韓国の各カード社、利用額・カードローン限度額を大幅に縮小・・大手メディア「『A社から借りてB社に返済』ができなくなる可能性」

ちょうど一つ前のエントリーでキャッシングサービスによる「カードで回して防ぐ(自転車操業)」関連内容を書いたばかりですが、今回は、カード利用限度額と、カードローンの話になります。こちらは、キャッシングサービスとは別枠になります。すなわち、今回のエントリーのデータに前回のものは入ってないし、前回のエントリーのものにも今回のデータは入っていません。カードの利用額及びカードローンの限度額が、大幅に縮小されている、という記事がありました。理由は簡単です。ちゃんと返済してもらえないリスクを管理するためです。

これがなかなか大幅な縮小で、延滞などしたこともない人でもカード利用限度額が1080万ウォンから350万ウォンに減った、とのことでして。ちなみに、カード利用額というのは、「現金化」する人たちもいます。中央日報、去年12月25日の記事によると、いわゆる「回して防ぐ」が持続できなくなるおそれが大きくなっている、とのことでして。そういうのが連鎖して起こるようになると、それこそ信用危機である、とも。専門家は、もともと信用が高くない人たち、またはピンチの自営業者など、いわゆる弱い環とされる人たちが主に利用していただけに、なおさら連鎖リスクが高いと指摘しています。

 

しかし、匿名の金融機関関係者は、「限度縮小など、すでに流れは決まっている」と話しています。旧ブログの頃から紹介してきた「回して防ぐ」という表現。いよいよ限界に来たのでしょうか。「『今月に入って、5つのカード社のカードローン限度が0ウォンになった』というメッセージが相次いでいる」、「いままでカードローンで『急銭(急に必要な少額の資金)』を防いでいたのに」、「Bカード社が今月30日からクレジットカード使用限度を半分にすると通知してきた」、「Cカード社で総限度1080万ウォンが350万ウォンになった。 延滞をしたこともないのに、どうしてこんなに削るのか」、「わずか数ヶ月前に13.6%だったカードローン金利が、12月に入って19%に上がったというメッセージを受けた」、などの話がネットコミュニティーでは多く目につく、とのことでして。限度額が残っていても、これは「事実上、使うなという意味ではないのか」という話も出ているそうです。

 

以下、<<~>>が引用部分となります・・が、その前に、信用等級についてご存知でない方もいると思われるので、信用等級(現・信用点数)について簡単に説明いたしたいと思います。2003年、カードの使いすぎ(借りすぎ)で始まった『カード大乱』事態により、韓国には全ての人を1~10等級までの信用等級(1等級が信用が高い)で分類する制度が導入されました。これ、前にも拙著に書いた記憶がありますが、この等級によって、金融取引がぜんぜん違います。低いと、一部の金融取引の制限を受けることすらあります。

私はローンもなかったし預金派だったので(まだ定期預金の利子が4~5%だった頃の話です)、知り合いの銀行の方に「私は1等級ですか?(笑)」と聞いたことがあります。すると銀行の方が「2等級です(笑)。借りてちゃんと返してまた借りて、そう繰り返す人たちが1等級になりますよ」と教えてくれました。いまは信用点数制になって、確か、1000点までのスコア分けとなりました。細分化するという理由だったと覚えています。こちらはスコアが高いほど信用も高いことになります。ただ、スコアと言っても100点単位で管理することが多く、10等級分類と中身はまったく同じです。いまでも「等級」と書くメディアが少なくありません。

 

<<・・庶民の『急銭』窓口として最も利用されている金融サービス、カードのハードルが、急に高まっている。急激な金利引き上げで調達費用は高騰し、延滞リスクも大きくなって、カード会社が営業を縮小し、調整に乗り出した影響だ・・・・業界は、カードローン(長期カード貸出)の限度縮小に積極的に乗り出している。与信金融協会によると、11月末基準、新韓(シンハン)・サムスン・KB国民・現代・ロッテ・ハナ・ウリなど7つのカード会社のカードローン残高は34兆2866億ウォンで、1ヶ月前より5456億ウォン減った。今年に入って最大の減少幅だ。

業界では、カードローン残高が減ったのは、各カード会社が限度縮小に乗り出した影響だと分析する・・・・11月に大幅に減ったのは、限度を本格的に減らし始めた影響だというのだ。匿名を要請したカード業界の財務担当者は、「すでに多重債務者のうち延滞リスクがあるユーザーのカードローンから、次第に限度を減らしていく方向で、調整に入った」と説明した。

 

限度が残っていても高騰金利のため、利用負担も大きくなった。去年11月末基準、7つの専業カード会社(新韓・サムスン・KB国民・現代・ロッテ・ウリ・ハナカード)のカードローンの平均金利は年14.84%と集計された。ウリカードは信用点数が601~700点(※結構優秀な点数です)の人にも、すでに年19.69%の、上限金利に迫る金利を適用している。すでに900点以上の超優良借主たちにも、BCカード以外は全てが2桁の金利を適用している。懸念されるのは、カード会社が「しきい値」を高くすると、信用危機に繋がる可能性が大きくなる点だ。

あるカード業界の高位関係者は、「複数のカードローンで『回して』いる人の場合、限度が縮小されると、結局は返済できなくなるだろう」とし「これが連鎖的に起きれば、それが信用危機」と懸念した。ソジヨン サンミョン大学経営学科教授は、「カードローンやキャッシングサービスは、自営業者や中・低信用者が主に利用する。脆弱な人たちの家計が受けるダメージが懸念される」と明らかにした(中央日報)・・>>

 

結構前に見たのでうろ覚えですが、カードキャプターさくらというアニメで、主人公の子がカード(精霊みたいになって問題を起こしています)を封印しながら、いつも『汝のあるべき姿に戻れ!○○カードよ』と叫んでいました。ぜんぜん違うけど、前回と今回のエントリー、これはこれであるべき姿に戻りつつあるのかもしれません(失礼しました

 

 

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