FNN、韓国のマンション価格下落などを報じる・・「バブルが弾けたか」「収入の9割を返済に充てている人も」など

昨日、「どれぐらい価格が下がったのか」エントリーのコメント欄にも投稿しましたが、フジニュースネットワーク(FNN)が、韓国のバブルが弾けていると報じました(YOUTUBE版ヤフー版)去年10月あたりから本ブログでずっと追ってきたテーマですが、日本でここまで報じられたのは初めて見た気がします。今まで本ブログで取り上げた内容と概ね同じで、家を住む場所ではなく投資の対象としか見ていないこと、無理のあるローン(ヨンクルという言葉は出ませんが、同じ意味が説明されています)による返済負担の増加などです。以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・しかし今、その(※金利引き上げの)副作用が深刻になってきている。もともと韓国では、2022年の夏頃まで不動産価格の高騰が続いた。ソウルのマンションの平均価格はこの5年間で2倍以上に跳ね上がり、平均で1億円を超えるまさに「不動産バブル」状態だった。ところが政策金利の引き上げに伴い、不動産価格が下がり始めたのだ。マンション価格の変動率を見てみると、2019年から急激に上昇していたものが、2022年後半から大きく落ち込んでいる。この動きはまだ続くとみられ、「不動産バブル崩壊」の兆しと捉えられている。

 

かなり急激な、バブル崩壊への動き。そこには、韓国の不動産バブル特有の事情がある。韓国では、高騰する価格に刺激され、不動産は住む場所以上に「投資の対象」となった。「魂までかき集めて」、つまり「ギリギリまで借金をしてでも家を買おう」という言葉が流行するほど、収入に見合わない投資をした人が多く、価格が上がり続けた。しかしあまりにも価格が上がりすぎたため、一般市民には買うことが難しくなった。さらに、利上げにより買うための借金がしづらくなったため、購買意欲が下がり、マンション価格の暴落が起きているのだ。韓国では、住宅ローンなどの融資を受ける人の7割以上(74.2%)が「変動金利」を選んでいる。元々、ギリギリまで資金を借り入れていたところにローンの金利が上がり、返済に困る人たちが増えている(FNN)・・>>

 

この後、所得の6割、9割を(さすがに9割は一般的ではないと思われますが)返済に使う人たちの事例が続きます。本テーマに興味をお持ちの方は、ぜひお読みください。一つ興味深いのは、『知り合いから借りた』という人です。こういう個人間の取引は家計債務データなどに含まれないし、韓国メディアの記事にもこういう事例は多くないので、果たしてどれぐらいの規模なのか、想像もできません。最近、個人同士の貸し借りも『組織化』されている(個人間の貸し借りを仲介するサイトなどが増えている)という話も聞きますが・・こういうのは家計債務関連対策においてすべて例外扱いですから、その隙きをついた、という形でしょうか。

文政権のときに価格が不思議なほど上がったので、「上がった価格が、下るだけ」という楽観的な見方をする人たちもいます。しかし、債務メインで資金が動いて価格が上がったということは、そんな簡単な問題ではありません。韓国の不動産関連エクスポージャー(リスク)は膨れ上がっています。ここでいうエクスポージャーは、個人、法人、金融機関などが持っている金融資産のうち、市場の価格が変動することなどのリスクにさらされている分を意味します。エクスポージャーの全てで、今すぐ何か大きな問題が発生するという意味ではありませんが、上がってから下がるから問題ないという考えは、この分が『飛ぶ』リスクを軽く見すぎています。

 

金利引き上げはもう7回も続いていますが、本格的に問題になってきたのは、去年の10月からです。ただ、いま出ているデータのほとんどには、10月以降の影響は反映されていません。ソウル経済が去年12月22日に報じた内容も、9月末基準のものです。それでも、不動産金融エクスポージャーはGDPの125.9%でした。同日に発表されたの金融安定報告書によると、 <<・・9月末基準で、不動産金融エクスポージャー(リスクにさらされている金額)が2696兆6000億ウォンで、名目国内総生産GDPの125.9%を記録したと明らかにした。2019年末まで2047兆5000億ウォンだったが、新型コロナからの低金利環境で急激に増えた。特に不動産金融の中でも、家計金融を除いた企業金融の場合、1074兆4000億ウォンで、前年同期比で17.3%増えた・・

・・韓銀は不動産金融エクスポージャーの増大を、高い民間信用(※家計債務が多い)と、非銀行金融機関(※第2金融圏など)の復元力低下とともに、主要金融システムの脆弱性に挙げた。特に不動産価格が急落した場合、家計や企業、金融機関のほとんどの財務健全性が低下することを懸念した。この日イ・ジョンリョル韓銀副総裁は、「これまで低金利基調で急騰していた資産価格が、調整される過程が進行するものと見られる」とし「もし住宅価格が急激な調整を受けると、各種ローンに問題が発生し、金融機関の健全性に影響する可能性がある。不動産価格の下落を最も注意すべきだろう」と説明した(ソウル経済)・・>> 、という状態です。

 

 

昨日も同じ告知(?)がありましたので恐縮ですが、今回の白川郷・飛騨高山旅行写真をサブブログに載せました。よろしければぜひ御覧ください。こちらになります(※ドール写真も一緒に載っているので、苦手な方はご注意ください)。

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