韓国、2022年新生児が25万人未満・・合計出生率は0.77人と予想。一部メディアは「政府は、すでに移民拡大に動いている」と報道

年初から、韓国の多くのメディアが日本と中国の出生率や新生児数を記事にしています。大幅に減少した、大変だ、というのです。それは確かに各国が問題視して関連政策に力を入れているところではありますが、やはり違和感があります。同じ件でそれ以上に問題になっているのが、他でもない韓国だからです。大手メディアも含めて「日本と韓国はともに減少し~」「(中国まで入れて)アジア圏では減少~」というふうに報じたりしています。もちろん、日本の国会でこの件が積極的に取り上げられていることで、それを「見習うべきだ」とする記事もあるにはありますが。

前にもお伝えしたことがありますが、韓国では1月に生まれる子が特に多いとされています。理由は、小学生は数ヶ月差でも体の発達に結構差があるため、小学校で良い成績が出せるよう、1月に生まれるように『プロジェクト(何のだ)』を立てるからです。逆に、11月と12月は新生児が特に少ない月となります。先月29日のニューシースの記事ですが、2022年の新生児数はまだ公式データが出ておらず、11月までの数字ですが、23万1863人です。2021年12月の新生児数が17,100人だったので、多分、25万人を下回るのではないか、とのことでして。

 

関連政策で、政府はいままで280兆ウォンを使ってきた、とされています。記事によっては300兆、とも。そういえば1~2ヶ月ぐらい前だったかな、海外のいくつかのメディアも「280兆ウォン使ってこれですか」という旨の記事を出したりしました。この件で、朝鮮日報の総合編成チャンネル(ケーブルテレビ局だけど、地上波と同じく多様な番組編成が可能なチャンネル)TV朝鮮は、「すでに政府は移民の受け入れを強化する動きを見せている。様々な関連対策に効果がなかったためだ」と報じています。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

<<・・昨年、年間出生児数が史上初めて25万人を下回る可能性が高くなった。経済協力開発機構(OECD)出生率不動の最下位の我が国の人口危機は、さらに深まると見られる。低出産問題を解決するためには、青年たちの家族形成期を保護する積極的な支援策が必要だという指摘が出ている。(※1月)29日、統計庁の「2022年11月の人口動向」によると、昨年1~11月の出生児数は23万1863人で、その1年前より4.7%(1万1520人)減少した。 年末に出生児数がさらに減少する傾向を勘案すれば、昨年の年間出生児数は史上初めて25万人以下になる見通しだ。

 

統計庁の関係者は「通常、11月、12月の出生児数が少ない方で、今の傾向であれば、昨年の出生児数が25万人以下に下がる可能性がある」と展望した。昨年11月の出生児数は1万8982人で、月間統計集計を始めて以来、同じ期間でもっとも少なかった。月間で出生児数が2万人以下になったのは、5番目だ。12月の出生児数はこれよりも少なくなる可能性が高い。12月は2015年から月間出生児数統計の中で最も低い数値を示したためだ。2021年12月出生児数(1万7100人)よりも少なくなると予測される。

年間出生児数は2017年(35万7771人)初めて40万人ラインを下回り、それから減少しっぱなした。2018年32万6822人、2019年30万2676人を過ぎ、2020年には27万2337人、2021年26万562人と、20万人台に達した。我が国の合計出生率は2021年基準で0.81人。OECD加盟国のうち唯一、1人にならない。統計庁は昨年の合計出産率が0.7人台になると予想した。「2020~2070年の将来人口推計」によると、統計庁が予想した昨年の合計出産率は0.77人だ(ニューシース)・・>>

 

<<・・政府が過去15年間に低出産対策に注いだ予算だけ300兆ウォンです。それでも可視的効果がなく、結局、移民拡大や外国人材誘致を並行する方に政策方向を変えました。外国の優秀人材を連れて来るためにビザ要件を緩和し、特に科学や技術など専門的な優秀人材には、永住と帰化のためのファーストトラックを導入します。すでにオーストラリアやシンガポールなどは移民拡大で労働力不足を埋めています。【ナギョンウォン/低出産高齢社会委員会副委員長「低出産・高齢化対応案づくりだけで、今の人口危機を機会に変えるのは難しいという認識であり・・」】ただし、高級人材優遇が呼び起こす問題、良い雇用の減少、文化葛藤の可能性などについては、細心の配慮が必要だという指摘です(TV朝鮮)・・>>

移民政策関連では、確か、同じ話が李明博政権のときに結構出ていました。でも、あのときはまだ出生率関連で今ほど話題でもなかったし、これといった効果はありませんでした。さて、そのナ・ギョンウォン氏、すでに辞任済みですが・・今回はどう動くのでしょうか。何か政策を作ったとしても、次の政権ではまたひっくり返されるのでは。

 

 

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