韓国当局、「中国偵察気球の領空通過は無かった」と発表・・日本・米国とは明らかな温度差あり

いろいろ話題(?)の中国の偵察気球。米国の気象学者が、同じものが韓国領空を通過した可能性もあると主張したところ、韓国軍当局はそんなものはなかったと発表しました。BBCが気象学者の見解を報じたのが現地時間で3日、YTNが引用報道したのが6日です。同日の6日、当局は「そんなことないもん」とし、朝鮮日報の報道によると、それから米政府からも可能性が提起されたとのことで、昨日(9日)、韓国当局は立場に変化はないと改めて述べました。当局はなぜここまで言いきることができたのか、しかもさほど調べる時間もかけずに発表しているなど、不自然な対応です。朝鮮日報も、専門家の見解として「見逃した可能性がある」と指摘しています。

これは、日米の反応とは、かなりの温度差が感じられる対応です。松野博一官房長官は昨日、「例の気球と類似したものが確認された事例があり、令和4年1月、九州西方の公海上空でも確認できた」と話しました。7日には浜田靖一防衛相が、米国と同じく気球を撃墜することもできるのかという質問に、「生命・財産を守るために必要なら、実施する」と話しました。九州となると、例の気象学者が分析した移動経路上となります。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・米国政府が自国領空で発見した中国偵察風船(※韓国メディアでは「風船」表記が一般的ですが、以下、『気球』とします)を大西洋上空で撃墜した中、該当偵察気球が朝鮮半島南部を通過した可能性が提起されました。BBCは、現地時間3日の記事で、米国気象専門家のダン・サターフィールドの分析を引用し、このように推定しました。ダン・サターフィールドは、米国国立海洋大気局(NOAA)が大気汚染物質の長距離移動を研究するために開発した逆軌跡プログラムHYSPLITを利用しました。

このプログラムを利用すると、高さ1万4千メートル以上の高度で汚染物質や火山灰などの空気中の物質がどこから来て、またどこに行くかを推定することができます。ダン・サターフィールドが公開した地図を見ると、気球は中国中部地域から出発し、朝鮮半島南部地域を経て、日本九州と四国を通過したと分析されました。以後、気球は東北に向かってアラスカ列島、カナダ西部を経て、米国モンタナに進入したと推定されました。中国風船は去る2020年日本宮城県で発見されたことがあり、台湾では2021年9月と2022年3月の2回にわたって発見されたと言われています(YTN)・・>>

 

<<・・米国政府が、中国偵察気球の朝鮮半島通過の可能性を提起したことと関連し、韓国軍当局は9日、「私たち領空を通過した中国偵察気球は無いと判断される」という既存の立場を維持した。それと共に「米国軍・情報当局と情報を共有し、追加の精密分析を行う方針」とした。専門家たちの間では、「見逃した可能性がある」という話が出ている・・・・気球が高度約20km上空で発見された点と、平均時速50kmに移動した点を勘案して、レーダー検出履歴を調べた。

軍関係者は「米国側が評価した高度と我が軍の対空能力などを総合した結果、気球が領空を通過していないと判断される」と明らかにした。防空レーダーは高度25km前後の物体を検出できることが分かった・・・・先にジョン・カービ米国家安全保障会議(NSC)戦略疎通調整官は、「中国が偵察気球を送った事実を、該当国家が全く知らない場合もある」とした。続いて韓国でも中国気球が発見されたかという質問には「そのようなことは。同盟およびパートナーと非公開にするだろう」と答えた。軍情報筋は、「朝鮮半島を経由しなくても米国や日本に行くことはできるだろう」とし「数年前の航跡まで今確認することは難しい」と話した(朝鮮日報)・・>>

 

せめて、「いまのところ無いと思われるが、これからもっと調べてみます」など、可能性を開けておくほうをメインに話したなら、まだわかりますけど・・記事のニュアンスからすると、これから調べるというのは完全に飾りで、「無い」を強調しているようにしか見えません。ミサイルが予定と逆方向に飛んでいったときにも報告に1日、発表に2日かかったと言われているのに、なんで関連記事(YTN)と同日にここまで素早く「無い」と述べ、しかも3日後にもう一度述べたのか。いろいろ気になるところです。最近、本ブログに中国関連内容が増えて、私の見方がさらに曇ってしまっただけかもしれませんが・・

 

 

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