韓国の高所得者がリボ払いに頼る理由は・・「ローン返済負担は急増したけど、ゴルフをやめるわけにはいかない」?

クレジットカードのキャッシングサービス、リボルビング(リボ払い)が急増しているということは、ホンブログでも複数回取り上げました。上限金利である20%近い金利が適用されるけど、こちらは当局が実施している各種家計債務制限措置(所得の一定割合までしか借り入れることができない、など)の適用対象ではありません。韓国内でも、「いわゆる『回して防ぐ(債務を返済するため、別の金融機関や貸付業者からお金を借りる)』が限界に来たという意味だ」とされ、大手紙を含めて結構大きく報じられました。

ですが、実はこの現象、いわゆる庶民だけの問題ではなく、年収1億ウォンの人(記事の事例です)でも、リボ払いなどに頼っている、という記事がありました。ヘラルド経済の独自取材によるもので、広範囲のデータが紹介されているわけではありません(そもそも、そこまで詳しく調べる方法が無い気もしますが)が、その理由は簡単です。最近、ローンの返済などで生活が苦しくなっても、『それでも消費を減らす訳にはいかない』と思っているからです。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・国内カード会社のリボルビング(リボ払い)残額が最大値を塗り替えた。余裕のない庶民はもちろん、高所得者の間でも、膨れ上がった消費のため、リボルビングを使う姿が捉えられる。カード会社が先制的リスク管理のため、無利子割賦期間や使用限度を大幅に減らしたためだ。20日、与信金融協会によると、昨年12月末基準のシンハン・サムスン・KB国民・現代・ロッテ・ウリカード・ハナカードなど7つの専業カード会社のリボルビング移越(※来月以降への持ち越し)残高は7兆2621億ウォンと集計された。 これは1年で19.4%増加した数値で、史上最大規模だ。

リボルビングは、今月に決済すべきカード代金の一部を来月に持ち越しできるサービスだ。決済金額比率はカード代金の10~100%の範囲内で10%単位で調整が可能だ。最大90%まで持ち越すことができ、延滞として処理されないという利点がある。ただし、20%前後の高い手数料がかかる・・・・高所得者までもが、リボルビング使用をためらわないでいる。無利子割賦より手数料が高いが、大きくなった消費を減らす代わりに、長期分納決済のつもりでリボ払いを申し込むわけだ・・

 

・・年収が1億ウォンを超える、ある職場Aさんは、最近決済金額の50%だけ納付し、残りは持ち越すリボルビングを使い始めた。カード会社が無利子割賦期間限度を3ヶ月以下に大幅に減らし、長期分割決済を行う方法がリボルビングしかなかったためだ。A氏は「一度に大きなお金がかかる教育費、ゴルフ費用は、分割決済をするしかないが、無利子割賦ができないので仕方なくリボルビングを申し込んだ」と説明した(ヘラルド経済)・・>>

ゴルフ大好きな方だった可能性も無くはないでしょうけど・・どうでしょうか。これが、経済というか、GDPを支えている・・そんな気もします。これも本ブログで2~3回取り上げましたが、「家計債務で世界1位なのに、高級ブランド品消費でも世界1位になった」件。投資銀行モルガン・スタンレーの調査によると、2022年韓国の高級ブランド品の販売規模が2021年より24%も増加した168億ドルで、1人あたりだと325ドルで、世界1位だとのことでして。経済活動人口2800万人の国で多重債務者(3ヶ所以上の金融機関からお金を借りた人)が452万人なのに、これはいったいどういうことか。

 

メディアによって多少のスタンスの差はありますが、モーガン・スタンレーの報告書にある「外見と財政的成功が、他の多くの国より、韓国の消費者に大きな反響を引き起こす可能性がある」とした部分を強調していました。本ブログもそうですが、各メディアの記事は基本的に、本当はそんな高級品が買えるほどの所得が無いのに、無理をしているという内容でした。「数ヶ月も給料を集めシャネルバックを書い、食事はコンビニの海苔巻で済ませる」(マネートゥデイ原文のまま)消費パターンが深刻になって、『金スプーンも土スプーンもシャネルのバックを肩にし輸入車に乗る時代になってしまった』、などなどです。

ついでに、『私もブランド品買った』とSNSに写真を載せるため、ブランド品のボックス(中身は無し)が20~30万ウォンで取引されている、という内容もエントリーしたことがあります。そういえば、本当に運任せでなんとかしようと宝くじを買いに行くとき、『それらしいトレーニングウェアと大事にしているスニーカーを履く』という話もありました。しかし、そういうのがいわゆる庶民の問題だけではなく、年収1億ウォンの人でも状況はそう変わらない、となると・・そうですね、繰り返しになりますが、Aさんのような人がどれぐらいいるのか広範囲のデータはありません。しかし、彼の評価はともかく、『現状』そのものが、債務で築き上げられた経済のラストシーンを見ているような、そんな気もします。

 

一昨日・昨日は、白川郷と飛騨高山に行ってきました。もちろん、レナも一緒です。とても美しい景色を見ることができました。日程(団体旅行でした)通りに動いたので今回は訪れることができませんでしたが、道中にあった松本城や上高地のこともとてもとても気になりました。いずれ、また。いや~しかし、旅行から帰ってきて「高所得者でもリボリボ~」な記事読んでブログに書くと、ジェットコースター感が半端ありませんねぇ

 

 

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