韓国世論調査・・「(前の文政権より)尹錫悦政権のほうがいい」38%、「文在寅政権のほうがよかった」53%

尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する評価がどうであれ、前の文在寅(ムンジェイン)政権の『置き土産無双』に巻き込まれているという点だけは、同意せざるを得ません。私もユン政権に「あまり期待もしなかったけど、それすら過度なものだった」としか思ってません。しかし、文政権の後任である分、苦労が増えていることだけは、異論がありません。でも、なんというか、「前政権」と「現政権」を、まるで王朝が入れ替わったようにしているのは、さすがにどうだろうか、とも思っています。

実は「レゴランド事態」も、あれ、自治体長が左側から右側(現与党側)の人に変わったのが主な理由でして。前の人が「冬季オリンピックもできたし」と明らかに無理して工事を始めたのももちろん事実です。本当かどうかは分かりませんが、日本のレゴランドより広くすることを前提にしていたという話もあります(実際、もっと広い)。でも、その結果、レゴランドプロジェクトは挫折、新しい自治体長は『自治体保証』付きだった債券に対し、『前の人がやったし、自治体が出すわけにはいかない』というスタンスを取りました。レゴランド事態は、プロジェクトが失敗したから起きたものではなく、このように、『約束』の問題だったわけです。

 

今回、エネルギー価格の高騰、電力公社の赤字などで光熱費が大幅に上がったときにも、尹政権の基本スタンスは「文政権が問題だ」というものでした。部分的には事実ですが、それを言うなら、「いままで累積されてきた分」でしょう。しかし、そんな言い方をすると、前の保守政権まで含めることになります。社会そのものが左右に明確に分かれていることもあり、そんなことは言えません。逆に、文政権の問題だというと、保守からは支持されます。

そんな中、リサーチビューという世論調査機関が行った定期調査(1月)によると、「文政権より尹政権がいい」と答えた人は38%、「尹政権より文政権がよかった」と答えた人が53%でした。デジタルタイムズなどが報じています。理由は、主に光熱費問題。記事は、これは尹政権の国政運用に大きな負担になるだろうと見ています。国会議席数でもそうですが、政党支持率でも与党が遅れを取っていることもあり、なおさらでしょう。尹大統領は、既存の低所得層支援だけでなく、中産階級にも光熱費を支援するようにするとしました。

 

ちなみにこの支援の話ですが・・これから引用部分にも同じ話がでてきますが、実はその後、政府は「中産階級についてはこれから検討する」と一歩下がりました。昨日も書きましたが、また周辺と相談せずにとりあえず言っただけじゃないでしょうか)。また、予定していた電気料金、ガス料金の値上げも、これでは難しいのではないか、そう言われています。これだと、次の人もまた同じことを言うでしょう。「尹政権がちゃんとしなかったからだ」と。以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・執権2年目に入ったユン政権だが、荷は思ったより重い。40%台をかろうじて越えていた大統領支持率が再び30%台に下がっており、前任の文在寅政権のほうがよかったという意見が多いなどの世論調査結果が出た。世論調査専門機関のリサーチビューが2日公開した「1月定期調査」(調査期間1月30~31日、標本誤差は95%信頼水準プラスマイナス3.1%、中央選挙世論調査審議委員会ホームページ参照)結果を見れば、尹大統領の支持率は37%で、先月同じ調査より2%ポイント下落した。不支持は61%で3%ポイント上がった。昨年10月以後、3ヶ月連続上がっていた上昇傾向は終わった(※労働組合のストに対処するスタンスが高く評価されていました)。

 

現政権と前政権の国政評価を比較する質問には、「尹政権のほうがよくしている」という意見が38%にとどまり、「文在寅政権のほうがもっとよくやっていた」という意見が53%で過半分だった・・・・最近、暖房費などで尹大統領の支持率上昇傾向が止まったことなどが、影響を与えたものとみられる。大統領室と政府・与党側は、文在寅政権当時、ガス・電気料金の引き上げ要因にもかかわらず、料金を凍結していたため、一時的に料金が急激に引き上げられたと話しているが、世論は冷ややかだ。結局、尹大統領は庶民層だけでなく中産層まで暖房費支援対策を出すことを与党・政府に注文した(デジタルタイムズ)・・>>

政党支持率は他の機関の調査でも、野党のほうが高く出ています(機関にもよるし期間にもよりますが)。いやいやいや、しかし、いくらなんでも、ムンたんのほうがよかったってそれはないと思いますけどね。ブログネタ探し的にはともかく(笑)。単に「今の人でないなら誰でもいい」といういつもの考え方が発現しただけかもしれません。あと、記事は主に南房費関連を指摘していますが、個人的には、それだけではないと見ています。日本との懸念案件関連、米中との関係(安保支持派からしても経済支持派からしても、微妙な状態)、そしてなにより、利子負担のことも、『とりあえず王の徳が足りないからだ』と思っている人が多いのではないでしょうか。

 

 

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年9月2日)からですが、<尹錫悦大統領の仮面 (扶桑社新書)>です。文在寅政権の任期末と尹錫悦政権の政策を並べ、対日、対米、対中、対北においてどんな政策を取っているのかを考察しました。政権交代、保守政権などの言葉が、結局は仮面が変わっただけだということ、率直に書きました。 新刊<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」。これが、本書の全て、帰化の手続きを進めている私の全てです。 刊として、日本滞在4年目の記録、<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >と、新しく出現した対日観について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。 ・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。 ・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。