韓国メディア、米国『チップス法』細部指針のことでサムスン・SKの中国工場問題をクローズアップ・・『アップグレードできず、運営そのものに問題が発生する』

いわゆる「チップス法」の細部指針、詳しくは中国に対する投資に関する部分が、早ければ今月中にでも発表されると報じられています。そこで、毎日経済など一部の韓国メディアが、中国にあるサムスンやSKハイニックスの工場はどうなるのかと、記事を載せています。どうしたのでしょうか。一つ前のエントリーで紹介した見解だと、何の問題も無いはずですが(笑)。設備関連では1年間の猶予措置を得ましたが、それも再延長は難しいのではないか、とされている今日この頃。サムスンのNANDの4割、SKのDRAM5割、NAND3割が中国の工場から作られていますが・・この件、いまのところ、あまり話題にはならないでいます。以下、<<~>>が引用部分になります。

<<・・早ければ今月、サムスン電子とSKハイニックスの中国工場運営の運命が決まります。米国商務省が自国半導体産業競争力強化のために制定した「半導体産業育成法(半導体法)」による補助金申請手続きなどを、今月下旬に発表する計画だからです。米国半導体法は自国半導体産業育成のための補助金支援の拡大とともに「ガードレール」条項を盛り込んでいます。 米国政府から税額控除や補助金を支援された企業が、今後10年間、中国などの国に先端半導体施設を建設したり、追加投資できないようにするのが主な内容です。

 

サムスン電子とSKハイニックスが米国政府のガードレール条項の確定を控えて緊張しています。最優先目標は米国の半導体と科学法、いわゆるチップス法の懸念国投資関連措置から例外を認められることです。昨年10月、中国に対する先端半導体装備の輸出関連措置において、サムスン電子とSKハイニックスが1年間の猶予を受けたのと同様のことを期待しています・・・・ガードレール条項が厳しく適用されると、サムスンとSKハイニックスの立場が難しくなります。中国工場は事実上運営が難しくなります。既存の施設をアップグレードすることさえ不可能になる可能性も出てきます。

実際、米国の対中半導体関連措置が本格化した昨年以降、サムスン電子とSKハイニックス共に中国現地工場の運営に苦心してきました。サムスン電子は昨年3月に30兆ウォンを投資して西安2工場の量産を始めたものの、今後も持続的な施設のアップグレードが可能かどうかはわからなくなりました。キム・ジェジュンサムスン電子副社長は先月31日の実績発表で、中国西安工場と関連して「中国に工場を安定的に運営するまでに長い時間がかかり、すでに多くの投資が行われたため、非常に慎重な検討が必要な事案」と話しました。中国無錫のDRAM工場にEUV装備の搬入を推進し、微細工程投資を予告していたSKハイニックスは、このような計画を保留したと知られています(毎日経済)・・>>

 

例の1年間猶予も、再延長は難しいのではないかと指摘されています。本ブログで何度かお伝えした半導体関係者の発言、「同盟という義理だけで中国市場から離れることはできなくなった」のソース記事でもある韓国日報の記事(1月5日)によると、 <<・・中国に半導体生産設備を置いてあるサムスン電子とSKハイニックスは、1年間の猶予措置を受けて時間を稼いだ。しかし、1年後にもまた猶予を受けることができるのか、むしろ強化された措置を受けるのか、見分けることはできない。北京にある某政府傘下機関の関係者は、「今は半導体産業が問題だが、電気自動車産業や戦略物資産業、金融業界も米中競争という不要な戦いに巻き込まれる」、「今、その圧迫は一時的な変数ではなくなった」と言った・・

・・各企業は、中国から離れるのが難しい。サムスン電子は中国西安工場で全体NANDの40%を、SKハイニックスは無錫と大連でDRAMとNANDをそれぞれ50%と30%ずつ生産している。大韓商工会議所によると、半導体輸出において中国が占める割合は昨年39.7%で、2000年(3.2%)から12倍以上成長した。中国現地の半導体業界関係者は、「設備、素材、部品、ノウハウがすべてここにある。同盟論理で事業を動かすことができる段階は、すでに過ぎた」と話した・・>>、とのことでして。

 

引用部分にもありますがこれといった制限無しで例外認定されるならともかく、1年猶予とかになっても、大きな流れが変わることはないでしょう。はてさて、どうなるのか。本当に今月中に何かあるなら、続報もお伝えできればと思います。 あと、また告知ですが・・明日と明後日(14日と15日)、休むことになりました。14日は朝早くから動いて、いくつかの用事をまとめて片付けるつもりです。15日は、前から予約してあった、レナとの日帰り旅行の日です。2日も連続で休みを頂いて、まことに申し訳ございません。次の更新は、16日のいつもの時間、朝11時頃になります。また、それとは別に、帰ってきたらまたサブブログ(コメント欄の方)に写真エントリーでも書けたら、と思っています。それでは、行ってきます。

 

 

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