなった状態だ。貸付業者の場合、もっと深刻だ(イーデイリー)・・>>

 

<<・・(※宝くじ売り場が青年たちで溢れており、宝くじ販売が最高額になる可能性が高い、という話の後に)金利引き上げが早すぎで、問題が生じた。そして、弱い環である青年たちがもっとも影響を受けた。ヨンクルで家を買った人たちは利子負担にうめき声を上げている・・・・ 結局、頼れるところは宝くじしかなくなったわけだ。希望が無いので宝くじ購入のために走っていく青年たちを、責めることができるだろうか・・

・・並んでいる青年の一人を、知っている。彼はある日、宝くじに辛気くさく歩いて行く自分の姿が、悲しくなった。以後、宝くじを買いに行く時、それらりいトレーニングウェアに、大切にしているスニーカーまで履いて、元気に走ってくいくことにした。そして元気よく買うという。生涯、家が買えなくても、ジョンセ保証金は返してもらえるだろうかと眠れない夜が続いても、宝くじが当たらなくても、人生は続いていくからだ(ヘラルド経済)・・>>

 

最後の部分、せつない気分がした、というのは分かりますが、そういう問題じゃないと全身全力でツッコみたいところです。ある意味、その「それらしいトレーニングウェア」が社会像を現している気もしますが。 で、シンシアリーも年末モードですが、昨日のSASUKEは特に良かったと思います。完全制覇こそなかったものの、本当にすごかったです。参加者の皆様お疲れ様でした。

 

 

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