韓国、電気料金を大幅に引き上げ / インフレ抑止法電気車補助金、リース車両(現代車の米国販売5%分)に限って認められる

明けましておめでとうございます!令和5年初エントリー、二本立てで、電気料金関連、そして、前から本ブログで取り上げてきたインフレ抑止法の電気車補助金関連となります。結論から書きますと、どちらも『パッとしない』展開になりました。電気料金引き上げは、いままでのスタンスを考えると、大幅ではあります。そう、約40年ぶりの大幅な引き上げなのは事実ですが、『赤字解消のために必要な分』には遠く及ばない金額で、これを2026年まで段階的に引き上げる、とのことです。朝鮮日報はこの件を報じながら専門家の見解を引用、「これぐらいだと赤字は解消できないので、社債(韓電債)問題も続くし、何度も上げなければならない」、「最初にちゃんと上げて、それを維持する路線のほうがもっとよかった」と指摘しています。

電気車補助金も、海外で作られた電気車の一部にも補助金が認められるようになる、一部のメディアは「尹政権の努力により、主張が通った」としていますが、これ、毎日経済などによると、実は商業用リース電気車に限ってのことで、日本、EUで作られた車も同じです。しかも「リースの後に自分でその車を購入する」場合は、その購入は補助金対象になりません。現代車の米国売上において、リースは5%だけです。毎日経済は本件を報じながら、『政府の主張が通ったとは思えない部分だ』と的確に指摘しています。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・政府が2023年1月1日から、電気料金を2次オイルショック以後最大幅の、kWh当たり13.1ウォン(※9.5%)引き上げることに決めたが、この程度の料金引き上げでは、韓電の天文学的な赤字を短期間で解決できるとは思えないと指摘されている。韓電の2022年の年間営業損失は34兆ウォンと予想される。先に産業通商資源部は、国会に提出した韓電の経営正常化案で、国際エネルギー価格の上昇分を反映する場合、kWh当たりの電気料金を51.6ウォンは上げなければならないと報告した。だが、今回の電気料金引き上げの幅は、産業部が明らかにした要因の4分の1にとどまる。電力業界と専門家の間では、「電気料金追加引き上げは避けられない」という反応が出ている。

電気料金は2022年、3回かけてkWh当たり19.3ウォン(17.9%)上がった。2023年初日から再び13.1ウォン引き上げられる。基本料金となる基準燃料費がkWhあたり11.4ウォン、気候環境料金が1.7ウォン上がる。しかし、2023年にも韓電の営業赤字行進は避けられない見通しだ。政府が発表した1~3月期の電気料金引き上げ幅が、赤字解消に必要な分を大きく下回るためだ・・

 

・・これにより、4月~6月期以降も、電気料金の引き上げは続く見通しだ。ユ・スンフン、ソウル科学技術大教授は、「4~6月、7~9月、10~12月期にも相次いで料金を引き上げる以外に方法が無い。国民の疲労度はさらに大きくなるだろう」とし、「1~3月期に大きく上げてから、それを維持するのが良かった」とした。産業部は2026年までに韓電の累積赤字を取り除く方針だ。韓電は「今回反映できなかった引き上げ要因は、政府と協議して合理的に決定する」と明らかにした(朝鮮日報)・・>>

これで、いわゆる韓電債問題(赤字対策として政府保証付きの社債を発行し過ぎで、他の企業は社債による資金調達ができなくなる)は続くと思われます。また、1月2日(平日です)、韓国電力公社の株価は10%以上下落しました(毎日経済の別記事、1月2日14時30分時点)。今回の引き上げは思ったほどではなかったこともあり、各世帯においては4000~5000ウォンの引き上げにしかならないと言われています。ただ、アイニュース24というネットメディアの記事によると、これだけでも、サムスン電子のような会社の場合、2400億ウォン分の追加負担になる、とのことです。それでは、次、電気車補助金問題関連です。

 

<<・・(※エントリー初頭の内容を紹介した後に)今回の米財務部ガイダンスにより、米国の商業用電気自動車市場だけは韓国・日本・欧州連合(EU)などで作られた車両も補助金を受けることができるようになった。現代車グループの関係者は「商業用自動車税額控除と関連して、韓国の意見が反映されたと判断される」とし「リースプログラムを拡大するなど、これを積極的に活用する計画」と話した。自動車業界では、現代車グループが米国で販売する電気自動車とプラグインハイブリッド(PHEV)車両の約5%がリース物量であると見ている。現代車グループはこの比重を早いうちに2桁に引き上げるという・・

・・今回の米財務省指針でも、現代車グループをはじめとする国内企業の現状は、まだまだ問題だらけだ。まず米財務省は「長期リース」とリース契約終了後、割引価格で車両を購入できるオプションなどがある場合、事実上販売に該当するとし、税額控除対象から除外した。政府と現代車グループの立場が全面的に受け入れられたとは思えない部分である。また、インフレ抑止法制定当時、電気自動車部門の基本を作成したジョーマンチン民主党上院議員は、財務部指針発表に強く反発した。マンチン議員はこの日の声明を出して「財務省がIRAで虚偽の穴を探そうとする企業に報酬を与えた」とし「財務省のこうした危険な解釈を防ぐために立法を模索する」と強調した。

 

他にも米政府は、「北米で最終組立されること」の「北米」の概念を、「米国、カナダ、メキシコ」に制限したが、これも負担だ。細部規定を明確に明らかにしたわけではないが、「北米」の定義を緩和してほしいという尹政権の要請は、結局、受け入れられなかった可能性が大きい。韓国政府と現代車グループはすぐに来年初め、米ジョージア州で電気自動車とバッテリー工場建設に着手する予定であるだけに、「北米での最終組立」の対象に現代車を含めるか、または工場が完工するまで規定の3年猶予を要請していたが、まだ米国側の回答はない(毎日経済)・・>>

更新が無かった間にもご覧くださった方々に感謝いたします。もともとは3日の11時から更新を再開する予定でしたが、休みすぎたこともあるし、書きたい内容もすぐ見つかったので、2日の夜に更新しました。次の更新は3日の16~17時頃になります。今年もよろしくお願い致します!

 

 

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