韓国、「経済活動をしない人」関連の記事が増加・・大学卒業して経済活動しない人は366万人

韓国で青年失業問題が指摘されるのは、そう珍しいことではありません。実際に発表される失業率とは違い、いわゆる「体感失業率(拡張型失業率など)」は、調査機関にもよりますが20%を軽く超えています。また、1週間に35時間以上働く青年の数は減っており、就業者として分類されている人たちでも、どんどん労働の「質」に問題が起きているのではないか、そんな指摘もあります。日曜ソウルという週刊紙のネット版によると、最近は求職そのものをしない人が増えている、大学まで卒業して仕事をしない(できない?)人が多い、とのことです。以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・青年失業が加重される中、求職意思がない、いわゆる「就職抛棄(※放棄)者)」の数が日々増加している。これは、雇用のない成長や、企業の人材政策の変化など、労働市場の低迷により就職を諦めることを意味する。彼らは求職者または失業者とは異なり、求職断念者として区分される。統計庁の調査によると、2017年には48万人だったが、2021年には63万人以上に急増、その半分が20代、30代という点で、青年失業の深刻さがわかる。

 

経済危機以降、成長の鈍化や企業の構造調整などにより新規採用が減少した。さらに、採用に非正規職やキャリア職を好み、青年就職の扉はさらに狭くなった。これに、高まった競争率と、良い履歴を作るために増えた就職準備期間も、一つの原因となっている。職場に通わずに教育や訓練を受ける状態でもない青年をニートという。最近では隠遁する人(家の中にひきこもっている)の増加も、社会問題として台頭してきた。

実際、2019年にOECDで発刊した「一目で見る社会」によると、2017年基準、国内青年ニートの割合は18.4%で、5人のうちの1人だった。このような「非経済活動人口」の増加は、国家経済や生産性に悪い影響を及ぼす。 「韓国の青年ニット特徴と経済的費用」報告書によると、ニートの中で大学教育を終えた高学歴者の割合が2015年基準で42.5%で、OECD国家の中で最も高い数値であることが分かる。 これは優秀な人的資源を非効率的に活用しているのだ・・>>

 

まず、ニートの全体データですが、OECD基準で「教育訓練に参加せず、就職もしなかった青年」にしてみると、韓国のニートは経済協力開発機構(OECD)で3位という記事もありました。2021年12月13日の聯合ニュースで、韓国より多かったのはイタリア、メキシコだ、とも。「13日、韓国雇用情報院青年政策ハブセンターチョン・ジェヒョンチーム長の「青年雇用政策死角地帯推定及び示唆点」報告書によると、今年1~10月月平均国内15~29歳の「ニート」は158万5千人と推定される・・OECD基準だと、昨年の国内ニート族規模(月平均)は163万9千人で、全体15~29歳の人口で占める割合は20.9%だ」。

 

そこで、「大学を卒業した『非』経済活動人口」ですが、数で見ると366万6千人です。経済活動人口が2800万人とされていますから、たしかにこれは社会的に大きな問題です(ニュース1、2019年2月5日)。この中には病気で入院している人とか、産後に休んでいる人とかも含まれているので、全員が「レベルの高いニート」というわけではありません。しかし、2011年4月18日の聯合ニュースの記事を見てみると、「大卒で『非』経済活動人口は295万2千人まで増えた」となっています。10年間で、まさに急増したと言えるでしょう。

これは、もちろん「仕事が無い」のがもっとも大きな理由でしょうけど、「私は大卒なのにこんな仕事できるか」という心理もまた、理由の一つではないでしょうか。先のニュース1の記事によると、「このように、大卒非経済活動人口が増えたのは、学歴は高くなったのに適当な仕事が見つからなかった、または現実と乖離感が理由だと分析された。去年(※2018年)5月基準で、若年層が最初の仕事を辞めた理由を見ると、報酬や労働時間などの労働条件が満足できなくて自らの仕事をやめた場合が、全体離職経験者の半数を占めた」、となっています。

他にも、住んでいた部屋(伝貰)保証金とか返してもらって、そのまま親の家で暮らすようになったとか、人によっては経済活動そのものをしなくなったというニュースも増えてきました。先の「隠遁」関連も、話題になっています。それがさらなる出生率低下に繋がるだろう、という指摘も増えています。

 

 

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