韓国で「孤立隠遁青年(ひき◯もり)」が社会問題に・・単純比較はできないが、人口比で日本の約2倍か

韓国で、隠遁孤立青年関連のニュースが目立っています。家から出ない、ヒキ○モリさんたちのことです。昨日も紹介しましたが、もともとニート率が高いという指摘はありました。でも、この件が韓国でここまで話題になったのは、私が知っているかぎりだと初めてです。アジア経済など複数のメディアが報じていますが、今回のソースデータによると、韓国の「19~39歳」、「情緒的・物理的孤立状態が6ヶ月以上」、「ほとんど外出しない状態が6ヶ月以上」の基準で、約61万人(19~39歳、ソウル市のデータによる全国推定値)が孤立隠遁状態と推定される、とのことでして。

さっとネットで検索しただけですが、日本の場合は「準(ふだんは家にいるが、自分の趣味のときには外出する)」まで含めて69万6千人(15~39歳、5000人調査)と推定される、とのことです。基準が違うので単純比較は出来ませんが、「日本の社会問題を上から目線で報道していたら、実は国内でも同じ問題が発生していて、実はもっと深刻で、日本は少しずつ改善していく」という、いつものパターンがここでも現れていると言えそうです。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・ソウル市は最近、社会的関心が高くなってきた孤立隠遁青年に対する正確な実態把握と分析のため、昨年5月から12月まで孤立隠鈍青年実態調査を全国で初めて実施し、18日、その結果を発表した。今回の調査は、孤立隠遁青年の規模推定のための世帯調査(青年が常駐する世帯だけを対象)と、孤立隠遁青年の全般的な生活実態を把握するための青年調査(ソウル市一般青年対象)に分けてオンラインで進行した。また、実際の孤立隠遁生活をする当事者と支援機関実務者の対象として深層調査(FGI、IDI)まで実施し、調査結果の正確性を高めた。

調査の結果、ソウル青年のうち孤立隠遁青年比率は4.5%と推定され、これをソウル市の人口に適用すると、最大12万9000人に達すると算出される。全国の青年(満19~39歳基準)対象に範囲を広げる場合、国内で約61万人に達すると推定することもできる。

 

ソウル市は調査過程で精密な基準設定のために孤立隠遁青年の概念から定義した。現在、情緒的または物理的な孤立状態に置かれた者、孤立状態が少なくとも6ヶ月以上維持される場合を「孤立」、「隠遁」は現在外出がほとんどなく家庭でのみ生活し、またその状態が少なくとも6ヶ月以上維持され、1ヶ月以上求職活動もしなかった場合と規定した・・・・孤立隠遁生活をすることになったきっかけは、「失職または就職に困難(45.5%)」という回答が最も多く、続いて「心理的、精神的な困難(40.9%)」、他の人と会話したり、一緒に活動するなど人間関係を結ぶのが難しい(40.3%)の順で確認された(アジア経済)・・>>

 

人によって立場も理由もそれぞれ違うでしょうけど、今回の調査で明らかになったのは、主に成人になってから、就職関連で孤立隠遁したという人が多かったそうです。「望んだ時期に就職できなかった」、「入りたかった職場に入らなかった」などがきっかけになっている人が多い、とのことでして。孤立隠遁期間は、「1年以上~3年未満(28.1%)」、「3年以上~5年未満(16.7%)」、「10年以上(11.5%)」で、データで「長期化」とする5年以上の比率は28.5%でした。

就職できなかったというより、「良いところに入れなかった」というのが大きいでしょう。昨日も紹介したばかりですが、ニュース1の記事によると、「このように、大卒非経済活動人口が増えたのは、学歴は高くなったのに適当な仕事が見つからなかった、または現実と乖離感が理由だと分析された。去年(※2018年)5月基準で、若年層が最初の仕事を辞めた理由を見ると、報酬や労働時間などの労働条件が満足できなくて自らの仕事をやめた場合が、全体離職経験者の半数を占めた」、とのことですから。

しかし、ネットの書き込みではありますが、「家族から『お前はなぜサムスンに入れないの?』『親戚の◯くんはサムスンに入れたんですって』と言われることだけは耐えられない」という書き込みをよく目にします。それで家族イベント(ソルやチュソクなどいわゆる『名節』に参加しない主な理由でもある、とかなんとか)。こういうデータを見ると、あれは個人レベルの話ではなかったのかも・・と思わずにはいられません。

 

 

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