韓国、ブランド品の消費で世界1位・・家計債務でも世界1位(GDP比、IIF基準)

高級ブランド品消費で、韓国が世界一位だという記事がありました。どれだけ正確な調査なのかは(そもそも『ブランド品』の基準って何でしょうか)分かりませんが、国際金融協会IIF基準で家計債務世界1位(GDP比、BIS基準では3位)、経済活動人口2800万人の国で、多重債務者(3ヶ所以上の金融機関からお金を借りた人)が452万人なのに、これはいったいどういうことかと、ソウル新聞が「ただ誇示したいがための消費である」とするなど、一部のメディアが記事にしています。さすがに、どのメディアもあまり明るい論調ではありません。

最近になってやっと『さすがに書きたいことは書いたので、もう様子見』になりましたが、本ブログ、しばらくはヨンクル無双状態でした。家を買った人は所得の60%を元利金の返済に使っているとか、20~30代の多重債務や基礎受給(日本の生活保護のような制度)が急増している、という内容のオンパレードでした。しかし、『そんな状態でよくもあんなに日本観光に来るものだな』とツッコみたくなるのも事実。決して全てではないにせよ、その不思議な現象の一端が、このブランド品関連現象とオーバーラップしているのではないでしょうか。そういうこともあって、ちょこっとエントリーしてみます。

 

記事によると、14日、米国CNBC放送が報道した内容ですが、投資銀行モルガン・スタンレーの調査によると、2022年韓国の高級ブランド品の販売規模が2021年より24%も増加した168億ドルで、1人あたりだと325ドルで、世界1位だとのことでして。超大金持ちが多い米国でも1人当たり関連支出は280ドル、爆買いなど有名な中国は55ドルです。ちなみに、これについてソース記事は「購買力が前より高くなったのは事実」、「このような調査を『1人あたり』で算出することに意味があるのか」などと報じながらも、モーガン・スタンレーの報告書にある以下の内容をもっとも強調しています。

「外見と財政的成功が、他の多くの国より、韓国の消費者に大きな反響を引き起こす可能性がある」という部分です。ブランド品需要が、そのまま社会的地位を対外的に誇示する手段として動いている、というのです。このようなブランド品の誇示(記事の文章からして、多分、ブランド品そのものではないと思われます)について、日本で45%、中国38%の人たちがこころよく思わしくないと答えましたが、韓国の場合は22%にすぎなかった、とも。ネットでは、「それは、そうもなるだろう」と、あきれた感じの反応が主流です。なぜなら、このブランド品需要には、ちょっとした裏があるからです。

 

高級ブランド品でも十分実用的な使い方ができますし(私もトレンチコートが好きでバーバリーを持っていますが、普通に実用しています)、すべての人が「ボクスゴイ」のために買うわけでもないでしょうけど、2020年4月10日マネートゥデイが、その『裏』を記事にしたことがあります。個人的に、いつもこのテーマになるとこの記事を思い出します。タイトルは「月収200万ウォンにならないけど、高級バック一つは持っていないとだめでしょうと思う人たち」、見出しは「半地下に住みながら、ベンツに乗る社会。そのためには今日も食事はカップラーメンだけ」など、とてもとても分かりやすい記事です。以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・最高級外国車、高級ブランド品バックなど、贅沢すぎる消費は、前は富裕層の専有物だった。しかし、最近の若者たちは、半地下に住んでもベンツなど外国車に乗り、『車負心(車+自負心)』をほこる。カップラーメンだけ食べながら数ヶ月もアルバイトして稼いだお金で、シャネルのバッグを買う。高所得層だけでなく、低所得層も贅沢消費に溺れている「新・消費の二極化、ブランド品を勧める社会」の原因と現象を探ってみる・・

 

・・ソウル~(※略)~に住むユンさん(37歳)は、リースで購入したBMWを運転する。自営業の彼のは、もう数年も月に200万ウォンも稼げないが、事業者リースで輸入車に乗っている。ユンさんは「本当はポルシェがいいけど、今は仕方なくBMWに乗っている」と話す・・・・金スプーン(富裕層)がベンツに乗るなら、土スプーンもベンツに乗る時代だ・・・・もともとは、「消費の二極化」とは、富裕層が高級な贅沢品を消費して、低所得層が安い生活必需品を消費する形を言う。しかし、今の時代では、所得が少ない人でも数ヶ月分の給与を集め贅沢品を消費することになった。

数ヶ月も給料を集めシャネルバックを書い、食事はコンビニの海苔巻で済ませる新しい二極化が深刻化し、金スプーンも土スプーンもシャネルのバックを肩にし輸入車に乗る時代になってしまったのだ・・・・問題は、今の「新・消費の二極化」は、消費ピラミッドではなく、最安値と最高値に二分される『砂時計型』消費構造を作ってしまう点である。単価が低い必須購入品目にはお金を使わず、プレミアムを打ち出した輸入贅沢品に喜んで財布を開く「一点豪華型消費」風潮が明確になっていくと、経済にはダメージでしかない・・>>

 

そういえば、ヨンクル関連でも、頼れるものが宝くじしか無くて毎日のように宝くじを買う青年が、足元を見られたくないから「宝くじを買いに行く時、それらしいトレーニングウェアに、大切にしているスニーカーまで履いて、元気に走ってくいくことにしている」という記事も紹介したことがあります。普通に元気よく、笑顔でやればいいだけの話なのに、なんでそこで「それらしいトレーニングウェア」と「大切にしているスニーカー」が出てくるのか。その心理と似ているのかもしれません。すべてが同じだとは思っていませんが・・

 

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年9月2日)からですが、<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>です。文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察しました。政権交代、保守政権などの言葉が、結局は仮面が変わっただけだということ、率直に書きました。 新刊<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」。これが、本書の全て、帰化の手続きを進めている私の全てです。 刊として、日本滞在4年目の記録、<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >と、新しく出現した対日観について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。 ・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。 ・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。