韓国メディア、ミュンヘン外相会談のことで「『政治的決断』というけど、岸田総理の立場は変わっていない。結局、尹大統領が決断するしかないのでは」

詳しくは昨日(2つ前のエントリー)お伝えしましたが、昨日、ドイツのミュンヘン安保会議で、林芳正外相と朴振(パクジン)外交部長官の外相会談がありました。昨日の夜もちょっと情報をチェックしてみましたが、これといって目新しい話は無く、各記事に共通しているのは「言えることはすべて言った」、「もう政治的決断を待つばかり」、とのパクジン長官の発言だけでした。日本側の記事でも、「率直に意見を交わした」な内容だけで、主に北朝鮮関連の話(日米韓外相会談もありました)がメインでした。

で、その政治的決断という発言ですが、一部のメディアが、『外交部長官(外相)がそう言ったということは、もう外交の領域ではやることが無いという意味ではないのか、という分析を載せました。本エントリーのソース記事は京郷新聞です。もう尹大統領と岸田総理が解決する問題であるが、岸田総理はスタンスを買えていないので、事実上、尹大統領が決断するしかないのではないか、とも。

 

いままでは、日本側は条約に関する側面を強調してきましたが、文政権も尹政権も、「外交的に解決すべき」というスタンスでした。条約及び最高裁判決などの側面は取り上げませんでした。そもそもこの時点でスタンスの差が明らかだったわけです。なのに、外交部の長官(外務相)が「言えることはすべて言った」と「政治的決断だけが残っている」と発言したのは、「もう外交ではここまで」という宣言ではないのか、というのです。さて、どうでしょうか。大統領なら出来るかもしれません(政権交代までの時限付きですが)。でも、総理にそんなことができるのでしょうか。そもそも、そうやって解決できるなら、なんでいままでしなかったのでしょうか。先も書きましたが、『条約』としての側面を語らないかぎり、外交でも政治でも難しいのでは。以下、<<~>>が引用部分となります。漢字で書いた単語の『◯』は『金』です。読みづらくて本当に申し訳ございませんが、どうかご理解の程をお願い致します。

 

<<・・現◯化を解決するために両国の外交長官(※外相)が対面したが、異見を調整することはできなかった。ドイツ・ミュンヘン安保会議に出席したパクジン外交部長官と林芳正外務相は18日(現地時間)会談を行い、集中的に議論した。パク長官は会談を終えた後、「主な点について、できる話は全部した」とし「誠意ある呼応のための政治的決断を促した」と話した・・会談時間も35分だけだった。協議というより、お互いの立場を再確認する場だったのだろう。パク長官の会談後の発言は、外交ラインを通じた協議では、これ以上することがないという意味だと思われる・・

・・いままで両国は現◯化について実務チャンネルである局長級協議を行ってきたが進展がなく、ハイレベルによる解決を模索してきた。しかし13日、米国ワシントンでジョヒョンドン外交部1次官と森健良外務事務次官が2時間半にわたって議論したにもかかわらず、結論を下すことはなかった。 続いて長官会談でも、立場の溝はそのままだったわけだ。パク長官が言及した「政治的決断」とは、大統領室と総理官邸が、政務的に判断して問題を解決するしかなくなった、という意味であろう・・

 

・・パク長官は日本側に決断を促したと言うが、結局は私たちが決断を下すべき側だという指摘も出ている。尹政権は、日本企業の出捐が必要だと『ボールを渡した』が、日本側は既存の立場を固守し、再びこちらにボールを渡したからだ。ユン政権は、この問題を急いで解決し、新しい両国関係を宣言した後、ワシントン訪問(※去年5月にバイデン大統領が約束した招待の件で、4月に訪米予定です)に続き、5月に日本で開かれるG7首脳会議に参加する構想を持っている。このためには、5月になる前には必ず現◯化を解決しなければならないという負担を抱えているのだ(京郷新聞)・・>>

引用部分にはありませんが、ほとんどの専門家及び外交情報筋たちは、岸田総理がスタンスを変える可能性は無いと見ている、とのことです。来月インドのニューデリーで開かれるG20で外相会議のチャンスが残っているものの、事実上『もう外交ではここまで』宣言が出ていることだし、これといった進展はないだろう、と。記事は、尹大統領がどんな『決断』をするのか、日本側の話に合わせるのか、それとも逆を行くのか。それは、5月頃には分かるのではないか、と予想しています。はてさて。 今日の更新はこれで終了致します。次の更新は、明日のいつもの時間、11時頃になります。

 

 

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