アプリ利用で1円(10ウォン)、吸い殻を拾うと1円・・韓国、「1円マーケティング」が盛況・・一部メディアは「笑えない現実」と報道

韓国で、「10ウォン(1円)」マーケティングが盛況です。たとえば、ある銀行が自社アプリを広報するために、アプリに『ある機能』をつけました。同じアプリとブルートゥース機能をONにしたとき、一定範囲内に同じアプリとブルートゥースをONにした人がいると、アプリ画面にその相手が表示されます。そのときに表示されたアイコンをチェックすると、1円が入金されます。ポケモンGOの同アプリ利用者バージョン、とでも言いましょうか。

あるアプリは、アプリをONにしたまま歩くと、特定距離を歩くたびに、万歩計のようにポイントが得られます。ただ、記事によると1日に10円(100ウォン)まで。ネット情報では140ウォンまで得られるという話もありますが・・似たようなアプリが他にもあるのでしょうか。ある自治体では、福祉関連予算で吸い殻を拾ってくると1円ずつ払う(上限ある)制度を実行したところ、予算が足りないほど人が集まった、とも。去年にも同じイベントを実施したけど、あまり人が来なかったそうです。

 

複数のメディアによると、このような、いわゆる「1円拾い」関連マーケティング(自治体の場合はマーケティングとは違うでしょうけど)が大盛況だそうです。多くのメディアが「節約精神を発揮」「(吸殻拾いや万歩計アプリなどで)環境にもいいので利用者の満足度は高い」などと好意的に報じていますが、朝鮮日報の場合は記事の見出しに「経済を反映しており、笑えない現実」としています。SBSもこの現象を「デジタル古紙拾い」と表現していますが、言い得て妙、ではないでしょうか。ダンボールなど古紙を拾う高齢者たちの、デジタルバージョンにすぎないというのです。

1円でもこのように頑張って集めるというなら、それは別に全然構いませんが・・問題は、各種『ズル』が起きていることです。ものすごい数の人が利用しているので、彼らなりの作戦が登場したわけです。ソース記事の記者さんが「1円の聖地」と呼ばれている某公園に行ってみたところ、実に800㎡ぐらいのスペースに2百人以上の人が集まって、お互いにスマホ画面をチェックしていました。例のアプリを使う人たちが、『相手』を見つけやすいように、この場所に集まるようになったわけです。『やった!コーヒー一杯分は稼げた!』などの声が聞こえてきたそうです。

 

ネットの書き込み(※ソース記事のコメント欄ではありません)によると、このやり方でコーヒー1杯分となると、聖地でもなければ不可能だそうです。それもそうでしょう。もともとはこんなに『仲間』が特定場所に集まること想定してのアプリではないでしょうから。万歩計アプリも、スマホを揺らす(歩いているとアプリに認識させる)ための機械まで登場、売れているとのことです。3ヶ月間、上限(14円)を得ると、機械の価格分はカバーできるそうです。以下、<<~>>が引用部部です。

<<・・最近、ある銀行がスマートフォン アプリ広報イベントとして、いわゆる「10ウォン拾い」サービスを開始した。アプリを利用してポイントを集めるのだ。Bluetooth機能をオンにしてこのアプリを起動すると、周辺に同じアプリをオンにした人が画面の中にアイコンとして表示され、相手のアイコンを押せば1人につき10ウォンずつ得られる。会社員たちの間で、昼休み市立美術館前にこのサービスを利用しようとする人々が集まるという噂が広がり、人々が集まって、ここが一つの「聖地」になった。

 

最近、高物価が続いて、「10ウォン」でも集めるという人々が増えている。ランチタイムに銀行アプリを利用して10ウォンずつ拾うという人がいるかと思うと、スマートフォンで歩数を測定して1000歩あたり10ウォンずつポイントを与えるアプリを利用する人も多い。1万歩で100キャッシュポイントを稼ぐことができるため、携帯電話を自動で動かす機械まで出てきた。今月初めにこの機械を8700ウォンで買ったというある会社員は、「携帯電話を使わないときにこの機械に1時間だけ載せても100キャッシュを得ることができる」とし「一日に100ウォンずつ、一ヶ月なら3000ウォンになるから 3ヶ月だけ回しても、機械の価格はもとが取れる」と話した(朝鮮日報)・・>>

引用部部にはありませんが、吸殻拾い関連のイベントをやっている自治体の場合、去年は予算に十分な余裕があったのに、今年は人が多すぎで、予算を増やさなければならない、と話しています。この場合は環境保護とかゴミ拾いの意味が強いから、それでいいかもしれませんが・・銀行だろうとなんだろうと、アプリ運営側にも予算は決まっています。彼らの場合、記事に書いてあるようなやり方が続いた場合、1円拾い関連イベントをすぐに終了するのではないでしょうか。

 

 

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